落ちこぼれβの恋の諦め方

めろめろす

文字の大きさ
34 / 56
第一部

第34話

しおりを挟む
「そっ、そんな…。」

 悲痛な声を出してみても、彼らが動き出す気配はない。それどころか、もう終わりとでも言うように身体を離してしまった。 

「そうですよね。幸尚さんは嫌がってたんですもんね。もうやめましょう。」

 三目君はにっこりと笑って頭を撫でてきた。瀬尾君も股の間から顔を上げて、動こうとしない。止めてもらってうれしいはずなのに、身体の疼きを感じて堪らなくなる。しかし、その疼きを解消するための方法も分からない。どうすればいいのかなんて学んでこなかったし、誰にも教えられた経験もないのだ。

「ほら、もうやめるんでしょ?寝るんですよね?お休みなさい。」

「っ…。」

 三目君はベッドに横になり、こちらに背を向けてしまった。それに習うように瀬尾君も反対側に寝転んで同じくこちらに背を向ける。

「あっ…っぅ…。」

 身体に溜まった熱をどうにかしてほしい。でもそんなはしたないことを口にするのはためらわれる。自分だけが発情しているような気がして、恥ずかしい。

「っ……ふっ……うぅ…。」

 本当に、本当に情けない話だが、ボロリと涙がこぼれてしまった。今までの人生で泣いたことなどほとんどないのに、最近は泣き上戸かとでもいうように涙を流すようになってしまった。それは瀬尾君と三目君のせいだと思う。彼らと出会ったことによって、自分はすっかり弱くなってしまったのだ。1人で大丈夫なはずだったのに、他人から認められる嬉しさを味わってしまった。他人から愛される快感を覚えてしまったから。

「うっっ……ぅ…。」

「幸尚さん?」

 異変に先に気づいたのは瀬尾君の方だった。こちらを振り替えって顔を覗き込んでくる。目元を赤くした自分を見て、慌てて指で涙をぬぐってくれた。

「泣いてるんですか?ごめんなさい、苛めすぎましたね。幸尚さん、こういうこと全然知らないのにいきなり意地悪されて傷ついちゃったんですね?」

 そこまで分かってるのならそんなことをするなと怒鳴りたかったが、口から出てきたのは子供のような嗚咽だけだった。

「あーあ、瀬尾に役目取られた。幸尚さん、瀬尾が優しいなんて思わないでくださいね?そいつも僕のやり方に同意してたんだから同罪なんですよ?…でもやり過ぎました。すいません。」

 二人が両側から抱きついてきて、同時に頭をさすってくる。子供扱いが嫌で身体を捩ってみるも、二人には通じない。

「ちゃーんとイカせてあげますから安心してください。」

 「へっ?はぁうっ!」

 自身の固くなったものを握りこまれて、身体が跳ねる。三目君はニヤリと笑って優しく右手を動かし始めた。

「あっ!ひぃぃん、……ふっ、あぁ!」

「可愛い…。気持ちいい?」

「やっ、!」

「やだじゃないんですよ、幸尚さん?こういう時は『気持ちいい』っていうんです。」

「でっ、でも!こんな、ひぃあ!情けない…姿…!?」

「情けなくなんかないです。感じてる顔、本当にエロくて可愛い。ずっと見ていたい…。」

「んむっ…!」

 目をつぶって快感に耐えていると、誰かに唇を塞がれる。慌てて目を開けると瀬尾君の整った顔が目の前にあった。油断している間に、舌をからめとられて、卑猥な音をたてながら、唾液をすすられる。
 キスがこんなに気持ちいいものだったのか。与えられる快感に夢中になっていると、だんだんとしごく三目君の手の動きが激しくなってくる。

「イキそうなんですね?イッて。」

「幸尚さん、好きなだけ感じて。」

「あっ!!だめぇ、…ひぃああん!」

 頭が馬鹿になりそうなほどの快感に、ビクビクと身体を震わせたのだった。
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

孤独なライオンは運命を見つける

朝顔
BL
9/1番外編追加しました。 自分はアルファであると信じて生きてきたのに、発情したことがキッカケで、オメガだったと発覚してしまった。 アルファだと思っていた時も、孤独で苦しかったのに、オメガになったことで俺の人生はより厳しいものになった。 そんな時、俺は運命と呼べる相手と出会うことになる。 ※※※※※ 高校生×高校生で、オメガバースの設定をお借りしています。 設定はよくあるものだと思いますが、おかしなところがあったら、すみません。 オメガバースについて詳しい説明などは省略しています。 シリアスあり、ラブコメもあり、淡くて青い恋愛がメインのお話です。 ※重複投稿 全十話完結済み

