41 / 131
シレラーダ伯爵令嬢2
しおりを挟む
グリズバトンも、オズラール公爵令嬢のことを簡単に口に出す立場にはないが、ローレル王太子殿下の側近であることで、情報は入って来るが、ローズマリーにも全てを伝えるわけにはいかない。
グリズバトンは、ローレル殿下からエルドールの所業のことを聞いていたが、ローズマリーには伝えていない。
そして現在、オズラール公爵令嬢は諸事情で、コーランド王国を離れていることも内密な情報である。
『ああ、素晴らしい方だものな』
『はい!』
そんな興奮する話をした矢先に、ローズマリーは友人からオマリーの話を聞き、顔を取り繕うことも出来なかった。
『どういうこと?』
『マリーもお手伝いしたのではないの?』
『しておりませんし、出来ませんわ』
『そうなのですか?』
友人は伯爵令嬢と子爵令嬢たちだったが、キョトンとした顔をしていた。
『信じているの?』
『嘘なのですか…?』
『確実に嘘だと思いますけど』
『え…』
皆は顔を見合わせて不思議そうな顔をして、その様子にローズマリーは信じる人がいるのかと驚いた。
『誰から聞いたの?』
『従兄よ、男爵家の』
『広まっているの?』
『いえ、そこまでは分からないわ』
ローズマリーは、物理的に両手で頭を抱えた。ヨルレアン様の功績が、こんな形で汚されるなんて許せなかった。
『解読は手伝った方はいらっしゃるでしょうけど…手伝ったなんて口にするようなことではないことです。例えば、課題を出されて、書くものがなくてペンを貸してくれた方が、課題を手伝ったと言っているようなものですのよ?』
解読は調べ物も多いと聞くので、手伝った方はいるだろうが、その方たちは手柄だとは思うような方はいないだろう。万が一にもいたとしたら、ただの馬鹿だろう。
『まあ…そうなの』
『それは図々しいわ』
ローズマリーの例えに、皆も顔を顰め、それはあり得ないと感じた。
『そうでしょう?信じられないわ』
『ええ、そうね』
『絶対に嘘だと思うけど、念のためにも殿下にも伺ってみるわ。皆もいくら噂でも、口にしては駄目よ』
分かったわと皆は頷き、エルドールに問い掛けたのである。そして、友人たちにやはり嘘であったことを伝えた。
『成績優秀者に入っている方なのに、どういった思考回路をしてらっしゃるの』
『でもあの方、落ちたこともあるのではない?』
『そうよ、でも生徒会に選ばれたのよね?』
オマリーはずっと成績優秀者に入っているわけではない、変動はある。
『優秀な方なら他にもいるけど、丁度いい爵位だったからだと思うわ』
『シーノ子爵令嬢は、お忙しいものね』
『ええ、あの方は選ばれても難しかったでしょう』
シーノ子爵令嬢も成績優秀者であるが、ピアニストとして活躍をしており、学園を休むことも多い。
『後は、それこそ婚約者の方…丁度良かったには納得だわ』
『でも、今回のことは気味が悪いわ』
『ええ、知り合いでもないけど…ちょっとねえ』
令嬢たちの中で、オマリーは近付くな奇妙という存在となった。
「ローズマリー嬢、ちょっといいか」
生徒会室で、ローズマリーはエルドールに呼ばれて、頼まれごとをされることになった。それはローズマリーにとって、緊張が最高潮となる話であった。
「私がですか?」
「ああ、カイロスでは何か勘繰られても困る」
「それはそう思いますが、髪型おかしくないですか?こんなことなら、もっと念入りに手入れをしたのに」
ローズマリーは、慌てふためきながら、髪の毛を押さえつけたりしている。
「兄上の言うことは本当だったのだな」
「え?」
「君が尊敬していると」
「当たり前じゃないですか」
「この前は怖いと言っていたじゃないか」
「たかが伯爵令嬢が憧れているなんて、気持ち悪いと思われたら嫌だからです」
エルドールはてっきり怖がって近付かないのかと思ったが、恐れ多くて近付かなかったようだと分かった。
グリズバトンは、ローレル殿下からエルドールの所業のことを聞いていたが、ローズマリーには伝えていない。
そして現在、オズラール公爵令嬢は諸事情で、コーランド王国を離れていることも内密な情報である。
『ああ、素晴らしい方だものな』
『はい!』
そんな興奮する話をした矢先に、ローズマリーは友人からオマリーの話を聞き、顔を取り繕うことも出来なかった。
『どういうこと?』
『マリーもお手伝いしたのではないの?』
『しておりませんし、出来ませんわ』
『そうなのですか?』
友人は伯爵令嬢と子爵令嬢たちだったが、キョトンとした顔をしていた。
『信じているの?』
『嘘なのですか…?』
『確実に嘘だと思いますけど』
『え…』
皆は顔を見合わせて不思議そうな顔をして、その様子にローズマリーは信じる人がいるのかと驚いた。
『誰から聞いたの?』
『従兄よ、男爵家の』
『広まっているの?』
『いえ、そこまでは分からないわ』
ローズマリーは、物理的に両手で頭を抱えた。ヨルレアン様の功績が、こんな形で汚されるなんて許せなかった。
『解読は手伝った方はいらっしゃるでしょうけど…手伝ったなんて口にするようなことではないことです。例えば、課題を出されて、書くものがなくてペンを貸してくれた方が、課題を手伝ったと言っているようなものですのよ?』
解読は調べ物も多いと聞くので、手伝った方はいるだろうが、その方たちは手柄だとは思うような方はいないだろう。万が一にもいたとしたら、ただの馬鹿だろう。
