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【テイラー】ミリオン王国・王家2
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「改善して欲しかったわけではなく、ですか?」
「ええ、彼女はマーク・ファドットの時は被害者と言っていい立場だった。それが、奪う側になったことを許せなかったのかもしれないわ」
「それはあるかもしれませんね…」
日陰者なんて名前は不本意だった様子ではあったが、望んで妾でいいと言ったのも、目に着かない場所を望んだのも、アイルーンの矜持だったのかもしれない。
「でも、ひとりぼっちだったと言っていました。本当に誰もいなかったのでしょうね…そんなところで、一人いえ、子どもを身籠ったまま殺されたなんて」
「ええ、同じ母親として、言葉にもならないわ」
シュアリアは、アイルーンが妊娠中に病死したことですら酷く胸を痛めた。それが殺されたなんて、いくら王妃という立場としても、許せなくて当然だと思った。
「テイラー嬢は父上に、アイルーン嬢が嫁いで、竜帝国と繋がりが出来たのに、病死してしまい、せめて子どもが生きていたら、違ったのにと、死ぬなら子どもを産んでからにしてくれたら良かったのにと思ったのではありませんかと言いました。父上は否定していましたが、おそらく図星ですよね?」
「それは聞いていないわ!はあ…分が悪いから言わなかったのね」
ギリシスからシュアリアは話を聞いていたために、省かれたのだと察した。
「図星で間違いないと思うわ。似たようなことを言っていたもの」
アイルーンが病気で亡くなったと知らされた際に、酷く落胆していた。
その後、妊娠中であったことを聞き、病気は仕方ないが、どうして生まれてからではないんだと言っていた。
「子どもだって、もし生まれていても、大事にして貰えたか分からないのに」
「ええ、ギリシスは番なのだから大事にされていたに違いない。子どもも生まれていたら、大事にされるに違いないと信じているのよ」
「今でもですか?」
「次こそはとでも思っているのでしょう」
シュアリアは、ギリシスも思春期の頃は番に憧れがあった。だから、聞いたわけではなかったが、口振りから想像が出来ることであった。
「テイラー嬢にとっては、皇帝は同じ人間ではありませんか」
「ええ、竜帝国側も記憶がなければと思っているでしょう。どう言い出すか分かりませんけど、アイルーン嬢が殺されたのならば、私はテイラー嬢を守りましょう」
「はい!私もそう思います」
「デリア侯爵家も、味方になってくれるでしょうから、我々が間に入りましょう」
「はい」
エレサーレは小さな体で抗うテイラーの姿は、怒りよりも、あまりに悲しかった。何か力になりたいと思っており、シュアリアに話をして良かったと思った。
そして、出掛ける時はまさかこんなことになるとは思っていなかった王宮から戻った、ルーベンスとベルサートも、混乱の中にいた。
「どういうことなのでしょうか…殺されたということも、寵妃がいたことも、辛い暮らしだったことも、テイラー嬢がアイルーンなのでしょうか」
「あの子の目を見ただろう?」
忘れることの出来ないアイルーンの瞳で、最後に会った時にはあの瞳は、既に見ることが出来ない姿だった。
「ならば、殺されたというのは…本当なのでしょうか」
「私は信じるに値すると思った」
「だったら、殺されたと…アイルーンは殺されたというのですか」
病死でも皆、悲痛なお悔やみを伝えてくれた。
あんなに健康だったのにとも言われた、でも番ということで、皆が不遇の扱いをされているなどと思ってもいなかったことが大きい。
「ああ、病死でもどんなに辛かったかと思っていた。それが殺されたのだとしたら…死にきれない気持ちだっただろう。お前も娘を持つ親なのだから、分かるだろう?」
「はい…」
ベルサートは娘が同じ目に遭ったら、いや、妹でも許せない思いであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日もお読みいただきありがとうございます。
