拝啓 お顔もお名前も存じ上げない婚約者様

オケラ

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#13 熱を上げるユージ

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 気持ちいいかもしれません、というユアの言葉を受け、より一層熱を上げた様子のユージ。

「本当? じゃあ……こっちは?」

 ユージの手がユアの耳に優しく触れる。

「んっ……!」

 温かい指の感触に肩がすくむユア。
 ゆっくりと、指で優しくこするように撫でられていく。

「ふぅっ…………!」

 よくわからない感覚に、ますます肩がすくんでいく。顔にも力が入る。

「ふはっ……あはははっ」

 ユージが愛おしそうに笑った。

「今、とてもおかしな顔をしていたよ。僕からしたらそういう表情もすっごく可愛いんだけどね」

 嬉しそうなユージ。対するユアは口をきゅっと閉じて真っ赤になっている。

(私はすごく恥ずかしいです……!)

 ユアの顔が再びなんともいえない顔になっていたのか、ユージは楽しそうに笑うと、彼女の後頭部を手で支えた。

ちゅっ

ちゅっ

ちゅっ

ちゅっ

ちゅっ

 唇をついばむような、触れている時間の短いキスが5回連続で行われる。

「ユージ様っ……それはっ○△■……」

 残念ながら言葉になっていない。

「ユア……」

 ユージの指がユアの顎にそっと触れる。

「少し、口を開けておいてくれるかい?」

「……はい……」

 言われるがまま少し開けたが、これが何を意味するのかがわからず頭に?を浮かべるユア。
 対するユージはコップを手に取り水を少し飲んだ後、口の中に水を含め、その状態のままユアに顔を近づけていく。

(えっ……? ユージ様……?)

 ユアが状況を理解するよりも先に唇が重ねられ、ユアの口の中へと水が流れていく。

「!!!」

ゴクン……ゴクン…………ゴクン…………

 ユージは唇を離す際、ユアの下唇を唇で挟んだ。初めて経験する感覚が下唇に伝わり、ユアはますますよくわからない不思議な気分になった。

つーー……

 ユアの口からこぼれた水が、首を伝って胸の方へと流れていく。

ちゅるっ

「ひゃっ……!?」

 経験したことのない感触に驚くユア。

「っ……」

「あ……」

「……んっ……!」

 ユージの舌が、ユアの首から胸へと流れた水を、追いかけるように舐めていく。舌の熱く湿った感触に、ユアの心臓は激しく波打つ。

「あっ……ユージ様……!? ユージ様っ……!!!」

 どんどん、ユージの舌が下へ下へと下がっていく。


にゅる……

「!!!!!」

「んっ…………そ……そこはっ…………」

 ユージの舌は、ドレスの下に隠れている胸の谷間にまで侵入した。
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