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トドック男爵令嬢3
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『本当かい?凄いじゃないか』
『でも内容までは知らなかったから、驚いたわ』
『歴史的なことに関わったんだね』
『ええ、そうみたい…』
そう言われるだけで、オマリーの気持ちはさらに高揚した。
否定する理由もなく、生徒会でエルドールと関わりのあるオマリーの言葉は、信用されることになった。
クラスメイトの高位貴族の令息は、なかなか気軽に話せる相手はおらず、生徒会の方たちはエルドールやカイロスに伝わって、図々しいと思われたくないので、話すことはなかった。
とは言っても、聞いた者も生徒会というのは成績優秀者の集まりであり、オマリーだけでなく、皆で手伝ったのかなという程度であった。
それでも、オマリーは可愛らしい顔立ちに、成績優秀者ということもあり、婚約者を探していた子爵家の縁談に繋がったのである。
子爵家も実際に会ってみてからくらいであったが、男爵令嬢であることから、働きに出たいという言葉は、成績優秀者に入っているのならば、そういった将来もあるだろうと納得するものであった。
オマリーに思い入れもなく、まだ会ってもいなかった子爵家はトドック男爵夫妻の言葉にあっさりと、縁談をなかったことにした。
それでも、オマリーを浮かれさせるには充分であった。
エルドールは、オーバンに言われた通りに、自分から否定することもなく、過ごしていた。解読をしたザッハンデル前伯爵とヨルレアンが公にする気がないことを、尊重したい気持ちもあった。
だが、ついにお訊ねしたいことがあるという人物が現れた。
「オマリー・トドック男爵令嬢が『振り返る女』の解読を手伝ったというのは、事実ですか?」
「事実ではない」
エルドールはしっかり、きっぱりと否定した。カイロスもその場にいたが、小さく頷いた。
カイロスも公爵令息ということもあり、親からヨルレアンのことを聞かされ、同じ年なのに凄いという言葉しかなかった。
ジャスミンはヨルレアンは、不用意に話し掛けられない、独自の世界観を持っており、恐れ多い存在ではあった。
一目置いていたが、解読のことまでは知らない。だが、自分の浅墓な行動で、ヨルレアンに迷惑を掛けてしまったことは責任を感じていた。
だが元々は、カイロスがジャスミンを誤解させ、あのような事態になったことに、カイロスは酷く責任を感じていた。
両親にもこれ以上迷惑を掛けるなと叱られ、自分がどうにか出来る話ではなかったために、エルドールをサポートする形でどうにか責任を取ろうと考えていた。
「私も聞く方が失礼かと思ったのですが、申し訳ございません」
「いや、構わない。噂になっているのか?」
「いえ、噂ほどではないと思うのです」
「私は聞いたことがない」
未だにエルドールやカイロスの耳に、そのような噂は届くことはなかった。
「私もそうでした、どうやら下位貴族の令息の間で、広まっているのではないかと考えています」
「下位貴族の、令息?」
「はい、私も急に執事の子息から訪ねられたのです。今、一年生です」
「そうか」
「どうやら、また聞きのようですが、そのような話を耳にしたようです。ですので、関わっているのならば、口に出すのも恐れ多いので、控えさせていただきますが、かの方ではないかと伝えたのです」
訊ねて来たのは、ジーオ・ルジカータ侯爵令息。
父親であるルジカータ侯爵は、財務大臣を務めており、真面目で融通が利かないほど、厳しい人物である。
かの方というのは、正しくヨルレアン・オズラールを指していると思った。
「詳細をお訊ねする立場にございませんので、お答えにならなくて結構です」
「ああ、そうして貰えると助かる」
「私が耳にすることがあれば、きちんと事実ではないと否定しておきます」
「そうして貰えると助かる」
「は!」
『でも内容までは知らなかったから、驚いたわ』
『歴史的なことに関わったんだね』
『ええ、そうみたい…』
そう言われるだけで、オマリーの気持ちはさらに高揚した。
否定する理由もなく、生徒会でエルドールと関わりのあるオマリーの言葉は、信用されることになった。
クラスメイトの高位貴族の令息は、なかなか気軽に話せる相手はおらず、生徒会の方たちはエルドールやカイロスに伝わって、図々しいと思われたくないので、話すことはなかった。
とは言っても、聞いた者も生徒会というのは成績優秀者の集まりであり、オマリーだけでなく、皆で手伝ったのかなという程度であった。
それでも、オマリーは可愛らしい顔立ちに、成績優秀者ということもあり、婚約者を探していた子爵家の縁談に繋がったのである。
子爵家も実際に会ってみてからくらいであったが、男爵令嬢であることから、働きに出たいという言葉は、成績優秀者に入っているのならば、そういった将来もあるだろうと納得するものであった。
オマリーに思い入れもなく、まだ会ってもいなかった子爵家はトドック男爵夫妻の言葉にあっさりと、縁談をなかったことにした。
それでも、オマリーを浮かれさせるには充分であった。
エルドールは、オーバンに言われた通りに、自分から否定することもなく、過ごしていた。解読をしたザッハンデル前伯爵とヨルレアンが公にする気がないことを、尊重したい気持ちもあった。
だが、ついにお訊ねしたいことがあるという人物が現れた。
「オマリー・トドック男爵令嬢が『振り返る女』の解読を手伝ったというのは、事実ですか?」
「事実ではない」
エルドールはしっかり、きっぱりと否定した。カイロスもその場にいたが、小さく頷いた。
カイロスも公爵令息ということもあり、親からヨルレアンのことを聞かされ、同じ年なのに凄いという言葉しかなかった。
ジャスミンはヨルレアンは、不用意に話し掛けられない、独自の世界観を持っており、恐れ多い存在ではあった。
一目置いていたが、解読のことまでは知らない。だが、自分の浅墓な行動で、ヨルレアンに迷惑を掛けてしまったことは責任を感じていた。
だが元々は、カイロスがジャスミンを誤解させ、あのような事態になったことに、カイロスは酷く責任を感じていた。
両親にもこれ以上迷惑を掛けるなと叱られ、自分がどうにか出来る話ではなかったために、エルドールをサポートする形でどうにか責任を取ろうと考えていた。
「私も聞く方が失礼かと思ったのですが、申し訳ございません」
「いや、構わない。噂になっているのか?」
「いえ、噂ほどではないと思うのです」
「私は聞いたことがない」
未だにエルドールやカイロスの耳に、そのような噂は届くことはなかった。
「私もそうでした、どうやら下位貴族の令息の間で、広まっているのではないかと考えています」
「下位貴族の、令息?」
「はい、私も急に執事の子息から訪ねられたのです。今、一年生です」
「そうか」
「どうやら、また聞きのようですが、そのような話を耳にしたようです。ですので、関わっているのならば、口に出すのも恐れ多いので、控えさせていただきますが、かの方ではないかと伝えたのです」
訊ねて来たのは、ジーオ・ルジカータ侯爵令息。
父親であるルジカータ侯爵は、財務大臣を務めており、真面目で融通が利かないほど、厳しい人物である。
かの方というのは、正しくヨルレアン・オズラールを指していると思った。
「詳細をお訊ねする立場にございませんので、お答えにならなくて結構です」
「ああ、そうして貰えると助かる」
「私が耳にすることがあれば、きちんと事実ではないと否定しておきます」
「そうして貰えると助かる」
「は!」
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