こんな異世界望んでません!

アオネコさん

文字の大きさ
57 / 146
第3章 魔導帝国ハビリオン編

元気なお爺ちゃん

しおりを挟む
ギルドの冒険者の視線の先には助けようと思っていた爽やかヤテ君とお爺さんがいる…まぁただのお爺さんじゃないことはすぐにわかる

バランスの良い長身の体に床にまで届きそうなローブ…白いそのローブに綺麗な青色の刺繍がアクセントとしてローブを彩っている
そして左の胸元には金色の紋章のようなものが縫われていた

肩よりも長い髪は綺麗な白で髪と同じ色の髭は胸辺りまで伸びている
そして顔は皺がいくつも出来ているがとても整っており青色の目からは深い知性が感じられる…

そしてこのお爺さんこそが魔力感知と賢者先生が反応した大きな魔力の正体だ


「…聞いておるかの…?」

「…!はい!すみません!」

俺がお爺さんを不躾に見ていて返事をしなかったことを思い出し慌てて返事をする

「えっと…俺がユウト…です」

俺がそう言うとお爺さんが口を開いた

「わしはウィアベルじゃよろしくのぅ」

お爺さん改めウィアベルさんとの自己紹介が終わると爽やかヤテ君が

「ここでは何ですからこちらへどうぞ」

とウィアベルさんをカウンターの向こうの部屋へ通した…へぇ~そんなところに部屋があったのね…え?俺も行くの?ちょっ…なんで!?

応接室みたいな所に通されて2つあるソファに向かい合わせに座らされる
爽やかヤテ君はすぐにお茶を持ってきて俺の隣に座った

なんでこんな事になっているのかわからない俺を置いて爽やかヤテ君が話し始める

「話によるとユウト君はハビリオンの魔法学校に入学予定なんですよね?」

ええそうですと頷いておく

「それでウィアベルさんはハビリオンへの送迎役としてここに来たらしいんですよ」

へぇ~…え?

「そうなんですか…?」

「そうなんじゃよ」

…早くないか?たしか地図だとハビリオンまでは結構遠かったと思うけど…まだ5日くらいしか経ってないよ?…もしかしてめっちゃ足が速いお爺ちゃん…なのか?

「思ったよりも早いですね…」

目の前のお爺ちゃんが全力ダッシュする姿を思い浮かべながら俺は思ったことを口にする

「ふむ…それはのぅ」

ウィアベルさんはそこで一度口を閉じてチラッと爽やかヤテ君に視線を送る…すると爽やかヤテ君は立ち上がりペコッと頭を下げて部屋から出ていってしまった…ええ!?行っちゃうの!?心細いよー!

「ここからは個人情報の話じゃからの」

そう言って再びこちらに目を向けるウィアベルさん

「わしはユウト君がこれから入学するハビリオン魔法学院の学長なのじゃよ」

「え!?」

マジで!?学長先生自ら来ちゃったよ!まぁ見た目が長老みたいな感じだから学長先生でも違和感無いけどね…

「それでのぅレイト君が入学させたい者がおると言ってきての…それがユウト君だったのじゃ」

レイトさん無事にハビリオンに帰ったみたいだ…良かった良かった…ってそれって校長先生が自ら迎えに来る理由にならなくね?

「それでなぜ学長先生が自ら…?」

俺がそう言うと少し目を輝かせながらウィアベルさんが頷く

「レイト君から聞いたのじゃがユウト君は治癒魔法が使えるのじゃろ?」

「え…ええ…そうです」

「じゃからじゃよ!」

えっと…どういうことでしょう…?

治癒魔法が使えるのと校長先生が来るということになにか関係があるのだろうか…もしかして…

「学長先生も治癒魔法を使えるんですか?」

「いや使えんよ」

えー!!じゃあどういうことじゃ!わけがわからん!

「わしは魔法の才能がある者がいれば居ても立ってもいられないたちでのぅレイト君からユウト君のことを聞いてすぐにこの町に飛んできたというわけじゃ」

まるで少年のようなキラキラした目で見つめられ少し縮こまってしまう

そしてウィアベルさんは老人とは思えぬ動きで俺に近づいてくる…は…速い…!ただもんじゃねぇ!

