こんな異世界望んでません!

アオネコさん

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第2章 世界の異変が大変編

死闘などしとうないわ!

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 歩き始めた俺は出来るだけカイルさんから離れようと敵の方へ進む。
 隠密も一応使っておきつつ、歩いている間に作戦を考える。
 100メートルしか距離が離れてないので、そんな暇もあんまりないけど。

 ていうかなんで真っ直ぐこっちに来るの!?
 ゴブリンって、イメージだと知能最低を記録してる魔物だよ?
 統率がとれてないけど全員がこっちへ向かってくるってどういうこと?
 統率系のスキルを誰か持ってるってこと?
 うーむ、わからん……。


 俺は前を見た。
 もう考えてる暇もないらしい。
 少し開けた所の近くにある木の影に隠れる。
 もう作戦は、囲まれないように各個撃破しかない。
 そして俺が隠れたとほぼ同時に開けた場所に魔物が姿を現した。

 俺の半分もない身長に緑の皮膚。
 そしてギョロッとした目に尖っている耳に、笑う口から見える鋭い歯。
 下半身に布を巻き付けて棍棒のようなものを持つ生き物。
 現れた魔物は俺のイメージ通りのゴブリンだった。

 俺はすぐさま鑑定を使う。

《ゴブリン

レベル1

状態 健康

パッシブスキル

夜目

アクティブスキル

無し


称号

無し


称号からの追加補正
ゴブリンは同じ種族で子供が出来にくく、時々他の人型の生き物を攫って子供を産ませる。
性欲が強く、1度捕まれば1日中相手をさせられることになる》

 よし、レベルは俺よりも確実に低いから、1体ずつならなんとかなるな……。
 スキルも夜目だけだし、そこまで1体1体は強くないのかもしれない。

 ……追加補正の所は見なかったことにしよう。
 でも、絶対に捕まるわけには行かなくなったな。
 まぁ勝つことが絶対なんだけどね。

 背後を取られないように、気配感知にも集中しながらゴブリンが近づいてくるのを待つ。
 ゴブリン達はギャギャッ!とこれまたイメージ通りの声で会話しながらこちらに近づいてくる。

 ……今っ!
 木の影から飛び出し、手近かなゴブリンに向かってナイフを振り下ろす。

「ギャーー!!?」

 ナイフに斬られたゴブリンは血を流しながら倒れる。
 だがそんなものを見ている暇はない。
 ギャギャ!?と、急な出来事にゴブリン達が混乱している。
 この間に数を減らす!

 俺はすぐ近くにいた別のゴブリンを横に斬りつける。

「ギャッ」

 そう言って倒れたが、死んだかどうかはわからない。
 今は相手の生死を気にしないでどんどんやるしかない!

 数匹目を斬りつけた時には、相手も混乱が収まったのか戦闘態勢を取り始めていた。

《警告。
不埒な感情を持つものがいます》

 俺の頭にまた不思議な声が響いた。
 これは気配感知の追加補正の効果だな。
 まぁ不埒って……ゴブリンからだろうね…ええ。

「ギャギャ!」

 ゴブリン達はそれぞれ鳴き声のようなものを発しながら向かってきた。
 ひぃぃ!キモイ!

 俺は、元の世界ではありえないほどの身のこなしでゴブリンを斬っていく。
 身体補正さん……ありがとうございます!!

 カイルさんのようにはいかないが、素早さではゴブリン達に勝っている。
 なのでヒットアンドアウェイ戦法で戦う。
 いける!とは思わない。
 そんな事考えたらフラグだから……。

 落ち着いて1匹ずつやっつけていくが中々減らない。
 こういう時に魔法が使えたら!ちくしょう!

 ナイフの攻撃力のおかげか、ゴブリンはほぼ一撃で倒されていく……が、まだ30匹以上残っている。

 ……やばい。
 流石に疲れてきた

 スキルの補正があったとしても、さっきまでスライムと戦って体力を消耗していたから、少しづつ体が鈍くなっていく。
 次第に攻撃も受けるようになってきた。

《……一定の経験値を取得し「うるさい!!」

 レベルアップは良いけど戦闘中では気が散ってしまう。
 無視しようにも頭に響くから意識せざるを得ない。
 今もまた意識が乱れてゴブリンから一撃受けてしまった。


 こ……このままではボコボコリンチからのパコパコレイプに発展してしまう……!
 それだけは避けなければ!

