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部外者の男爵令嬢
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「礼儀作法、マナーの方です」
「そんなの」
「そんなの?王宮務めとなれば、礼儀作法やマナーは必須ですよ。勉強が出来ればいいわけではありません」
外国語は出来なくていい部署もあるが、礼儀作法やマナーはそうはいかない。
担任教師は受ける権利は誰にでもあるとはいえ、留年したような令嬢が受かるには、変わったところを見せなければ難しいと思っていたが、オマリーは勉強さえ出来ればいいと思い込んでいるようであった。
「そんなのと思っているような者は、受かりません。大事なお客様に、粗相があったらどうするのです?」
「それは…でも、礼儀だってちゃんとやりました」
「では、あなたよりも優れた者が選ばれただけでしょう」
「でも」
納得していない様子のオマリーに、アリナの話をすることにした。
「そういえば、アリナ・ハッソがどうなったか、ご存知ですか?」
「え?」
「親しくしていたのでしょう?」
「い、いえ」
オマリーはアリナのことを言われて、どうして知っているのだろうかと思った。
「何もしていない彼女のご両親と妹君は、アリナ・ハッソを恨んだ者によって、放火されて殺されました」
「…え」
その後のアリナのことも、ファミラのことも、その場限りであったために、連絡を取り合ったり、どうしているのか、調べるようなこともなかった。
「彼女は邸にいなかったので、生き残りましたが、その後は行方不明だそうです」
「う、そ…」
「事実です。弁えなかった男爵令嬢の末路ですよ」
「でも、どうして恨まれるなんて…」
アリナは確かに、嘘つきのような形にはなり、王子と結婚するなど失礼なことはしたが、恨まれる様なことは一体、誰になのだろうかと思った。
「王家の方に失礼なことをしたことが原因です。巡り巡って、彼女は、彼女だけではありませんが、恨まれることになった。犯人が悪いことは勿論ですが、彼女が弁えていたら、このようなことは起こりませんでした。あなたも、王家に大変失礼な真似をしましたよね?生きていることに感謝したらいかがですか」
「でも、そんな」
「そして、ルスデン王国では、あんなに聖女だと持ち上げていたのに、行方不明のままです。使えなくなった男爵令嬢だからですよ?」
ルアサーラは現状を知っているが、ルスデン王国では行方不明のままである。
「実際、あなたも王家の方が動かれたら、投獄ということもあり得たのですよ。そうしないために、近付けないようにしていたことが分かりませんか?」
「っな、私…」
担任教師はオマリーの心情など知ることもなかったが、オマリーは両親や弟と妹が自分のせいで殺される可能性があるのかとゾッとし、大人しく最後の学園生活を送るようになった。
そして、コーランド王国とルエルフ王国でヨルレアンが、ルエルフ王国のマレリーア公爵家を継ぐために、養子となり、エルドールが婿入りすることが発表された。
オマリーもさすがに自分は、部外者なのだと理解していた。
オマリーが卒業する頃、ルエルフ王国でヨルレアンとエルドールは結婚した。エルドールはヨルレアンを支えながら、領地経営を行い、良い夫となった。
ヨルレアンもエルドールに思いを返すようになり、良き夫妻となった。
その後、ついにデザールとヨルレアンは、『振り返る女』の画家の名前が【レイベスト・ワエ】だと発見され、裏付けも取れたことから発表し、モデルの名前も二人が解読したこともようやく発表された。
まさに『ご期待に沿えず、誠に申し訳ございません』とは、真逆の人生を歩むことになった。
オマリーは『振り返る女』の画家の名前の発表を聞いて、膝をつき、頭を叩き付けるほど、自身の愚かな行いがフラッシュバックした。
「嘘…じゃあ…私は、本人に?あああああ!」
だが、それも部外者でしかないオマリーのことは、誰も知ることはなかった。
その後は小さな商会で雇って貰い、何も知らない平民の男性と30歳前に結婚もした。だが、オマリーは終始、怯え続ける人生だったという。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本人ではなく、周りが慌てること、
そして、自分では優秀だと言わないが、
優秀だと心の中で自慢に思っている令嬢を書きたかったので、
満足でございました。
沢山の方にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
