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第90話 馬車の中にて
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アイルの町を出発し、再び馬車の旅になった。
アルノーを発った直後とはうって変わって、馬車の中でも打ち解けた雰囲気になっていた。
生徒会では役職が同じだったルーファスと話すことが多かったし、爵位的に近いヘンドリックが話しやすく、ジークフェルドと二人で話す機会はほとんどなかった。
それが嘘のように会話が続いていた。
先ほどからジークフェルドが自分の家族について話してくれていた。
「兄上はルーファスみたいな感じの方だな。昔から冷静で頭が良かったんだ。」
出来のいい兄王子と身体を動かすことが大好きなやんちゃな弟王子。
兄が国政をにない、弟が軍をになう。
幼い頃から自然と周囲も自分もそう思っていたし、不満もなかった。
「で、俺は小さい頃から騎士団とか軍の方に出入りしてたんだ。近衛は貴族しか入隊できないが、騎士団の方には平民出身の者もいたし、そいつらと町へくり出すこともあったな。」
「だから、あんなに町にとけ込んでたんですね。」
リアはなるほどと納得した。
状況に応じて使い分けてはいるのだろうけど、生徒会の中ではジークフェルドの言葉使いがすごくくだけたものだと思っていたのだ。
この言葉使いも騎士団で身に付けたのだろう。
身分は王子様だが、庶民的で感覚がリアに近いのだ。
「うちは父上も母上も放任主義でな。俺が2番目の子供だったのもあるかもしれないが、やらないといけない事をしっかりやっていれば、わりと好きにさせてくれてたんだ。」
「ご両親も、ジークフェルド様みたいな感じの方なんですか?」
ジークフェルドは少し考えこんだ。
「どちらかというと外見も中身も兄上が父上に似ていて、俺は母上に似ているような気がするな。」
リンドブルムの王妃様はこんなくだけた感じの方なんだ!?
王妃といえばエミリアのようなたおやかで優雅な女性を想像していたので、少し意外だった。
「まあ、2人とも普通の人だよ。気楽に会ってくれ。」
そう言われてても、王様に会うのにさすがに緊張はするだろう。
リアは苦笑いを浮かべた。
「次はリアの家族のことも教えてくれ。」
ジークフェルドの言葉にリアは考えこんだ。
彼の話を聞いて、知ってる人にたとえてもらうとわかり易いなと思ったからだ。
「父様は雰囲気がヘンドリック先輩みたいな感じです。優しくて穏やかで、ジークフェルド様みたいに強い感じは全くないんですが、一緒にいるとホッとします。」
「へえ。」
それは、ヘンドリックといるとホッとするということか。
ジークフェルドは少しモヤモヤしながら話を聞いていた。
「父にはお姉さんが一人いて、少し離れたところにある伯爵家に嫁いでるんです。そこには男の子が2人いて、たまに会ったらよく遊んでもらいました。」
「いとこがいるのか。年齢は?」
自分もリアのいとこなのだが、そういう存在になれていないのがもどかしい。
「えーと。コリン兄さんが私より6才上で、シリル兄さんが3才上だったかな。学院では入れ違いになってしまったんです。」
リアは残念そうに答えた。
アルノーを発った直後とはうって変わって、馬車の中でも打ち解けた雰囲気になっていた。
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「兄上はルーファスみたいな感じの方だな。昔から冷静で頭が良かったんだ。」
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兄が国政をにない、弟が軍をになう。
幼い頃から自然と周囲も自分もそう思っていたし、不満もなかった。
「で、俺は小さい頃から騎士団とか軍の方に出入りしてたんだ。近衛は貴族しか入隊できないが、騎士団の方には平民出身の者もいたし、そいつらと町へくり出すこともあったな。」
「だから、あんなに町にとけ込んでたんですね。」
リアはなるほどと納得した。
状況に応じて使い分けてはいるのだろうけど、生徒会の中ではジークフェルドの言葉使いがすごくくだけたものだと思っていたのだ。
この言葉使いも騎士団で身に付けたのだろう。
身分は王子様だが、庶民的で感覚がリアに近いのだ。
「うちは父上も母上も放任主義でな。俺が2番目の子供だったのもあるかもしれないが、やらないといけない事をしっかりやっていれば、わりと好きにさせてくれてたんだ。」
「ご両親も、ジークフェルド様みたいな感じの方なんですか?」
ジークフェルドは少し考えこんだ。
「どちらかというと外見も中身も兄上が父上に似ていて、俺は母上に似ているような気がするな。」
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「まあ、2人とも普通の人だよ。気楽に会ってくれ。」
そう言われてても、王様に会うのにさすがに緊張はするだろう。
リアは苦笑いを浮かべた。
「次はリアの家族のことも教えてくれ。」
ジークフェルドの言葉にリアは考えこんだ。
彼の話を聞いて、知ってる人にたとえてもらうとわかり易いなと思ったからだ。
「父様は雰囲気がヘンドリック先輩みたいな感じです。優しくて穏やかで、ジークフェルド様みたいに強い感じは全くないんですが、一緒にいるとホッとします。」
「へえ。」
それは、ヘンドリックといるとホッとするということか。
ジークフェルドは少しモヤモヤしながら話を聞いていた。
「父にはお姉さんが一人いて、少し離れたところにある伯爵家に嫁いでるんです。そこには男の子が2人いて、たまに会ったらよく遊んでもらいました。」
「いとこがいるのか。年齢は?」
自分もリアのいとこなのだが、そういう存在になれていないのがもどかしい。
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リアは残念そうに答えた。
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