 痛覚軽減が役に立っているのか痛みはさほど感じない。
 だがダメージを受けてるのは確かなので出来るだけ避ける。
 ……少し気持ちよくなってきているような気がする……が、気のせいだ!
 俺はMじゃないぞ!!
 変な扉が開く前にさっさと方をつける!

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

「ギャッ」

 長い時間が経ち、遂に最後のゴブリンが倒れた。
 俺は満身創痍でフラフラだ。

「か、勝った……」

 体が倒れそうになるのを必死に耐えて、カイルさんの方に向かおうとして――


 気配感知にまだ一つ反応がある。


 バッと顔を上げると同時に、森の奥からガサガサメキメキと音を出しなが何かがやってくる。

 ま、まじか……?もうほとんど動けないんですけども?
 もうこの際カールさんとかでもいいから人間であってほしい……。

 だがそんな俺の願いもむなしく、森の奥から出てきたのは大きな体躯のゴブリンだった。

《マスターゴブリン

レベル15

状態 健康

パッシブスキル

筋力補正
打撃補正
夜目
気配察知
統率

アクティブスキル

重たい一撃ヘビーブロウ


称号

ゴブリンの主人
蹂躙する者


称号からの追加補正
マスターゴブリンはゴブリンよりも性欲が強く、子供を孕ませるよりも自分の快楽の為に行為を行うことが多い。
基本的に戦闘以外はずっと性交している》


 ……もう色々ツッコミどころ満載なんですけど。

 まずレベル高いしスキル多いし称号2個とか……。
 このゴブリン、カイルさんと同じくらいの戦闘力っぽいし負けるぞ俺……。
 ちなみに追加補正の部分はもう無視だ無視。
 気にしてたら精神が持たん。

 というか称号が訳分からんので鑑定してみる。

《称号 詳細
ゴブリンの主人
獲得条件 マスターゴブリンになる
称号獲得による効果
統率習得

蹂躙する者
獲得条件 一定の生き物を踏みにじる
称号獲得による効果
打撃補正習得
重たい一撃習得
自分よりも小さい生き物に対して攻撃力補正が付く》

 ……蹂躙する者強っ!
 この称号って攻撃力めっちゃ上がるやつだ!やばい!
 筋力補正も付いててムキムキゴブリンじゃん!

 俺が鑑定をしている間に、ムキムキゴブリンはこっちに向かってきた。
 股間の辺りが盛り上がっているのは決して見ていない。見てないったら見てない。

《警告。
不埒な感情を持つものがいます》

 ……知ってます

 もうこうなりゃ戦う以外に選択肢は無い。
 負ければ地獄が待っているぞ!負けるわけにはいかない!

 俺はナイフを握りしめてムキムキゴブリンを見据えた。
 するとムキムキゴブリンはいきなり俺に突進してきた……ぎゃぁぁ!

 俺は回避しながらナイフで斬りつける……が、大きく回避しなくてはならないので結果的に浅くしか攻撃出来ない。

 ゴッ!

 一瞬何が起きたのか、わからなかった。
 俺はいつの間にか地面に仰向けに横たわっていて、脇腹からはじんわりと痛みが広がっていく。

 あ、痛い!!痛い痛いイタイ!!
 殴られた?嘘でしょ?やばいやばい!あかん!死ぬ!!
 スライムキングの攻撃された時とは比較にならないよ!!

《スキル【再生】を獲得しました》

 なんかゲットしたけど今それどころじゃない!
 痛いの!マジ痛いの!絶対骨折れてるよ!

 痛みとショックで動けない俺に向かってムキムキゴブリンが近づいてくる。
 再生ってスキルのおかげで少しずつではあるが痛みが和らいでいく感覚がある。
 それでも、動けるまでにはまだかかる。
 うぅ……どうしよう……。
 ナイフは近くにはあるけど倒せるだけの力が出せないし、そもそも受け止められたらお終いだ……。

「グアァ」

 ムキムキゴブリンが俺の近くまでくると下半身に手を伸ばしてくる。
 ま、まさか!

 ずるっ!


 ひぃぃ!!ズボンとられた!!
 どんな力加減ならそんなこと出来んの!?
 ってそれどころじゃないわ!!

 ムキムキゴブリンは俺のことなどお構い無しにパンツも脱がそうとする。
 あ、これやばいやつだ。

 いや!させん!R18にはさせんぞ!!どうすれば!

 そんな俺の頭に1つの作戦が浮かんだ。
 もうこれしかない……嫌だけど……!
 カイルさんを助けるためにも、そして俺の体を助けるためにも!

 俺はそう決心し作戦を実行した。



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