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第87話 馬車の旅
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アルノーの王都からリンドブルムまで、馬車でおおよそ2泊3日の旅だ。
出発してからほとんどが馬車の中で、ジークフェルドと少し話したり、外の景色を見たりして過ごした。
食事をとったりお手洗いに行ったり、2時間に1回は休憩をはさみつつ旅は順調に進んでいた。
国境付近までくると、アーロン領のようなかなりのどかな様子となってきた。
「この辺り、うちの領地みたいです。」
周囲の景色を見て、リアがウキウキとしている。
「へえ。リアの領地はこんな感じか。けっこう田舎なんだな。」
ジークフェルドは窓から見える景色に少し驚いた。
それから少し行くと、休憩を取ることになった。
「あそこに柿がなってます。熟れてておいしそうですね。」
馬車を停めた場所から少し行ったところに、大きな柿の木がそびえ立っていた。
「食いたいなら取ってきてやろうか?」
ジークフェルドはそう言うとスルスルと木を登り始めた。
リアは木の下からそれを眺めていた。
生徒会のメンバーは個性がバラバラだが、ジークフェルドはざっくりした性格で頭を使っていろいろ考えるより、体を動かして行動する方が得意なタイプにみえた。
鍛えあげた身体を使って、あっという間に目的の枝まで到達した。
「リア!落とすぞ!!」
ジークフェルドがもぎった柿を落としてくる。
遊びに熱中する少年のようで、いつになく生き生きとしていた。
ジークフェルド様、子供みたいでかわいい・・・
リアはドキドキしながら、木の下で柿を受け止めカゴに入れていった。
「ジークフェルド様。もう、いいです。あまりたくさんあっても食べきれないです。」
リアが呼びかけると、ジークフェルドは柿をもぐのを止め、枝の上から周囲の景色を見渡した。
「ここから国境が見えるな。そこを超えたら、もうリンドブルムだ。」
遠くを眺めながら話すジークフェルドを見て、リアもその景色を見たくなった。
「私もそっちに行っていいですか?」
「えっ?」
ジークフェルドが返事をする前に、リアも木を登り始めた。
アーロン領でも木登りはよくしていたのでお手の物だ。
「わあ、すごい景色!」
リアたちが登った柿の木は、少し小高い丘の上に立っていた。
その丘を走る一本道を下ると、広大な草原が広がっていて道の途中に小さな城塞が建てられていた。
そこが国境なのだろう。
城塞から向こう側にもずっと一本道が続いていて、はるか遠くに町のようなものが見えた。
「リアは木登りが出来るんだな?」
ジークフェルドが呆れたように言った。
「田舎育ちですから。」
リアは胸をはって答えた。
それから再び二人で国境の方角を見つめた。
周囲を吹き抜ける風に、少し黄色く色づいた草原の草がたなびいている。
サワサワサワサワ
無限に広がる草原の中にリアとジークフェルドしか存在しない。
そんな感覚になった。
しばらく何も言わずに景色を眺めていたが、ジークフェルドがポツリとつぶやいた。
「きれいだな。」
リアは無言で頷いた。
結局、護衛騎士の一人が呼びに来るまで木の上にいたので柿は食べそびれてしまった。
「国境の向こうに町が見えただろう。アイルという町だが、今日はそこに宿泊する予定だ。食後のデザートに柿を出してもらおう。」
ジークフェルドの提案で、柿も馬車に乗せ国境にむけ出発となった。
出発してからほとんどが馬車の中で、ジークフェルドと少し話したり、外の景色を見たりして過ごした。
食事をとったりお手洗いに行ったり、2時間に1回は休憩をはさみつつ旅は順調に進んでいた。
国境付近までくると、アーロン領のようなかなりのどかな様子となってきた。
「この辺り、うちの領地みたいです。」
周囲の景色を見て、リアがウキウキとしている。
「へえ。リアの領地はこんな感じか。けっこう田舎なんだな。」
ジークフェルドは窓から見える景色に少し驚いた。
それから少し行くと、休憩を取ることになった。
「あそこに柿がなってます。熟れてておいしそうですね。」
馬車を停めた場所から少し行ったところに、大きな柿の木がそびえ立っていた。
「食いたいなら取ってきてやろうか?」
ジークフェルドはそう言うとスルスルと木を登り始めた。
リアは木の下からそれを眺めていた。
生徒会のメンバーは個性がバラバラだが、ジークフェルドはざっくりした性格で頭を使っていろいろ考えるより、体を動かして行動する方が得意なタイプにみえた。
鍛えあげた身体を使って、あっという間に目的の枝まで到達した。
「リア!落とすぞ!!」
ジークフェルドがもぎった柿を落としてくる。
遊びに熱中する少年のようで、いつになく生き生きとしていた。
ジークフェルド様、子供みたいでかわいい・・・
リアはドキドキしながら、木の下で柿を受け止めカゴに入れていった。
「ジークフェルド様。もう、いいです。あまりたくさんあっても食べきれないです。」
リアが呼びかけると、ジークフェルドは柿をもぐのを止め、枝の上から周囲の景色を見渡した。
「ここから国境が見えるな。そこを超えたら、もうリンドブルムだ。」
遠くを眺めながら話すジークフェルドを見て、リアもその景色を見たくなった。
「私もそっちに行っていいですか?」
「えっ?」
ジークフェルドが返事をする前に、リアも木を登り始めた。
アーロン領でも木登りはよくしていたのでお手の物だ。
「わあ、すごい景色!」
リアたちが登った柿の木は、少し小高い丘の上に立っていた。
その丘を走る一本道を下ると、広大な草原が広がっていて道の途中に小さな城塞が建てられていた。
そこが国境なのだろう。
城塞から向こう側にもずっと一本道が続いていて、はるか遠くに町のようなものが見えた。
「リアは木登りが出来るんだな?」
ジークフェルドが呆れたように言った。
「田舎育ちですから。」
リアは胸をはって答えた。
それから再び二人で国境の方角を見つめた。
周囲を吹き抜ける風に、少し黄色く色づいた草原の草がたなびいている。
サワサワサワサワ
無限に広がる草原の中にリアとジークフェルドしか存在しない。
そんな感覚になった。
しばらく何も言わずに景色を眺めていたが、ジークフェルドがポツリとつぶやいた。
「きれいだな。」
リアは無言で頷いた。
結局、護衛騎士の一人が呼びに来るまで木の上にいたので柿は食べそびれてしまった。
「国境の向こうに町が見えただろう。アイルという町だが、今日はそこに宿泊する予定だ。食後のデザートに柿を出してもらおう。」
ジークフェルドの提案で、柿も馬車に乗せ国境にむけ出発となった。
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