他の作品はまだしばらく続きますので、
よろしければ、よろしくお願いいたします。
「そんなの」
「そんなの?王宮務めとなれば、礼儀作法やマナーは必須ですよ。勉強が出来ればいいわけではありません」
外国語は出来なくていい部署もあるが、礼儀作法やマナーはそうはいかない。
担任教師は受ける権利は誰にでもあるとはいえ、留年したような令嬢が受かるには、変わったところを見せなければ難しいと思っていたが、オマリーは勉強さえ出来ればいいと思い込んでいるようであった。
「そんなのと思っているような者は、受かりません。大事なお客様に、粗相があったらどうするのです?」
「それは…でも、礼儀だってちゃんとやりました」
「では、あなたよりも優れた者が選ばれただけでしょう」
「でも」
納得していない様子のオマリーに、アリナの話をすることにした。
「そういえば、アリナ・ハッソがどうなったか、ご存知ですか?」
「え?」
「親しくしていたのでしょう?」
「い、いえ」
オマリーはアリナのことを言われて、どうして知っているのだろうかと思った。
「何もしていない彼女のご両親と妹君は、アリナ・ハッソを恨んだ者によって、放火されて殺されました」
「…え」
その後のアリナのことも、ファミラのことも、その場限りであったために、連絡を取り合ったり、どうしているのか、調べるようなこともなかった。
「彼女は邸にいなかったので、生き残りましたが、その後は行方不明だそうです」
「う、そ…」
「事実です。弁えなかった男爵令嬢の末路ですよ」
「でも、どうして恨まれるなんて…」
アリナは確かに、嘘つきのような形にはなり、王子と結婚するなど失礼なことはしたが、恨まれる様なことは一体、誰になのだろうかと思った。
「王家の方に失礼なことをしたことが原因です。巡り巡って、彼女は、彼女だけではありませんが、恨まれることになった。犯人が悪いことは勿論ですが、彼女が弁えていたら、このようなことは起こりませんでした。あなたも、王家に大変失礼な真似をしましたよね?生きていることに感謝したらいかがですか」
「でも、そんな」
「そして、ルスデン王国では、あんなに聖女だと持ち上げていたのに、行方不明のままです。使えなくなった男爵令嬢だからですよ?」
ルアサーラは現状を知っているが、ルスデン王国では行方不明のままである。
「実際、あなたも王家の方が動かれたら、投獄ということもあり得たのですよ。そうしないために、近付けないようにしていたことが分かりませんか?」
「っな、私…」
担任教師はオマリーの心情など知ることもなかったが、オマリーは両親や弟と妹が自分のせいで殺される可能性があるのかとゾッとし、大人しく最後の学園生活を送るようになった。
そして、コーランド王国とルエルフ王国でヨルレアンが、ルエルフ王国のマレリーア公爵家を継ぐために、養子となり、エルドールが婿入りすることが発表された。
オマリーもさすがに自分は、部外者なのだと理解していた。
オマリーが卒業する頃、ルエルフ王国でヨルレアンとエルドールは結婚した。エルドールはヨルレアンを支えながら、領地経営を行い、良い夫となった。
ヨルレアンもエルドールに思いを返すようになり、良き夫妻となった。
その後、ついにデザールとヨルレアンは、『振り返る女』の画家の名前が【レイベスト・ワエ】だと発見され、裏付けも取れたことから発表し、モデルの名前も二人が解読したこともようやく発表された。
まさに『ご期待に沿えず、誠に申し訳ございません』とは、真逆の人生を歩むことになった。
オマリーは『振り返る女』の画家の名前の発表を聞いて、膝をつき、頭を叩き付けるほど、自身の愚かな行いがフラッシュバックした。
「嘘…じゃあ…私は、本人に?あああああ!」
だが、それも部外者でしかないオマリーのことは、誰も知ることはなかった。
その後は小さな商会で雇って貰い、何も知らない平民の男性と30歳前に結婚もした。だが、オマリーは終始、怯え続ける人生だったという。
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本人ではなく、周りが慌てること、
そして、自分では優秀だと言わないが、
優秀だと心の中で自慢に思っている令嬢を書きたかったので、
満足でございました。
沢山の方にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
他の作品はまだしばらく続きますので、
よろしければ、よろしくお願いいたします。
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