「学院の説明などは移動しながら話せるじゃろ!準備はしているとレイト君から聞いておるよすぐに出発じゃ!」

そう言いながら俺の手を掴んで急かしてくる…な…なんだこのお爺ちゃん…最初の印象と全然違うぞ…

てかもう行くの!?待って待って!まだ心の準備が!というか別れの挨拶みたいなのもしなきゃいけないし!

俺は慌てて説明して少し時間をもらい部屋から出て爽やかヤテ君にこれから出発することを伝える

「そうですか…」

ならカイルさんを呼びに行ってきますねと他のギルド員の人にカウンターを任せて町へ飛び出していった…え!?カイルさん町にいるの?

そのまましばらくギルドの入口を見ていたが時間があまりないことを思い出し慌てて自分の部屋へ戻る

「えーっと…」

部屋へ戻った俺はまずベッドの下に隠してあったお金を入れた袋を取り出してズボンのベルト辺りに引っ掛ける…これ…重さでズボンが落ちないかな…?大丈夫だよね…?

それからクローゼットを開く…中にカイルさんからもらった服がたくさん入っている

うーん…どうしよう…一応全部持っていこうかな…馬車とかだったら積めると思うし

そう思い服をクローゼットから出していると部屋のドアが勢いよく開かれた

「ユウト!」

「え?…あ!カイルさん!?」

びっくりしたわ!!もう少しゆっくりドア開けてほしい…

カイルさんはそのまま俺に近付きガバッと抱きしめてきた…ちょっ…いきなりなに!

「ユウト…ユウト…ユウト…」

俺の名前を何度も繰り返し呟くカイルさん…やっぱりカイルさんからしたら心配なのかね?でも俺頑張ってくるよ!

「…行ってしまうんだね…」

「俺…頑張ってきますから」

俺がそう言うと抱きしめる力が強くなる…ぐぅ…ちょっと…苦しいですはい…

「ようやく両想いになれたのに…」

…ん?

「あの…両想いってどう」

「でも仕方ない事だよね…俺が弱いばっかりに…ユウトには辛い思いをさせてしまったね…」

「いやあの…いつから両想」

「俺もね…ユウトの隣にいられるようにがんばるからね…待っていてね」

「だから両」

「…ごめん」

「んっ!?…んふっ…ちょ…んんっ…!」

なにー!!!なんでいきなりキスされとるの!?さっきから全く俺の話を聞かずに喋り始めて…そしてキスゥ!?どういうことやねん!!

「んっ…ユウト…かわいい…んちゅ…ちゅ…」

「…んあっ…カイ…さ…ちゅむ…んちゅ」

ぎゃぁぁ!舌が入ってきとるよー!ベロチューだ!ディープなやつだ!ひぃぃ!あ…そういえばアルバに襲われた時やられたんだっけ?ってそんなこと考えとる場合か!

ぴちゃ…ぷちゅ…ちゅむ…

部屋に唾液が交換される卑猥な音が響く…逃げようとするが抱きしめられたままなので動けない…

「ん…ユウト…のんで…」

「んちゅ…んあっ…んん…んく…んく…」

唾液が口の中に満杯になりそうで反射的にそれを飲んでしまった…ぎゃぁぁぁ!!ディープなキスでもやばいのに唾液飲んでしもうた!もう俺生きていけない…

「ん…いい子だね…ユウト…」

いい子ちゃうわ!!カイルさんどうしてしまったの!?誰かに洗脳されたのか!?誰かー!カイルさんがおかしくなったよー!

・・・

どのくらい経ったのか…俺の頭がぼーっとしてきて抵抗も弱々しく腰が抜けそうになってやっとカイルさんは口を離してくれた

「ぷはっ…はぁ…」

思いっきり空気を肺に取り込む…キスされてる時ほとんど呼吸出来なかったからね…はぁはぁ…

カイルさんと俺の口はまだ光る細い糸で繋がっている…てぇい!!…切った

カイルさんはというと満足気な表情で俺の顔を見て微笑む

「可愛いユウト…俺の事忘れないでね…」







俺は記憶から消し去りたいです…




しおりを挟む
感想 86

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新! Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

処理中です...