男爵令嬢なのにくじ引きで王子のいる生徒会の役員になりました!

らな

文字の大きさ
140 / 157

第140話 東の離宮 2日目

しおりを挟む
東の離宮に来て2日目。

今日は離宮の裏にある花園に行く予定だと朝食の時アルフォンスに伝えられた。
「動きやすくて、汚れてもいい格好にしておいてね。」
リアは首をかしげた。
「花園に行くのに、汚れてもいい格好なんですか?」
アルフォンスが微笑んだ。
「花園の隣に果樹園があるんだよ。今ならオレンジもなってる。」
「そうなんですか?」
リアは目を丸くした。
王宮の庭園内にそんなところがあったとは。

ホールで集合してから果樹園に直行した。
木の種類について説明してもらったり、果樹をもいだりして楽しい時間が過ぎていった。

先生って、私の趣味を完全に把握してるわよね・・・。

大きく熟れたオレンジを収穫しながら、リアはしみじみそう思った。
キラキラした高級店で買い物をしたりするより、こういう風に身体を動かしたり、自然の中でゆっくり過ごす方が心地よいのだ。
穏やかで優しいアルフォンスはホッとできるし、一緒に過ごしても楽しいと思える。

そんな時、ふとジークフェルドの顔が思い浮かんだ。
”俺がリアのことを好きだということを忘れないでほしい”
恋情を含んだ熱い瞳で告げられたその言葉は、リアの心に深く刻まれている。

アルフォンスは物腰が柔らかでも大人であるし、今も気付いたら彼のペースで行動させられているような気がする。
このまま一緒に過ごしていたら、そのまま流されて彼の思うように物事を運ばれそうな予感がする。

やっぱり先生と結婚できないってちゃんと伝えなきゃ。

昼食の時、意を決してアルフォンスに自分の気持ちを伝えた。
「私やっぱり、せ・・アルとは結婚できないです。」
覚悟を決めて伝えた言葉は笑顔で一蹴された。
「リア。まだ約束の期日になっていないのに、僕に3日間のチャンスもくれないのかい?」
3日間彼と過ごすと約束したのはリアだ。
言い返せずに、その話題はなかったことにされてしまった。

午後は昨日と同じガラス張りのテラスでゆっくり過ごした。
ボードゲームなどをして過ごした後、アルフォンスがポケットから小さな箱を取り出してきた。
「これ、リアにプレゼント。」
「ありがとうございます?」
渡された箱を開けるとアルフォンスの瞳のような透明感のある紫色の石がついた小さなピアスが入っていた。
余計な装飾が全くない使いやすそうでシンプルなデザインだ。
「きれいな石ですね。」
「アメジストだよ。つけてみて。」
一瞬、彼の色をまとうことにためらいを感じたが、突き返すわけにもいかずリアはピアスをつけようとした。
部屋には鏡がなくモタモタしていたら、ひょいとアルフォンスにピアスを奪われた。
「僕がつけてあげるよ。」
アルフォンスの顔が近づき、彼の手が耳に触れた。
リアはドキドキしながら身体を固くしていた。
「つけれたよ。うん、よく似合ってる。」
アルフォンスは満足そうに笑った。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?

浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。 「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」 ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。

モブ令嬢は脳筋が嫌い

斯波@ジゼルの錬金飴③発売中
恋愛
イーディスは海のように真っ青な瞳を持つ少年、リガロに一瞬で心を奪われた。彼の婚約者になれるのが嬉しくて「祖父のようになりたい」と夢を語る彼を支えたいと思った。リガロと婚約者になってからの日々は夢のようだった。けれど彼はいつからか全く笑わなくなった。剣を振るい続ける彼を見守ることこそが自分の役目だと思っていたイーディスだったが、彼女の考えは前世の記憶を取り戻したことで一変する。※執筆中のため感想返信までお時間を頂くことがあります。また今後の展開に関わる感想や攻撃的な感想に関しましては返信や掲載を控えさせていただくことがあります。あらかじめご了承ください。

せっかく傾国級の美人に生まれたのですから、ホントにやらなきゃ損ですよ?

志波 連
恋愛
病弱な父親とまだ学生の弟を抱えた没落寸前のオースティン伯爵家令嬢であるルシアに縁談が来た。相手は学生時代、一方的に憧れていた上級生であるエルランド伯爵家の嫡男ルイス。 父の看病と伯爵家業務で忙しく、結婚は諦めていたルシアだったが、結婚すれば多額の資金援助を受けられるという条件に、嫁ぐ決意を固める。 多忙を理由に顔合わせにも婚約式にも出てこないルイス。不信感を抱くが、弟のためには絶対に援助が必要だと考えるルシアは、黙って全てを受け入れた。 オースティン伯爵の健康状態を考慮して半年後に結婚式をあげることになり、ルイスが住んでいるエルランド伯爵家のタウンハウスに同居するためにやってきたルシア。 それでも帰ってこない夫に泣くことも怒ることも縋ることもせず、非道な夫を庇い続けるルシアの姿に深く同情した使用人たちは遂に立ち上がる。 この作品は小説家になろう及びpixivでも掲載しています ホットランキング1位!ありがとうございます!皆様のおかげです!感謝します!

ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~

紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。 毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~

湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。 「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」 夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。 公爵である夫とから啖呵を切られたが。 翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。 地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。 「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。 一度、言った言葉を撤回するのは難しい。 そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。 徐々に距離を詰めていきましょう。 全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。 第二章から口説きまくり。 第四章で完結です。 第五章に番外編を追加しました。

理想の男性(ヒト)は、お祖父さま

たつみ
恋愛
月代結奈は、ある日突然、見知らぬ場所に立っていた。 そこで行われていたのは「正妃選びの儀」正妃に側室? 王太子はまったく好みじゃない。 彼女は「これは夢だ」と思い、とっとと「正妃」を辞退してその場から去る。 彼女が思いこんだ「夢設定」の流れの中、帰った屋敷は超アウェイ。 そんな中、現れたまさしく「理想の男性」なんと、それは彼女のお祖父さまだった! 彼女を正妃にするのを諦めない王太子と側近魔術師サイラスの企み。 そんな2人から彼女守ろうとする理想の男性、お祖父さま。 恋愛よりも家族愛を優先する彼女の日常に否応なく訪れる試練。 この世界で彼女がくだす決断と、肝心な恋愛の結末は?  ◇◇◇◇◇設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。 本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。 R-Kingdom_1 他サイトでも掲載しています。

ヤンデレ旦那さまに溺愛されてるけど思い出せない

斧名田マニマニ
恋愛
待って待って、どういうこと。 襲い掛かってきた超絶美形が、これから僕たち新婚初夜だよとかいうけれど、全く覚えてない……! この人本当に旦那さま? って疑ってたら、なんか病みはじめちゃった……!

【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。

櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。 夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。 ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。 あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ? 子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。 「わたくしが代表して修道院へ参ります!」 野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。 この娘、誰!? 王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。 主人公は猫を被っているだけでお転婆です。 完結しました。 小説家になろう様にも投稿しています。

処理中です...