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番外編2
レオ・ペルガメント3
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ペルガメント前侯爵夫妻。娘は王太子妃で、誇り高く、優遇されるような立場だっただろう。
だが、サリーは王太子妃になってから、両親に関わらないようになった。挨拶以外は母国語であるトワイ語で話すことはない。
二人は理解が出来ないため、憤慨する。『私の両親だというのなら、このくらい分かるでしょう?』という、サリーならではの仕返しである。
私はその様子を笑いを堪えて見るのが楽しみになった。
最初はサリーが結婚後の初めての夜会で、サリーが両親に話し掛けられている時のことだった。不機嫌な表情はしていないが、話し出した言葉に驚いた。
『何か用事かしら?(ノワンナ語)』
「な!母国語で話しなさい」
「そうよ!」
『あなた方が私に合わせてくれてもいいのではないですか?娘なのに、出来ないのですか?(アペラ語)』
話すこともないという意思表示なのだろうと、理解した。なんてかっこいい妹なのだろう。両親は何を言われているのか分からず、分かる者は不仲なのだと察する。
ジェシカもレオの隣で、堪え切れない悪い笑みを浮かべていた。
両親が怒って去って行くと、ジェシカとサリーの側に向かった。
『妃殿下、お疲れ様でございます。笑顔を堪えるのが大変でした(カベリ語)』
『最高でした(カベリ語)』
『何を言っても無駄でしょう?出来ることは相手にしないことくらいしかないもの、邸で面倒なことになったら、ごめんなさいね(カベリ語)』
『そんなことは考えなくていい。最高だった!答えていないわけでもないのに、娘にすら何を言われているのか分からない親なんて…親なのか?(カベリ語)』
レオも両親に行かされた留学のおかげで、ノワンナ語とカベリ語は堪能である。アペラ語も少しは出来る。ジェシカもノワンナ語とカベリ語だけは少し分かる。
『自分たちが勉強しろと言ったくせにね?(カベリ語)』
『両親のおかげでこうなっているのに、気付かないんだよな(カベリ語)』
両親は自分たちの与えたことで、起こっているとは思っていない。
サリーの金庫の中にあった両親の暴言は、聞いたことがあるものも多く、私がいない間も同じような言葉を発していたことがよく分かった。
「お前は勉強だけしてればいいんだ」
「黙って従いなさい」
「王太子妃になれるのは私のおかげなんだ、感謝しろ」
「頭が良いことしか取り柄がないんだから」
両親は私たちによく出来た、偉いと言ったとしても、やっぱり私たちの子どもだからと付く。
私たちが住まいを移して数年後、まず父が足を悪くし、母が腰を悪くした。
戻って来いと言い出したが、戻る条件は爵位を譲って隠居すること。こちらは全く困っていないので、数年揉めたが、両陛下も口添えをしてくれて、領地に下がらせることが出来た。
自分の思うように動くことが出来なくなって、使用人に当たるようになったが、世話してくれる者がいなくなってもいいのかと言えば、渋々黙った。いくらお金があっても、世話して貰って当たり前の二人は何も出来ない。
サリーに命が分け与えられるなら、この二人の余命を奪ってやるのが、一番いいと思ったくらいだが、しぶとく生きている。
「久し振りですね、どうですか調子は」
「どうもこうもない、足が痛くてかなわん」
「そうよ、何て不自由な体なのかしら」
あっさり死ぬような病気はなく、長患いは天罰じゃないかと思っている。
「無意味に生きているだけいいじゃないですか」
「何だと!」
「あなたもサリーも育てて貰った恩を忘れて!」
「はあ…変わらないんですね、本当に。サリーはあなたたちを潰そうと思えば潰せたんですよ」
「何を言っている!」
「あの子に何が出来るって言うのよ」
両親はサリーが本気で潰そうとすれば簡単に潰せただろう。だが、私のことも、ペルガメント侯爵家のことを考えて、そこまではしなかっただけだ。
だが、サリーは王太子妃になってから、両親に関わらないようになった。挨拶以外は母国語であるトワイ語で話すことはない。
二人は理解が出来ないため、憤慨する。『私の両親だというのなら、このくらい分かるでしょう?』という、サリーならではの仕返しである。
私はその様子を笑いを堪えて見るのが楽しみになった。
最初はサリーが結婚後の初めての夜会で、サリーが両親に話し掛けられている時のことだった。不機嫌な表情はしていないが、話し出した言葉に驚いた。
『何か用事かしら?(ノワンナ語)』
「な!母国語で話しなさい」
「そうよ!」
『あなた方が私に合わせてくれてもいいのではないですか?娘なのに、出来ないのですか?(アペラ語)』
話すこともないという意思表示なのだろうと、理解した。なんてかっこいい妹なのだろう。両親は何を言われているのか分からず、分かる者は不仲なのだと察する。
ジェシカもレオの隣で、堪え切れない悪い笑みを浮かべていた。
両親が怒って去って行くと、ジェシカとサリーの側に向かった。
『妃殿下、お疲れ様でございます。笑顔を堪えるのが大変でした(カベリ語)』
『最高でした(カベリ語)』
『何を言っても無駄でしょう?出来ることは相手にしないことくらいしかないもの、邸で面倒なことになったら、ごめんなさいね(カベリ語)』
『そんなことは考えなくていい。最高だった!答えていないわけでもないのに、娘にすら何を言われているのか分からない親なんて…親なのか?(カベリ語)』
レオも両親に行かされた留学のおかげで、ノワンナ語とカベリ語は堪能である。アペラ語も少しは出来る。ジェシカもノワンナ語とカベリ語だけは少し分かる。
『自分たちが勉強しろと言ったくせにね?(カベリ語)』
『両親のおかげでこうなっているのに、気付かないんだよな(カベリ語)』
両親は自分たちの与えたことで、起こっているとは思っていない。
サリーの金庫の中にあった両親の暴言は、聞いたことがあるものも多く、私がいない間も同じような言葉を発していたことがよく分かった。
「お前は勉強だけしてればいいんだ」
「黙って従いなさい」
「王太子妃になれるのは私のおかげなんだ、感謝しろ」
「頭が良いことしか取り柄がないんだから」
両親は私たちによく出来た、偉いと言ったとしても、やっぱり私たちの子どもだからと付く。
私たちが住まいを移して数年後、まず父が足を悪くし、母が腰を悪くした。
戻って来いと言い出したが、戻る条件は爵位を譲って隠居すること。こちらは全く困っていないので、数年揉めたが、両陛下も口添えをしてくれて、領地に下がらせることが出来た。
自分の思うように動くことが出来なくなって、使用人に当たるようになったが、世話してくれる者がいなくなってもいいのかと言えば、渋々黙った。いくらお金があっても、世話して貰って当たり前の二人は何も出来ない。
サリーに命が分け与えられるなら、この二人の余命を奪ってやるのが、一番いいと思ったくらいだが、しぶとく生きている。
「久し振りですね、どうですか調子は」
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「そうよ、何て不自由な体なのかしら」
あっさり死ぬような病気はなく、長患いは天罰じゃないかと思っている。
「無意味に生きているだけいいじゃないですか」
「何だと!」
「あなたもサリーも育てて貰った恩を忘れて!」
「はあ…変わらないんですね、本当に。サリーはあなたたちを潰そうと思えば潰せたんですよ」
「何を言っている!」
「あの子に何が出来るって言うのよ」
両親はサリーが本気で潰そうとすれば簡単に潰せただろう。だが、私のことも、ペルガメント侯爵家のことを考えて、そこまではしなかっただけだ。
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