『まあ…そうなの』
『それは図々しいわ』
ローズマリーの例えに、皆も顔を顰め、それはあり得ないと感じた。
『そうでしょう?信じられないわ』
『ええ、そうね』
『絶対に嘘だと思うけど、念のためにも殿下にも伺ってみるわ。皆もいくら噂でも、口にしては駄目よ』
分かったわと皆は頷き、エルドールに問い掛けたのである。そして、友人たちにやはり嘘であったことを伝えた。
『成績優秀者に入っている方なのに、どういった思考回路をしてらっしゃるの』
『でもあの方、落ちたこともあるのではない?』
『そうよ、でも生徒会に選ばれたのよね?』
オマリーはずっと成績優秀者に入っているわけではない、変動はある。
『優秀な方なら他にもいるけど、丁度いい爵位だったからだと思うわ』
『シーノ子爵令嬢は、お忙しいものね』
『ええ、あの方は選ばれても難しかったでしょう』
シーノ子爵令嬢も成績優秀者であるが、ピアニストとして活躍をしており、学園を休むことも多い。
『後は、それこそ婚約者の方…丁度良かったには納得だわ』
『でも、今回のことは気味が悪いわ』
『ええ、知り合いでもないけど…ちょっとねえ』
令嬢たちの中で、オマリーは近付くな奇妙という存在となった。
「ローズマリー嬢、ちょっといいか」
生徒会室で、ローズマリーはエルドールに呼ばれて、頼まれごとをされることになった。それはローズマリーにとって、緊張が最高潮となる話であった。
「私がですか?」
「ああ、カイロスでは何か勘繰られても困る」
「それはそう思いますが、髪型おかしくないですか?こんなことなら、もっと念入りに手入れをしたのに」
ローズマリーは、慌てふためきながら、髪の毛を押さえつけたりしている。
「兄上の言うことは本当だったのだな」
「え?」
「君が尊敬していると」
「当たり前じゃないですか」
「この前は怖いと言っていたじゃないか」
「たかが伯爵令嬢が憧れているなんて、気持ち悪いと思われたら嫌だからです」
エルドールはてっきり怖がって近付かないのかと思ったが、恐れ多くて近付かなかったようだと分かった。
4,511
あなたにおすすめの小説
【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
※表紙 AIアプリ作成
三年の想いは小瓶の中に
月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。
※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。
教養が足りない、ですって
たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。
何も決めなかった王国は、静かに席を失う』
ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として、
表には立たず、裏で国を支えてきた公爵令嬢ネフェリア。
だが――
彼女が追い出されたのは、嫉妬でも陰謀でもなかった。
ただ一つ、「決める役割」を、国が彼女一人に押しつけていたからだ。
婚約破棄の後、ネフェリアを失った王国は変わろうとする。
制度を整え、会議を重ね、慎重に、正しく――
けれどその“正しさ”は、何一つ決断を生まなかった。
一方、帝国は違った。
完璧ではなくとも、期限内に返事をする。
責任を分け、判断を止めない。
その差は、やがて「呼ばれない会議」「残らない席」「知らされない決定」となって現れる。
王国は滅びない。
だが、何も決めない国は、静かに舞台の外へ追いやられていく。
――そして迎える、最後の選択。
これは、
剣も魔法も振るわない“静かなざまぁ”。
何も決めなかった過去に、国そのものが向き合う物語。
【完結】結婚しておりませんけど?
との
恋愛
「アリーシャ⋯⋯愛してる」
「私も愛してるわ、イーサン」
真実の愛復活で盛り上がる2人ですが、イーサン・ボクスと私サラ・モーガンは今日婚約したばかりなんですけどね。
しかもこの2人、結婚式やら愛の巣やらの準備をはじめた上に私にその費用を負担させようとしはじめました。頭大丈夫ですかね〜。
盛大なるざまぁ⋯⋯いえ、バリエーション豊かなざまぁを楽しんでいただきます。
だって、私の友達が張り切っていまして⋯⋯。どうせならみんなで盛り上がろうと、これはもう『ざまぁパーティー』ですかね。
「俺の苺ちゃんがあ〜」
「早い者勝ち」
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結しました。HOT2位感謝です\(//∇//)\
R15は念の為・・
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
手放してみたら、けっこう平気でした。
朝山みどり
恋愛
エリザ・シスレーは伯爵家の後継として、勉強、父の手伝いと努力していた。父の親戚の婚約者との仲も良好で、結婚する日を楽しみしていた。
そんなある日、父が急死してしまう。エリザは学院をやめて、領主の仕事に専念した。
だが、領主として努力するエリザを家族は理解してくれない。彼女は家族のなかで孤立していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる