10 / 11
疑いの眼差し
しおりを挟む
家族にもあまりに熱心に行っているので、なぜなのか問われた際に、用を足す時に音が気になるからと、いわゆる〇姫が理由だと答えている。
トイレは一人になれる場所であるために、使用可能になったら爆発しやすい場所である。正直、お腹が弱いと思われていいので、籠りたい。
この世界も上下水道はあるので、清潔であり、大きな邸では気になるようなことではないのだが、学園や公共の場ではということにしている。
家族も『そ、そうか…』と何とも言えない顔で、それ以降聞いてくることはなくなった。おそらく、とんでもない音がすると思われたのか、デリケートな話と判断されたのだろう。問い詰められても困るので、問題はない。
「別に構いませんでしょう?」
「ああ、だが珍しいなと思って」
「聞かれたくない際に便利ではありませんか、ただ上手く行っておりませんがね」
何をとは言わないが、まさかギャグなどと思うはずもない。
「ココ嬢は魔力が多いからな」
「ええ、みんなで仲良く防音する羽目になっておりますわ」
「私は是非一緒に」
レオナルドが弾んだ声で言ったが、ココはスンとした。
「あなたの文句を言いたい際も、ございますのよ?」
「それは直接、言ってくれたらいい!私はどんなことでも受け止める」
これが乙女ゲームなら愛されていると思うところなのだが、ココは違う。
薄々怪しいと思っていたが、レオナルドにはM気の兆しが見られると疑いを深めていた。もしかしたら、私はご褒美を与えているのではないかと思うと、何だか腑に落ちない気持ちになる。
「レオは直接言ってやった方がいい」
直接、言った方が喜ぶの間違いではないだろうか。
お父様に相談した方がいいかしら?Mっぽいなんて、どんな顔で言えばいいのかしら?現世の父はとても紳士なのよ?怒り出すのかしら?それとも、理解が出来なという顔をされるのか、ありがちなそのくらいのこと目を瞑るように言われるのかしら?
でも、いずれ『ココ~リネルだよぉ~!』って言わないといけなくならないか?ボンテージとムチを売っているところなんて知らないわよ。
お父様に聞けばいいのかしら?
結局、ひとまず早くスッキリさせて欲しいということで一致して、解散となった。
その後、〇えみこと、ルビー・ブルゾンは、禁術を使ったとされて、調査対象のまま、被害者が貴族だったことから懲役20年のとなった。乙女ゲームのヒロインだったのかは分からないまま、彼女は表舞台から姿を消した。
ルビー・ブルゾンは取調官に自分は悪くないと、ずっと訴えていた。
「私は特別な存在なの!魅了眼なんて知らないわ」
「だが、使ったんだろう?」
「使ってなどいないわ」
ルビーは自分の魅力であると、願いが叶っただけだと信じていた。だが、拘束されて、魅了眼だと言われて、ただ驚いた。
「症状が出ても、君はおかしいと訴え出ることもなかった」
「おかしいなんて思わなかったもの」
「普通は自分の思った通りに、他者が行動するなんておかしいと思うべきだ…」
疑うべきところを、都合よく解釈することはおかしい。何も知らないというのならば、訴え出れば良かった。
「私のために行動してくれると思うじゃない…」
「出会っても間がない相手がか?」
「そうよ!」
「ならば、母親はどうなんだ!」
母親ではない他人を勝手に母親だと仕立て上げていることは、意図があったとしか考えられない。
「母親かと思ったのよ」
「そんなわけないだろう?彼女は子どもを産んだこともないのに」
「母親だと言ったの!」
「急に話し掛けて来て、母親ではないかと言われたと言っている」
魅了眼は都合のいいように操られているが、その時のことも覚えている。抗うというものではなく、従うことが正しいと思っている状況だったらしい。
「だから母親だと思ったの!」
「貴族と親しくしている見目の良い彼女に目を付けただけだろう」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日もお読みいただきありがとうございます。
明日で最終回となります。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。
トイレは一人になれる場所であるために、使用可能になったら爆発しやすい場所である。正直、お腹が弱いと思われていいので、籠りたい。
この世界も上下水道はあるので、清潔であり、大きな邸では気になるようなことではないのだが、学園や公共の場ではということにしている。
家族も『そ、そうか…』と何とも言えない顔で、それ以降聞いてくることはなくなった。おそらく、とんでもない音がすると思われたのか、デリケートな話と判断されたのだろう。問い詰められても困るので、問題はない。
「別に構いませんでしょう?」
「ああ、だが珍しいなと思って」
「聞かれたくない際に便利ではありませんか、ただ上手く行っておりませんがね」
何をとは言わないが、まさかギャグなどと思うはずもない。
「ココ嬢は魔力が多いからな」
「ええ、みんなで仲良く防音する羽目になっておりますわ」
「私は是非一緒に」
レオナルドが弾んだ声で言ったが、ココはスンとした。
「あなたの文句を言いたい際も、ございますのよ?」
「それは直接、言ってくれたらいい!私はどんなことでも受け止める」
これが乙女ゲームなら愛されていると思うところなのだが、ココは違う。
薄々怪しいと思っていたが、レオナルドにはM気の兆しが見られると疑いを深めていた。もしかしたら、私はご褒美を与えているのではないかと思うと、何だか腑に落ちない気持ちになる。
「レオは直接言ってやった方がいい」
直接、言った方が喜ぶの間違いではないだろうか。
お父様に相談した方がいいかしら?Mっぽいなんて、どんな顔で言えばいいのかしら?現世の父はとても紳士なのよ?怒り出すのかしら?それとも、理解が出来なという顔をされるのか、ありがちなそのくらいのこと目を瞑るように言われるのかしら?
でも、いずれ『ココ~リネルだよぉ~!』って言わないといけなくならないか?ボンテージとムチを売っているところなんて知らないわよ。
お父様に聞けばいいのかしら?
結局、ひとまず早くスッキリさせて欲しいということで一致して、解散となった。
その後、〇えみこと、ルビー・ブルゾンは、禁術を使ったとされて、調査対象のまま、被害者が貴族だったことから懲役20年のとなった。乙女ゲームのヒロインだったのかは分からないまま、彼女は表舞台から姿を消した。
ルビー・ブルゾンは取調官に自分は悪くないと、ずっと訴えていた。
「私は特別な存在なの!魅了眼なんて知らないわ」
「だが、使ったんだろう?」
「使ってなどいないわ」
ルビーは自分の魅力であると、願いが叶っただけだと信じていた。だが、拘束されて、魅了眼だと言われて、ただ驚いた。
「症状が出ても、君はおかしいと訴え出ることもなかった」
「おかしいなんて思わなかったもの」
「普通は自分の思った通りに、他者が行動するなんておかしいと思うべきだ…」
疑うべきところを、都合よく解釈することはおかしい。何も知らないというのならば、訴え出れば良かった。
「私のために行動してくれると思うじゃない…」
「出会っても間がない相手がか?」
「そうよ!」
「ならば、母親はどうなんだ!」
母親ではない他人を勝手に母親だと仕立て上げていることは、意図があったとしか考えられない。
「母親かと思ったのよ」
「そんなわけないだろう?彼女は子どもを産んだこともないのに」
「母親だと言ったの!」
「急に話し掛けて来て、母親ではないかと言われたと言っている」
魅了眼は都合のいいように操られているが、その時のことも覚えている。抗うというものではなく、従うことが正しいと思っている状況だったらしい。
「だから母親だと思ったの!」
「貴族と親しくしている見目の良い彼女に目を付けただけだろう」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日もお読みいただきありがとうございます。
明日で最終回となります。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。
1,519
あなたにおすすめの小説
(完結)私が貴方から卒業する時
青空一夏
恋愛
私はペシオ公爵家のソレンヌ。ランディ・ヴァレリアン第2王子は私の婚約者だ。彼に幼い頃慰めてもらった思い出がある私はずっと恋をしていたわ。
だから、ランディ様に相応しくなれるよう努力してきたの。でもね、彼は・・・・・・
※なんちゃって西洋風異世界。現代的な表現や機器、お料理などでてくる可能性あり。史実には全く基づいておりません。
私、お母様の言うとおりにお見合いをしただけですわ。
いさき遊雨
恋愛
お母様にお見合いの定石?を教わり、初めてのお見合いに臨んだ私にその方は言いました。
「僕には想い合う相手いる!」
初めてのお見合いのお相手には、真実に愛する人がいるそうです。
小説家になろうさまにも登録しています。
行き場を失った恋の終わらせ方
当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」
自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。
避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。
しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……
恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。
※他のサイトにも重複投稿しています。
私知らないから!
mery
恋愛
いきなり子爵令嬢に殿下と婚約を解消するように詰め寄られる。
いやいや、私の権限では決められませんし、直接殿下に言って下さい。
あ、殿下のドス黒いオーラが見える…。
私、しーらないっ!!!
王家の面子のために私を振り回さないで下さい。
しゃーりん
恋愛
公爵令嬢ユリアナは王太子ルカリオに婚約破棄を言い渡されたが、王家によってその出来事はなかったことになり、結婚することになった。
愛する人と別れて王太子の婚約者にさせられたのに本人からは避けされ、それでも結婚させられる。
自分はどこまで王家に振り回されるのだろう。
国王にもルカリオにも呆れ果てたユリアナは、夫となるルカリオを蹴落として、自分が王太女になるために仕掛けた。
実は、ルカリオは王家の血筋ではなくユリアナの公爵家に正統性があるからである。
ユリアナとの結婚を理解していないルカリオを見限り、愛する人との結婚を企んだお話です。
番を辞めますさようなら
京佳
恋愛
番である婚約者に冷遇され続けた私は彼の裏切りを目撃した。心が壊れた私は彼の番で居続ける事を放棄した。私ではなく別の人と幸せになって下さい。さようなら…
愛されなかった番。後悔ざまぁ。すれ違いエンド。ゆるゆる設定。
※沢山のお気に入り&いいねをありがとうございます。感謝感謝♡
「股ゆる令嬢」の幸せな白い結婚
ウサギテイマーTK
恋愛
公爵令嬢のフェミニム・インテラは、保持する特異能力のために、第一王子のアージノスと婚約していた。だが王子はフェミニムの行動を誤解し、別の少女と付き合うようになり、最終的にフェミニムとの婚約を破棄する。そしてフェミニムを、子どもを作ることが出来ない男性の元へと嫁がせるのである。それが王子とその周囲の者たちの、破滅への序章となることも知らずに。
※タイトルは下品ですが、R15範囲だと思います。完結保証。
結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる