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問3 条件による分岐を辿れ
問3-7
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2周目は、入り口で各々の分担を再確認し、不意打ちや何らかの理由で戦闘でのバランスが崩れた場合に誰がどうフォローに入るかの相談をした。
1周目で崩れたチョッキは、相手の動きと仲間の位置をしっかり把握してこそ強みが出せる盾役なだけに、パーティーの側面からの不意打ちに対応しきれず無理が出てしまった。
今思えばエネミーの不意打ちに慣れていなかったミューミューのところが穴だったせいなのだが、まだこの時は気づかなかった。
そして挑んだ2周目。先程よりは皆慎重だったため、全5階層の3階層までは比較的順調に進んだ。
3階層から4階層に上がる扉の前には、エリアボスと呼ばれるかなりの強敵が立ち塞がる。
このダンジョンでのいわゆる中ボスといった立場で、エネミーの名は「クラオカミ」。昨日活躍してくれた【隠し矢】をドロップするので、俺も数回はソロで討伐したことがある。
クラオカミは黒子の衣装を纏っているため顔が見えない、4本の腕を持つ2mほどの巨人だ。
ソロとパーティーではこういったボス戦もエネミーの強さが段違いに上がる。
例えば、ソロではエネミーが放つ単発攻撃はほとんどが【隠し矢】の為の布石というパターンが多いため、連続で同じ攻撃なら【隠し矢】を警戒して攻撃の着弾地点をしっかり把握していれば相手の攻撃を避けるのは容易い。
しかしパーティではどうやらそう上手くはいかないらしい。
クラオカミのライフを半分くらいまで削った後、戦闘フィールド全体に放つ血の散弾のような攻撃の後に横や背後から攻撃が飛んでくることがあった。
【隠し矢】の属性を持った攻撃が、全体攻撃の中に紛れているのだ。
エネミーはカードと同じ効果を持つ攻撃をしてくることが多いが、それは必ずしもカードで再現出来る攻撃しかして来ないという事ではない。
ミューミューは、そういう敵の行動パターンの変化にもすぐには対応出来ず、想像以上に被弾してしまっていた。
俺は2周目に挑む前に決めた「ライフ優先」の行動意識に従ってすぐにミューミューに回復のカードを切った。
通常、ライフの回復中は移動や攻撃のアクションが出来ない。
これが出来てしまうと、複数プレイヤーが回復と強化だけに回り、無敵の戦闘プレイヤー1人が闘うような別ゲーになってしまうからだ。
なので、回復するためには一旦引いて回復カードを使ってもらい、確認次第また前線に戻るといった超初歩的な戦略が必要とされる。
こんなこと、1度でもパーティを組んだことがあるなら知っていて当然だ。
だが、彼女は俺の回復カードの効果中に、今がチャンスとばかりにクラオカミにショットカードを使ってしまった。
ありえない行動だった。
当然、回復はキャンセル。ほとんど回復出来ず貧弱なライフのままになってしまったミューミューは攻撃が当たったクラオカミのターゲットになってしまい、大ぶりな範囲攻撃を回避しきれず落ちた。
3人になった俺達は善戦したものの、全員がパーティでは初参戦だったクラオカミの攻撃パターンが読みきれず、フィールド全体への攻撃で俺とみずちが同時落ちしたため結局全滅してしまった。
こうなるともう違和感では済まされない。
他の二人もうすうす気づいただろう。
対人戦ではほとんど負け無しの強豪プレイヤー玻璃猫こと「μMeow」は、もしかしてパーティダンジョンに慣れていないのでは? という疑惑に。
ただ、これを彼女に問いただすのは「友達、いないんですか?」と聞いているのに等しい。
ちょっとそれは聞けないだろう。
いや、俺も人のことをとやかく言えるほど友達が居るわけではないのだが。
俺達はミューミューのミスには極力触れず、クラオカミの攻撃パターンの変遷と気をつけなければいけないモーションを確認しあい、リベンジの3周目に挑んだ。
3周目はミューミューが急激に成長を遂げていた。持ち前のアクションテクニックや適応力はさすがの一言で、先程全滅したとは思えないほどクラオカミをあっさり撃破した。
だが、問題はダンジョン最奥のボスの手前にあった。
眼の前にあったのは、大人が一人くらいなら入れそうな大きさの宝箱。
日本の天守閣をイメージしているダンジョンなだけあって、宝箱もよくある上部が曲面になった西洋風の箱ではなく、豪奢な木彫りの装飾が施された千両箱のような見た目だった。
まあ、わかりやすく罠だった。
ネクロの基本はエネミーの討伐や周囲のオブジェクトから採取という形で素材の収集やカードの入手を行うため、オフラインゲームのように宝箱がいたるところにあるような常識は通じない。
もちろんたまにはある。
それはこういった罠か、もしくは宝箱型のエネミーか。一応ごくごくわずかに、レアカードが人数分入っていることがある。
ある意味分の悪いガチャだ。
多くの敵と戦闘をしたいときには開けることもある。なぜなら、大抵のハズレが単なるダメージか「ラッシュ」と呼ばれる大量の敵との戦闘が始まるからだ。
だが、ダンジョン最上階でダメージは欲しくないし、ラッシュなら尚更まずい。
ライフは削られるし、ボスを討伐した方が美味しいのに下手すればそれを逃すことになる。
出てくるエネミーも最上階はやっかいな攻撃をしてくる奴が多いので分も悪い。
「宝箱は中ボス前なら開けることを検討しろ」と言われるくらいダンジョンの浅い層でしか旨味がないイベントだった。
この宝箱の中身を探るカードも存在するが、宝箱イベントは起こる事がそうあるわけでも無いため今回は誰もデッキに入れていなかった。
つまり今回の選択は「無視」一択だったはずだ。
宝箱の発見からほぼノータイムで無警戒にミューミューが手を伸ばして開いてしまったので、まあこの見解を述べる時間は無かったのだが。
引き当てたのは「ラッシュ」。
俺達は「魍魎」という異常状態付与攻撃を行ってくるエネミーと、部屋を埋め尽くすほどに大量の「餓鬼」の群れに襲われた。
ミューミューはやっぱり知らなかったのだ。
ソロでの宝箱は出現率が低い割に大抵が低レアリティのカードという事実が、彼女が無警戒に手を伸ばしてしまった理由だった。
そしてその間違いは、結果的に3度目の全滅に繋がったのだ。
1周目で崩れたチョッキは、相手の動きと仲間の位置をしっかり把握してこそ強みが出せる盾役なだけに、パーティーの側面からの不意打ちに対応しきれず無理が出てしまった。
今思えばエネミーの不意打ちに慣れていなかったミューミューのところが穴だったせいなのだが、まだこの時は気づかなかった。
そして挑んだ2周目。先程よりは皆慎重だったため、全5階層の3階層までは比較的順調に進んだ。
3階層から4階層に上がる扉の前には、エリアボスと呼ばれるかなりの強敵が立ち塞がる。
このダンジョンでのいわゆる中ボスといった立場で、エネミーの名は「クラオカミ」。昨日活躍してくれた【隠し矢】をドロップするので、俺も数回はソロで討伐したことがある。
クラオカミは黒子の衣装を纏っているため顔が見えない、4本の腕を持つ2mほどの巨人だ。
ソロとパーティーではこういったボス戦もエネミーの強さが段違いに上がる。
例えば、ソロではエネミーが放つ単発攻撃はほとんどが【隠し矢】の為の布石というパターンが多いため、連続で同じ攻撃なら【隠し矢】を警戒して攻撃の着弾地点をしっかり把握していれば相手の攻撃を避けるのは容易い。
しかしパーティではどうやらそう上手くはいかないらしい。
クラオカミのライフを半分くらいまで削った後、戦闘フィールド全体に放つ血の散弾のような攻撃の後に横や背後から攻撃が飛んでくることがあった。
【隠し矢】の属性を持った攻撃が、全体攻撃の中に紛れているのだ。
エネミーはカードと同じ効果を持つ攻撃をしてくることが多いが、それは必ずしもカードで再現出来る攻撃しかして来ないという事ではない。
ミューミューは、そういう敵の行動パターンの変化にもすぐには対応出来ず、想像以上に被弾してしまっていた。
俺は2周目に挑む前に決めた「ライフ優先」の行動意識に従ってすぐにミューミューに回復のカードを切った。
通常、ライフの回復中は移動や攻撃のアクションが出来ない。
これが出来てしまうと、複数プレイヤーが回復と強化だけに回り、無敵の戦闘プレイヤー1人が闘うような別ゲーになってしまうからだ。
なので、回復するためには一旦引いて回復カードを使ってもらい、確認次第また前線に戻るといった超初歩的な戦略が必要とされる。
こんなこと、1度でもパーティを組んだことがあるなら知っていて当然だ。
だが、彼女は俺の回復カードの効果中に、今がチャンスとばかりにクラオカミにショットカードを使ってしまった。
ありえない行動だった。
当然、回復はキャンセル。ほとんど回復出来ず貧弱なライフのままになってしまったミューミューは攻撃が当たったクラオカミのターゲットになってしまい、大ぶりな範囲攻撃を回避しきれず落ちた。
3人になった俺達は善戦したものの、全員がパーティでは初参戦だったクラオカミの攻撃パターンが読みきれず、フィールド全体への攻撃で俺とみずちが同時落ちしたため結局全滅してしまった。
こうなるともう違和感では済まされない。
他の二人もうすうす気づいただろう。
対人戦ではほとんど負け無しの強豪プレイヤー玻璃猫こと「μMeow」は、もしかしてパーティダンジョンに慣れていないのでは? という疑惑に。
ただ、これを彼女に問いただすのは「友達、いないんですか?」と聞いているのに等しい。
ちょっとそれは聞けないだろう。
いや、俺も人のことをとやかく言えるほど友達が居るわけではないのだが。
俺達はミューミューのミスには極力触れず、クラオカミの攻撃パターンの変遷と気をつけなければいけないモーションを確認しあい、リベンジの3周目に挑んだ。
3周目はミューミューが急激に成長を遂げていた。持ち前のアクションテクニックや適応力はさすがの一言で、先程全滅したとは思えないほどクラオカミをあっさり撃破した。
だが、問題はダンジョン最奥のボスの手前にあった。
眼の前にあったのは、大人が一人くらいなら入れそうな大きさの宝箱。
日本の天守閣をイメージしているダンジョンなだけあって、宝箱もよくある上部が曲面になった西洋風の箱ではなく、豪奢な木彫りの装飾が施された千両箱のような見た目だった。
まあ、わかりやすく罠だった。
ネクロの基本はエネミーの討伐や周囲のオブジェクトから採取という形で素材の収集やカードの入手を行うため、オフラインゲームのように宝箱がいたるところにあるような常識は通じない。
もちろんたまにはある。
それはこういった罠か、もしくは宝箱型のエネミーか。一応ごくごくわずかに、レアカードが人数分入っていることがある。
ある意味分の悪いガチャだ。
多くの敵と戦闘をしたいときには開けることもある。なぜなら、大抵のハズレが単なるダメージか「ラッシュ」と呼ばれる大量の敵との戦闘が始まるからだ。
だが、ダンジョン最上階でダメージは欲しくないし、ラッシュなら尚更まずい。
ライフは削られるし、ボスを討伐した方が美味しいのに下手すればそれを逃すことになる。
出てくるエネミーも最上階はやっかいな攻撃をしてくる奴が多いので分も悪い。
「宝箱は中ボス前なら開けることを検討しろ」と言われるくらいダンジョンの浅い層でしか旨味がないイベントだった。
この宝箱の中身を探るカードも存在するが、宝箱イベントは起こる事がそうあるわけでも無いため今回は誰もデッキに入れていなかった。
つまり今回の選択は「無視」一択だったはずだ。
宝箱の発見からほぼノータイムで無警戒にミューミューが手を伸ばして開いてしまったので、まあこの見解を述べる時間は無かったのだが。
引き当てたのは「ラッシュ」。
俺達は「魍魎」という異常状態付与攻撃を行ってくるエネミーと、部屋を埋め尽くすほどに大量の「餓鬼」の群れに襲われた。
ミューミューはやっぱり知らなかったのだ。
ソロでの宝箱は出現率が低い割に大抵が低レアリティのカードという事実が、彼女が無警戒に手を伸ばしてしまった理由だった。
そしてその間違いは、結果的に3度目の全滅に繋がったのだ。
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