【完結】言いたくてしかたない

野村にれ

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こんにちは

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「こ~んに~ちは~!」

 異世界ですよね?ええ、そうです。聞いたこともない名前の国です。勿論、日本ではございません。

 ということは?ええ、そうです。元日本人の転生者です。

 え?誰に話しているかですって?一人二役の独り言に決まっているでしょう。

 メンヘラか?違います。誰にも打ち明けられない、どうにもならないことを発散させて、気持ちを安定させているだけです。そう言うと、メンヘラっぽいですわね。多分、違うと思います…わ?

 イマジナリーフレンドがいるのか?違います、私はもう16歳です。どちらかというと、見えない同志に話し掛ける、ラジオのような感覚です。

 異世界ということだが、何という名前の国か?ハルリーノ王国と言います。聞いたことがない?ですから、異世界だと言っているでしょう。

 では異世界、転生と言えば、乙女ゲームか?それが分かりませんの。乙女ゲームは一度もプレイしたことがないものですから。

 画面で男を落としていなかったのか?ええ、落としておりませんでしたわ、あらゆる形の造形物を落としてはおりましたけどね。後はぷるんとした、引っ付く可愛らしい子たちを落としたりもしましたわ。気付いたら朝だってこともザラですわよ?

 ですが、こんなことなら、やっておくべきでしたね、いえ…正直、役立つと言われても、やらなかったかもしれません。

 だって、パズルゲームの方が好きだったんですもの。スマートフォンでもポチポチとマッチさせたり、敵にぶつけたりもしておりましたのよ。

 それはもういい?そうですか、でも…確かに、この世界はもしかしたら、乙女ゲームの舞台なのかもしれません。

 ということは、主人公?ヒロインがいるのかって?ええ、最近そうではないかと思う方はおります。

 可愛いのか?ええ、可愛いとは思いますけど、他にも可愛い方は沢山おりますの。ですので、特別という風には思えませんの。

 同性の嫉妬?いえ、だって好みは人それぞれではありませんか?全員に好かれるって俳優さんでも、アイドルでも、なかなか難しいでしょう?

 では、前世をいつ思い出したのか?確か、12歳の頃でしたかね?でも頭を打って、病気になってとか、危機的状況で前世を思い出したわけではありませんよ。

 馴染めなかったのではないかって?それが思い出したのが、令嬢教育の基礎が出来てからだったのです。ですから、元日本人の私に貴族令嬢なんて無理~!ということろは、過ぎていたのです。

 良かったじゃないかって?いいえ、別の大きな問題が起こっているのです。

 私がこんなに頭の中で話し続けている理由は、それが理由なんです。

 関係あるのかって?誰にも言えないから、ラジオのように話しているのですよ!

 乙女ゲームで、貴族令嬢なら、婚約者がいるのではないかって?ええ、いますわね。攻略対象者ではないかって?可能性はありますわね。

 どんな人かって?いわゆる、いけめんさんの部類でしょうね。奪われるかもしれないが、良かったじゃないか?そうなんですかね?前世でも、いけめんさんは見るだけでいいタイプで、現在も同じ気持ちなのです。

 人の好みなんて、境遇では変わりませんわね…勉強になりましたわ。

 はあ…今から、その婚約者に呼ばれているので、行かなくてはなりませんの。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

他の作品の息抜きに書いていた作品です。

元々、書いてみたいと思っていた、
ひとり語り、異世界転生、乙女ゲームを合わせたような話だったはずが、
なぜか?すべて風という感じになりました。

そして、ギャグというか、ツッコミのようなふざけた作品で、
真面目な話ではありません。

評判が良ければ、続きを書こうかと思っていますが、
今のところ10話前後くらいで完結の予定です。

よろしくお願いいたします。
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