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第92話 西の離宮
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リンドブルムの王宮はブルーメのほぼ中央に建てられていた。
馬車の窓から見える城を取り囲む城壁はどこまで続いているのか分からないほど広大だった。
「ものすごい大きさですね。」
アルノーの城も大きいと思ったが、それとは比較にならないスケールにリアがびっくりしていると、ジークフェルドが何でもない事のように答えた。
「アルノーより土地が広いからな。」
そういう問題ではないような・・・。
アルノーとのあまりの規模の違いに、リアは場違いな所に来た気がした。
そして、ここ2日ほど忘れかけていた緊張感がよみがえってきた。
そんなリアを見て、ジークフェルドはリアの肩に腕をまわし自分の方へと引き寄せた。
「そんな不安そうな顔をするな。俺たちはとりあえず西の離宮に滞在する予定だから大丈夫だ。そっちは割とこじんまりとしてるから居心地はいいはずだ。」
リアはジークフェルドの胸に顔を寄せ、軽く頷いた。
そして、2人を乗せた馬車は正門から入ると、そのまま西側の離宮へと向かった。
リアがリンドブルム国王と会い今後の方針が決定するまで、彼女をあまり人の目にさらすわけにはいかないのだ。
エミリアによるとリアはユーフェミア王女によく似ているらしい。
ユーフェミアがこの城にいた16,7年前からここに勤めている者の中には、リアを見て王女を連想する者もいるだろう。
リアが今後、男爵令嬢として生きるのならばリンドブルムとのつながり等は全て闇に葬った方が平穏に生きられる。
父とリアの選択によって、自分たちの運命が交わるのかそうでないのかが決まるのだ。
ジークフェルドも落ち着かない気分で離宮へと入ることとなった。
※
西の離宮は、白を基調とした建物で、玄関ホールの窓には様々な色のステンドグラスがはめ込まれていた。
そして、日の光が入ると白い床や壁にその色が映し出され、ホール全体に幻想的な雰囲気をもたらしていた。
「わあ。きれい・・・。」
初めて見る美しい光景にリアは感嘆の声をあげた。
「女の子にはこっちの離宮の方がいいかと思って父上にお願いしたんだ。」
ジークフェルドがリアのために頼んでくれたのか。
「ありがとうございます。言葉にならないくらい美しくて、夢の国に来たみたいです
。」
うっとりとホールに立ちつくすリアを見てジークフェルドも笑顔になった。
良かった。緊張も少しほぐれたようだな。
しばらくホールを堪能した後、2人は用意された各々の部屋へ荷物を運んだ。
「隣が俺の部屋だから何かあったら声をかけてくれ。荷物をほどいて少し休憩したら離宮の中を案内する。1時間後でいいか?」
「はい。」
そう言って廊下でジークフェルドと別れた。
リアの部屋も壁や床は白が基調になっており、窓こそ普通の透明な物だったが、日当たりがよく室内はとても明るかった。
置かれた調度品も高価そうなものばかりで、天井にはキラキラしたクリスタルで出来たシャンデリアが下げられていた。ベッドには天蓋があり、レースで出来た薄い布が吊り下げられていた。
リアはコロンとベッドに横になり、部屋の中を眺めた。
物語に出てくるお姫様の部屋のようね。
こんな素敵な部屋に泊れて嬉しいという気持ちと同時に、こんな部屋に慣れてしまったら学院やアーロン領に帰った時に惨めな気持ちにならないかという不安も感じた。
リアは仰向けになり、そんなことを思いながらレースが吊るされた天蓋の頂点を見つめた。
そうしてふうっと息を吐き目を閉じると、途端に睡魔に襲われたのだった。
馬車の窓から見える城を取り囲む城壁はどこまで続いているのか分からないほど広大だった。
「ものすごい大きさですね。」
アルノーの城も大きいと思ったが、それとは比較にならないスケールにリアがびっくりしていると、ジークフェルドが何でもない事のように答えた。
「アルノーより土地が広いからな。」
そういう問題ではないような・・・。
アルノーとのあまりの規模の違いに、リアは場違いな所に来た気がした。
そして、ここ2日ほど忘れかけていた緊張感がよみがえってきた。
そんなリアを見て、ジークフェルドはリアの肩に腕をまわし自分の方へと引き寄せた。
「そんな不安そうな顔をするな。俺たちはとりあえず西の離宮に滞在する予定だから大丈夫だ。そっちは割とこじんまりとしてるから居心地はいいはずだ。」
リアはジークフェルドの胸に顔を寄せ、軽く頷いた。
そして、2人を乗せた馬車は正門から入ると、そのまま西側の離宮へと向かった。
リアがリンドブルム国王と会い今後の方針が決定するまで、彼女をあまり人の目にさらすわけにはいかないのだ。
エミリアによるとリアはユーフェミア王女によく似ているらしい。
ユーフェミアがこの城にいた16,7年前からここに勤めている者の中には、リアを見て王女を連想する者もいるだろう。
リアが今後、男爵令嬢として生きるのならばリンドブルムとのつながり等は全て闇に葬った方が平穏に生きられる。
父とリアの選択によって、自分たちの運命が交わるのかそうでないのかが決まるのだ。
ジークフェルドも落ち着かない気分で離宮へと入ることとなった。
※
西の離宮は、白を基調とした建物で、玄関ホールの窓には様々な色のステンドグラスがはめ込まれていた。
そして、日の光が入ると白い床や壁にその色が映し出され、ホール全体に幻想的な雰囲気をもたらしていた。
「わあ。きれい・・・。」
初めて見る美しい光景にリアは感嘆の声をあげた。
「女の子にはこっちの離宮の方がいいかと思って父上にお願いしたんだ。」
ジークフェルドがリアのために頼んでくれたのか。
「ありがとうございます。言葉にならないくらい美しくて、夢の国に来たみたいです
。」
うっとりとホールに立ちつくすリアを見てジークフェルドも笑顔になった。
良かった。緊張も少しほぐれたようだな。
しばらくホールを堪能した後、2人は用意された各々の部屋へ荷物を運んだ。
「隣が俺の部屋だから何かあったら声をかけてくれ。荷物をほどいて少し休憩したら離宮の中を案内する。1時間後でいいか?」
「はい。」
そう言って廊下でジークフェルドと別れた。
リアの部屋も壁や床は白が基調になっており、窓こそ普通の透明な物だったが、日当たりがよく室内はとても明るかった。
置かれた調度品も高価そうなものばかりで、天井にはキラキラしたクリスタルで出来たシャンデリアが下げられていた。ベッドには天蓋があり、レースで出来た薄い布が吊り下げられていた。
リアはコロンとベッドに横になり、部屋の中を眺めた。
物語に出てくるお姫様の部屋のようね。
こんな素敵な部屋に泊れて嬉しいという気持ちと同時に、こんな部屋に慣れてしまったら学院やアーロン領に帰った時に惨めな気持ちにならないかという不安も感じた。
リアは仰向けになり、そんなことを思いながらレースが吊るされた天蓋の頂点を見つめた。
そうしてふうっと息を吐き目を閉じると、途端に睡魔に襲われたのだった。
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