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【キースのメモ】梅干し使用方法まとめ(6月18日追記)
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【梅干し使用方法まとめ】
・梅(番)茶
≪材料≫
・梅干し1個~2個
・紅茶(お茶ならなんでも)
≪作り方≫
1:梅干しをつぶす。
2:熱いお茶を注ぎよくかき混ぜる。
3:紅茶の場合、お好みでハチミツなどを追加する。
≪効能≫
二日酔いした時に気分をスッキリとさせてくれる。
梅番茶でうがいをすると風邪予防にもつながる。
・梅干し湿布
≪材料≫
・梅干し2個
・ガーゼ
≪作り方≫
1:梅干の種を取り除き、つぶす。
2:ガーゼに塗ってこめかみに貼る。
≪効能≫
血行を促進し、頭痛などに効果的。
キースはメモを見ながら満足気に頷く。
「これなら梅干しを食べなくて済む」
残念ながら商品化とは至らなかった梅干し。グレイスは毎日のようにあれやこれやとして使っているが、キースはその味に慣れることはない。そこで、なんとかして「食べる」以外の方法であの梅干しを消費してしまいたかったのだ。
「捨てるワケにもいかないからな……」
キースが書いたメモを見ながらオリバーは、そこに『梅干し』という文字があることが分かると思わず顔をしかめる。
「でもオリバーはさ、梅干しを食べさせられるのが嫌で酒を飲む量も減ったんじゃないか?」
「そうだな――」
キースは気付いていないが、実はグレイスが来てからオリバーの酒を飲む量は明らかに増えていた。それには理由があった。
そもそもオリバーは診療所を訪れるルールを密かに決めていた。一週間に二回。それ以上訪れるのは新婚であるキースに申し訳ないと思っていたのだ。ところがよくよく話を聞くと、二人の関係は全く進展しておらず、『婚約者』と名乗りながらもただの同居人でしかないことが早々に判明した。するとオリバーの中の小さな欲が芽生え始めたのだ。
『もしかしたら自分にも可能性があるのではないか』
という欲だ。オリバーはグレイスのことを数年前から知っている。といっても仕事の関係上、彼女の一家を護衛するという目的で見ていただけなのだが――。優雅な微笑み、輝くばかりの金髪、透き通るような瞳。それは決して手にすることはできない絵画のような存在だとオリバーは思っていた。「見られたらラッキー」というような存在が、ある日突然兄の婚約者としてオリバーの目の前に現れたのだ。
本当ならば様々な言い訳をつけて診療所を毎日のように訪れたかった。だが生真面目なオリバーにとって、自分に課したルールを破るのは目覚めが悪すぎた。だからこそ「二日酔い」を言い訳に使ったのだ。治療目的ならば週三回以上訪れても問題はないだろう……と。
ただ二日に一回診療所を訪れるようになりグレイスとの距離を縮めれば縮める程、目の前にいる憧れの人は、やはり手に入らない存在だったことにオリバーは気付かされた。自分にも笑顔を向けてくれ体調を心配してくれるが、彼女の心はキースにしか向いていないのだ。
不毛な恋愛はするまい。
オリバーはそう決めて酒を飲む量を減らしていった。元々口数が非常に少ないオリバー。だから兄であるキースが彼の気持ちを常に推察している部分がある。だが、この想いだけは悟られまいと決意していた。それが唯一オリバーに持てる矜持だった。
・梅(番)茶
≪材料≫
・梅干し1個~2個
・紅茶(お茶ならなんでも)
≪作り方≫
1:梅干しをつぶす。
2:熱いお茶を注ぎよくかき混ぜる。
3:紅茶の場合、お好みでハチミツなどを追加する。
≪効能≫
二日酔いした時に気分をスッキリとさせてくれる。
梅番茶でうがいをすると風邪予防にもつながる。
・梅干し湿布
≪材料≫
・梅干し2個
・ガーゼ
≪作り方≫
1:梅干の種を取り除き、つぶす。
2:ガーゼに塗ってこめかみに貼る。
≪効能≫
血行を促進し、頭痛などに効果的。
キースはメモを見ながら満足気に頷く。
「これなら梅干しを食べなくて済む」
残念ながら商品化とは至らなかった梅干し。グレイスは毎日のようにあれやこれやとして使っているが、キースはその味に慣れることはない。そこで、なんとかして「食べる」以外の方法であの梅干しを消費してしまいたかったのだ。
「捨てるワケにもいかないからな……」
キースが書いたメモを見ながらオリバーは、そこに『梅干し』という文字があることが分かると思わず顔をしかめる。
「でもオリバーはさ、梅干しを食べさせられるのが嫌で酒を飲む量も減ったんじゃないか?」
「そうだな――」
キースは気付いていないが、実はグレイスが来てからオリバーの酒を飲む量は明らかに増えていた。それには理由があった。
そもそもオリバーは診療所を訪れるルールを密かに決めていた。一週間に二回。それ以上訪れるのは新婚であるキースに申し訳ないと思っていたのだ。ところがよくよく話を聞くと、二人の関係は全く進展しておらず、『婚約者』と名乗りながらもただの同居人でしかないことが早々に判明した。するとオリバーの中の小さな欲が芽生え始めたのだ。
『もしかしたら自分にも可能性があるのではないか』
という欲だ。オリバーはグレイスのことを数年前から知っている。といっても仕事の関係上、彼女の一家を護衛するという目的で見ていただけなのだが――。優雅な微笑み、輝くばかりの金髪、透き通るような瞳。それは決して手にすることはできない絵画のような存在だとオリバーは思っていた。「見られたらラッキー」というような存在が、ある日突然兄の婚約者としてオリバーの目の前に現れたのだ。
本当ならば様々な言い訳をつけて診療所を毎日のように訪れたかった。だが生真面目なオリバーにとって、自分に課したルールを破るのは目覚めが悪すぎた。だからこそ「二日酔い」を言い訳に使ったのだ。治療目的ならば週三回以上訪れても問題はないだろう……と。
ただ二日に一回診療所を訪れるようになりグレイスとの距離を縮めれば縮める程、目の前にいる憧れの人は、やはり手に入らない存在だったことにオリバーは気付かされた。自分にも笑顔を向けてくれ体調を心配してくれるが、彼女の心はキースにしか向いていないのだ。
不毛な恋愛はするまい。
オリバーはそう決めて酒を飲む量を減らしていった。元々口数が非常に少ないオリバー。だから兄であるキースが彼の気持ちを常に推察している部分がある。だが、この想いだけは悟られまいと決意していた。それが唯一オリバーに持てる矜持だった。
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