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【テイラー】来訪
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だが、訪ねて来たのは、騎士ではなく、門番であった。
「エイク子爵夫妻と、令嬢がやって来ました」
「は?来たの?」
「はい!約束もなくやって来られて、国王陛下の手紙があると申しております」
門番にはエイク子爵のことは伝えてはあったが、直接来る可能性は、常識的に考えて低いと思っていた。
「はい、いかがしますか?」
手紙ではなく、直接、しかも娘も一緒にやって来るとは思っていなかった。
「相談するから、見張って待たせておいてくれる?」
「承知いたしました」
「あと、確認するからと手紙を預かって来て貰えるかしら?」
「承知いたしました」
シュアリアはまず、ギリシスが何を書いているのかを確認して、話をしなければならないと思った。
ディオエルやエレサーレも、漏れ聞こえる言葉からテイラーのことではないと分かり、座って待っていた。
「テイラー嬢の元家族が、来ているようです」
「エイク子爵夫妻が?」
「娘もだそうよ」
「娘も?」
両親はまだ分かるが、なぜ娘まで来ているのか。しかも、後継者教育が進んでいないことも、ナナリー夫人から皆が聞いている。
「ええ、今、ギリシスの手紙を持っていると言うから、確認すると言って何を書いたのか、預かって来て貰うようにしたわ」
「それが良いですね、番であることも書いてあるのでしょうか」
「ええ、皇帝陛下の番に選ばれたから、嫁ぐように説得して欲しいと宰相に言ったそうよ」
確かにあの夜会で、テイラーが番だと言われていたことを見た者もいる。だが、テイラーのことは誰かは分からないだろう。
吹聴した可能性もあるが、手紙も回収して、嘘つきにさせればいい。
「でも番ということは、公にならない方が良いですよね」
「ええ、それは私の力でどうにでもするわ」
「はい」
エレサーレは、シュアリアの目に炎が見えた気がした。
しばらくすると、門番が手紙を預かって戻って来た。エイク子爵夫妻とラオナは、部屋で待たせることになった。
そして、シュアリアが先にギリシスの手紙を読むことにした。
―エイク子爵
―貴殿の娘であるテイラーが、竜帝国のディオエル皇帝陛下だと分かった。
―既に縁を切っているようだが、親であることは違いないだろう。
―テイラーは自分は平民だから、恐れ多いと言って、妃になることを拒んでいる。
―お前たちも娘が番であること、妃になることは光栄なことだろう。
―親として、説得をした方がいいだろう。
―娘のためにも、子爵家のためにも、会って話をしようではないか。
最後にはギリシスの名前も、ご丁寧に書いてあった。
次にディオエル、エレサーレ、ライシードとその手紙は読み、事前に聞いていても、怒りを通り越して呆れるしかなかった。
「あんなのが国王であること、父親であることが恥ずかしいです」
「私も、これほどまでに愚かになるとは思っていなかったわ」
イオリクの言葉を信じ、思った通りのことを書いているギリシスに、エレサーレもシュアリアも、両手で頭を抱え、項垂れた。
「提案があるのだが?」
「はい」
もはや王妃はこの数時間でゲッソリと老いた気分だったが、ディオエルの言葉に頭を上げた。
「国王が反省しているかが見たいと思う」
「はい」
その言葉でディオエルの言いたいことは、すぐに分かった。
ギリシスへの最終判断にするつもりなのだろう。エレサーレをちらりと見ると、小さく頷いた。エレサーレも、その一言で分かったのだろう。
「子爵が来たと伝え、私は同席はしないし、会う気もない。王妃も希望するなら同席するといい。宰相にも話していい」
「よろしいのですか?」
「ああ、ミリオン王国を潰したいわけではないからな」
「ありがとうございます」
シュアリアとエレサーレは、深く頭を下げた。
「隣の部屋で、会話が聞こえる部屋を用意いたしましょう」
「ああ、頼む」
「エイク子爵夫妻と、令嬢がやって来ました」
「は?来たの?」
「はい!約束もなくやって来られて、国王陛下の手紙があると申しております」
門番にはエイク子爵のことは伝えてはあったが、直接来る可能性は、常識的に考えて低いと思っていた。
「はい、いかがしますか?」
手紙ではなく、直接、しかも娘も一緒にやって来るとは思っていなかった。
「相談するから、見張って待たせておいてくれる?」
「承知いたしました」
「あと、確認するからと手紙を預かって来て貰えるかしら?」
「承知いたしました」
シュアリアはまず、ギリシスが何を書いているのかを確認して、話をしなければならないと思った。
ディオエルやエレサーレも、漏れ聞こえる言葉からテイラーのことではないと分かり、座って待っていた。
「テイラー嬢の元家族が、来ているようです」
「エイク子爵夫妻が?」
「娘もだそうよ」
「娘も?」
両親はまだ分かるが、なぜ娘まで来ているのか。しかも、後継者教育が進んでいないことも、ナナリー夫人から皆が聞いている。
「ええ、今、ギリシスの手紙を持っていると言うから、確認すると言って何を書いたのか、預かって来て貰うようにしたわ」
「それが良いですね、番であることも書いてあるのでしょうか」
「ええ、皇帝陛下の番に選ばれたから、嫁ぐように説得して欲しいと宰相に言ったそうよ」
確かにあの夜会で、テイラーが番だと言われていたことを見た者もいる。だが、テイラーのことは誰かは分からないだろう。
吹聴した可能性もあるが、手紙も回収して、嘘つきにさせればいい。
「でも番ということは、公にならない方が良いですよね」
「ええ、それは私の力でどうにでもするわ」
「はい」
エレサーレは、シュアリアの目に炎が見えた気がした。
しばらくすると、門番が手紙を預かって戻って来た。エイク子爵夫妻とラオナは、部屋で待たせることになった。
そして、シュアリアが先にギリシスの手紙を読むことにした。
―エイク子爵
―貴殿の娘であるテイラーが、竜帝国のディオエル皇帝陛下だと分かった。
―既に縁を切っているようだが、親であることは違いないだろう。
―テイラーは自分は平民だから、恐れ多いと言って、妃になることを拒んでいる。
―お前たちも娘が番であること、妃になることは光栄なことだろう。
―親として、説得をした方がいいだろう。
―娘のためにも、子爵家のためにも、会って話をしようではないか。
最後にはギリシスの名前も、ご丁寧に書いてあった。
次にディオエル、エレサーレ、ライシードとその手紙は読み、事前に聞いていても、怒りを通り越して呆れるしかなかった。
「あんなのが国王であること、父親であることが恥ずかしいです」
「私も、これほどまでに愚かになるとは思っていなかったわ」
イオリクの言葉を信じ、思った通りのことを書いているギリシスに、エレサーレもシュアリアも、両手で頭を抱え、項垂れた。
「提案があるのだが?」
「はい」
もはや王妃はこの数時間でゲッソリと老いた気分だったが、ディオエルの言葉に頭を上げた。
「国王が反省しているかが見たいと思う」
「はい」
その言葉でディオエルの言いたいことは、すぐに分かった。
ギリシスへの最終判断にするつもりなのだろう。エレサーレをちらりと見ると、小さく頷いた。エレサーレも、その一言で分かったのだろう。
「子爵が来たと伝え、私は同席はしないし、会う気もない。王妃も希望するなら同席するといい。宰相にも話していい」
「よろしいのですか?」
「ああ、ミリオン王国を潰したいわけではないからな」
「ありがとうございます」
シュアリアとエレサーレは、深く頭を下げた。
「隣の部屋で、会話が聞こえる部屋を用意いたしましょう」
「ああ、頼む」
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