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【テイラー】最期1
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「最期に会う気のある家族には会わせて、刑を執行しよう」
「は!」
ローズミー、ペジリーの家族、クラード・エウオン伯爵は会うと言い、ラオイの家族は両親であるキリー男爵夫妻だけが会うということになった。
両家とも廃家になることは、覚悟をしていたので、しっかりと受け止めた。
当人はいくら反省していたとしても、怒りが勝ったが、関与していない家族は不運だったとしか言いようがない。特に兄として生まれたクラードに何の責任もない。
家族は被害者であると思っている。住まいを変えて、生きていって欲しいことを伝えることくらいしか出来なかったが、ディオエルの本心であった。
面会室でガラス越しに、両親であるシルダンとアサルに会ったラオイは、床に頭を擦り付けて、謝罪した。
「申し訳ありませんでした!」
「座りなさい」
ラオイはのろりと立ち上がって、椅子に座った。
「事実なんだな?」
「はい…」
「…そうか」
シルダンもすべての経緯を聞いて、分かっていることではあったが、息子の口から聞きたかった。アサルは声にならなかった。
「家は、男爵家はどうなりますか」
「廃家になる」
「…そんな、申し訳ございません」
キリー男爵家も代々守り続けて来た、歴史ある家であった。
「当然のことだ」
「申し訳ございません…私のことは切り捨てて、どうにかならないのでしょうか」
「ならぬ。反省はしているのだな?」
認めなかったために、自白剤を使ったと聞かされていた。
「はい…愚かなことをしました」
「なぜ、亡くなられた時に話さなかった?」
「それは…保身のためでした」
「その後も、なかったかのように生きて来たのだろう」
「はい…」
ラオイは自分のせいではない、病気だったのだと思い込んで生きて来た。だが、殺人だったと言われた時、犯人は自分だと思った。
だが、言えるはずがない。そんなことをすれば、自分も、家族もどうなるか分からないと思った。
医師になったことを喜んでくれる家族に、失望されたくなかった。
「なぜそんなことをしたんだ?」
「興味が…ありました」
「疑似番にか?」
「はい…それで、危険だと思いながらも、続けてしまった」
「お前がやらなければ、今頃、子どももいらっしゃっただろうに」
「そうよ!」
アサルも同じ母親として、妊婦を殺すなどということをした息子に非難の声を上げた。
「分かっています…」
「犯人の妃とは親しかったのか?」
「妃より、母親の方と、何度か話したことがありました」
ローズミーとは輸血をするようになって話すことになっただけで、そのようなことがなければ、担当でもしない限り話すことはなかった。
「それで持ち掛けられたんだな?」
「はい…もしも、上手く行くことがあったら、番ではないから子どもが持てないということが、覆されるのではないかと」
お金も貰えるなら欲しかったが、医師としての興味の方が強かった。
正直、何の思い入れもないローズミーで失敗しても、胸は痛まないと思っていたからである。だが、血が足りないと抜き過ぎて、失敗したのは番の方だった。
彼女にも思い入れはローズミー以上になかった。いつも眠らせていたから、起きている姿をきちんと見たことさえなかった。
だが、何の罪もない女性と子どもを殺したことは、確かである。
「だが、過去にも失敗していると聞いている」
「成功した事例も、本当はあったのではないかと考えていました」
「愚かな…アサル、何か言いたいことはあるか」
「反省して、後悔しなさい」
「はい…」
面会は終わり、牢に戻って行くラオイの背中を、これが目にする最後の姿だと、両親はしっかりと目に焼き付けた。
そして、クラードはまず母であるペジリーに会うことになった。
「クラード!何かの間違いなのよ!あなたからも陛下に言って頂戴」
案の定というべき姿に、クラードは強く目を瞑った。
「は!」
ローズミー、ペジリーの家族、クラード・エウオン伯爵は会うと言い、ラオイの家族は両親であるキリー男爵夫妻だけが会うということになった。
両家とも廃家になることは、覚悟をしていたので、しっかりと受け止めた。
当人はいくら反省していたとしても、怒りが勝ったが、関与していない家族は不運だったとしか言いようがない。特に兄として生まれたクラードに何の責任もない。
家族は被害者であると思っている。住まいを変えて、生きていって欲しいことを伝えることくらいしか出来なかったが、ディオエルの本心であった。
面会室でガラス越しに、両親であるシルダンとアサルに会ったラオイは、床に頭を擦り付けて、謝罪した。
「申し訳ありませんでした!」
「座りなさい」
ラオイはのろりと立ち上がって、椅子に座った。
「事実なんだな?」
「はい…」
「…そうか」
シルダンもすべての経緯を聞いて、分かっていることではあったが、息子の口から聞きたかった。アサルは声にならなかった。
「家は、男爵家はどうなりますか」
「廃家になる」
「…そんな、申し訳ございません」
キリー男爵家も代々守り続けて来た、歴史ある家であった。
「当然のことだ」
「申し訳ございません…私のことは切り捨てて、どうにかならないのでしょうか」
「ならぬ。反省はしているのだな?」
認めなかったために、自白剤を使ったと聞かされていた。
「はい…愚かなことをしました」
「なぜ、亡くなられた時に話さなかった?」
「それは…保身のためでした」
「その後も、なかったかのように生きて来たのだろう」
「はい…」
ラオイは自分のせいではない、病気だったのだと思い込んで生きて来た。だが、殺人だったと言われた時、犯人は自分だと思った。
だが、言えるはずがない。そんなことをすれば、自分も、家族もどうなるか分からないと思った。
医師になったことを喜んでくれる家族に、失望されたくなかった。
「なぜそんなことをしたんだ?」
「興味が…ありました」
「疑似番にか?」
「はい…それで、危険だと思いながらも、続けてしまった」
「お前がやらなければ、今頃、子どももいらっしゃっただろうに」
「そうよ!」
アサルも同じ母親として、妊婦を殺すなどということをした息子に非難の声を上げた。
「分かっています…」
「犯人の妃とは親しかったのか?」
「妃より、母親の方と、何度か話したことがありました」
ローズミーとは輸血をするようになって話すことになっただけで、そのようなことがなければ、担当でもしない限り話すことはなかった。
「それで持ち掛けられたんだな?」
「はい…もしも、上手く行くことがあったら、番ではないから子どもが持てないということが、覆されるのではないかと」
お金も貰えるなら欲しかったが、医師としての興味の方が強かった。
正直、何の思い入れもないローズミーで失敗しても、胸は痛まないと思っていたからである。だが、血が足りないと抜き過ぎて、失敗したのは番の方だった。
彼女にも思い入れはローズミー以上になかった。いつも眠らせていたから、起きている姿をきちんと見たことさえなかった。
だが、何の罪もない女性と子どもを殺したことは、確かである。
「だが、過去にも失敗していると聞いている」
「成功した事例も、本当はあったのではないかと考えていました」
「愚かな…アサル、何か言いたいことはあるか」
「反省して、後悔しなさい」
「はい…」
面会は終わり、牢に戻って行くラオイの背中を、これが目にする最後の姿だと、両親はしっかりと目に焼き付けた。
そして、クラードはまず母であるペジリーに会うことになった。
「クラード!何かの間違いなのよ!あなたからも陛下に言って頂戴」
案の定というべき姿に、クラードは強く目を瞑った。
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