本日は、1日2話、投稿させていただきます。
いつもの17時に、もう1話投稿します。
どうぞよろしくお願いいたします。
「ええ、彼女はマーク・ファドットの時は被害者と言っていい立場だった。それが、奪う側になったことを許せなかったのかもしれないわ」
「それはあるかもしれませんね…」
日陰者なんて名前は不本意だった様子ではあったが、望んで妾でいいと言ったのも、目に着かない場所を望んだのも、アイルーンの矜持だったのかもしれない。
「でも、ひとりぼっちだったと言っていました。本当に誰もいなかったのでしょうね…そんなところで、一人いえ、子どもを身籠ったまま殺されたなんて」
「ええ、同じ母親として、言葉にもならないわ」
シュアリアは、アイルーンが妊娠中に病死したことですら酷く胸を痛めた。それが殺されたなんて、いくら王妃という立場としても、許せなくて当然だと思った。
「テイラー嬢は父上に、アイルーン嬢が嫁いで、竜帝国と繋がりが出来たのに、病死してしまい、せめて子どもが生きていたら、違ったのにと、死ぬなら子どもを産んでからにしてくれたら良かったのにと思ったのではありませんかと言いました。父上は否定していましたが、おそらく図星ですよね?」
「それは聞いていないわ!はあ…分が悪いから言わなかったのね」
ギリシスからシュアリアは話を聞いていたために、省かれたのだと察した。
「図星で間違いないと思うわ。似たようなことを言っていたもの」
アイルーンが病気で亡くなったと知らされた際に、酷く落胆していた。
その後、妊娠中であったことを聞き、病気は仕方ないが、どうして生まれてからではないんだと言っていた。
「子どもだって、もし生まれていても、大事にして貰えたか分からないのに」
「ええ、ギリシスは番なのだから大事にされていたに違いない。子どもも生まれていたら、大事にされるに違いないと信じているのよ」
「今でもですか?」
「次こそはとでも思っているのでしょう」
シュアリアは、ギリシスも思春期の頃は番に憧れがあった。だから、聞いたわけではなかったが、口振りから想像が出来ることであった。
「テイラー嬢にとっては、皇帝は同じ人間ではありませんか」
「ええ、竜帝国側も記憶がなければと思っているでしょう。どう言い出すか分かりませんけど、アイルーン嬢が殺されたのならば、私はテイラー嬢を守りましょう」
「はい!私もそう思います」
「デリア侯爵家も、味方になってくれるでしょうから、我々が間に入りましょう」
「はい」
エレサーレは小さな体で抗うテイラーの姿は、怒りよりも、あまりに悲しかった。何か力になりたいと思っており、シュアリアに話をして良かったと思った。
そして、出掛ける時はまさかこんなことになるとは思っていなかった王宮から戻った、ルーベンスとベルサートも、混乱の中にいた。
「どういうことなのでしょうか…殺されたということも、寵妃がいたことも、辛い暮らしだったことも、テイラー嬢がアイルーンなのでしょうか」
「あの子の目を見ただろう?」
忘れることの出来ないアイルーンの瞳で、最後に会った時にはあの瞳は、既に見ることが出来ない姿だった。
「ならば、殺されたというのは…本当なのでしょうか」
「私は信じるに値すると思った」
「だったら、殺されたと…アイルーンは殺されたというのですか」
病死でも皆、悲痛なお悔やみを伝えてくれた。
あんなに健康だったのにとも言われた、でも番ということで、皆が不遇の扱いをされているなどと思ってもいなかったことが大きい。
「ああ、病死でもどんなに辛かったかと思っていた。それが殺されたのだとしたら…死にきれない気持ちだっただろう。お前も娘を持つ親なのだから、分かるだろう?」
「はい…」
ベルサートは娘が同じ目に遭ったら、いや、妹でも許せない思いであった。
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本日は、1日2話、投稿させていただきます。
いつもの17時に、もう1話投稿します。
どうぞよろしくお願いいたします。
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