【完結】変態αのフェロモン観測記録

加賀ユカリ
BL
欠陥Ωが使用済みマスクを落としたら、変態αにフェロモン値を実況されるようになった話 大学生の天橋瑞樹(あまはし みずき)は、帰り道でうっかり使用済みマスクを落としてしまう。拾ったのは、モデルのようなスタイルと整った顔立ちを持つ青年──神代慧(かみしろ けい)。だが、彼はただのαではなかった。 「このマスクは僕の宝物です」そう言って笑う慧は、瑞樹のマスクを返さないどころか、初対面で「君は僕の運命の番だ」と宣言してくる。 だが瑞樹は、自分が“欠陥Ω”──フェロモン値が極端に低い存在であることを知っていた。 そして、計測器と共に瑞樹のフェロモン数値を実況する“変態α”との、奇妙で騒がしい日々が始まった。 そんなある日。 瑞樹に人生で初めてのヒートが訪れる── 攻め:神代慧(かみしろ けい)。α。瑞樹のマスクを返さないヤバい男。 受け:天橋瑞樹(あまはし みずき)。欠陥Ω。 ・オメガバースの独自設定があります ・性描写のある話には※を付けています ・最終話まで執筆済みです。(全35話) ・19時更新 ・ムーンライトノベルズにも掲載しています ※過去作『番になれなくても』の主人公(天橋和樹)の兄の話です。本作品は『番になれなくても』の本編より前の時間軸になります。それぞれの話は独立しているので、読んでいなくても大丈夫です 【完結】番になれなくても https://www.alphapolis.co.jp/novel/166551580/588945232

ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?

灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。 オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。 ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー 獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。 そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。 だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。 話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。 そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。 みたいな、大学篇と、その後の社会人編。 BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!! ※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました! ※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました! 旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」

ちゃんちゃら

三旨加泉
BL
軽い気持ちで普段仲の良い大地と関係を持ってしまった海斗。自分はβだと思っていたが、Ωだと発覚して…? 夫夫としてはゼロからのスタートとなった二人。すれ違いまくる中、二人が出した決断はー。 ビター色の強いオメガバースラブロマンス。

起きたらオメガバースの世界になっていました

さくら優
BL
眞野新はテレビのニュースを見て驚愕する。当たり前のように報道される同性同士の芸能人の結婚。飛び交うα、Ωといった言葉。どうして、なんで急にオメガバースの世界になってしまったのか。 しかもその夜、誘われていた合コンに行くと、そこにいたのは女の子ではなくイケメンαのグループで――。

俺は完璧な君の唯一の欠点

一寸光陰
BL
進藤海斗は完璧だ。端正な顔立ち、優秀な頭脳、抜群の運動神経。皆から好かれ、敬わられている彼は性格も真っ直ぐだ。 そんな彼にも、唯一の欠点がある。 それは、平凡な俺に依存している事。 平凡な受けがスパダリ攻めに囲われて逃げられなくなっちゃうお話です。

手に入らないモノと満たされる愛

小池 月
BL
 櫻井斗真は喘息持ちの高校二年生。健康でスポーツが得意な弟と両親の四人家族。不健康な斗真は徐々に家族の中に自分の居場所がなくなっていく。  ある日、登校中に喘息発作で倒れる斗真。そんな斗真を高校三年の小掠隆介が助ける。隆介は小児科医院の息子。喘息発作の治療が必要な斗真は隆介の家で静養することとなる。斗真は隆介の優しさを素直に受け入れられず、自分と比べて惨めな思いに陥っていく。そんな斗真の気持ちを全て受け止めて寄り添う隆介と、徐々に距離を縮める斗真。  斗真に安心できる場所が出来たかと思われた頃、斗真が襲われる事件が起きて……。

親友が虎視眈々と僕を囲い込む準備をしていた

こたま
BL
西井朔空(さく)は24歳。IT企業で社会人生活を送っていた。朔空には、高校時代の親友で今も交流のある鹿島絢斗(あやと)がいる。大学時代に起業して財を成したイケメンである。賃貸マンションの配管故障のため部屋が水浸しになり使えなくなった日、絢斗に助けを求めると…美形×平凡と思っている美人の社会人ハッピーエンドBLです。

処理中です...