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#14(最終話) 二人の甘い生活はまだ始まったばかり
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ユージの舌が、ユアの胸の谷間に入り込んだ水を舐めていく。
「ふっ…………っ……………」
ユアは無意識にユージの腕を掴んでいた。
ユージの顔が胸元から離れ、目が合う二人。
ユアの目が少しトロンとしている。
ユージはユアを優しく抱きしめた。
「はぁ……ごめんね……水を拭かなきゃと思って夢中になっていたら…………」
大きく息を吐くユージ。
「いきなり激しかったよね……ごめんね……。ユア……嫌いにならないで……」
ユージはぎゅうっと、抱きしめる腕を少し強めた。
「……き 嫌いになるわけ……ございませんっ……」
ユアも抱きしめる腕を少し強める。
二人の体温は非常に熱くなっており、ほんのり汗をかいている。
ユージはユアの体をひょいっと持ち上げ、太ももから降ろし、ソファーに並んで座る体勢に戻った。
体をぴたりとくっつけ、幸せそうに微笑む二人。
幸せいっぱいのユアは、ふと、とんでもないことに気づいた。
マルーン国王とスカーレット王妃への挨拶がまだだということに……。
(うそ…………私……!!!)
一気に血の気が引くユア。あわてて口を開く。
「ユージ様!! 私っ……マルーン様とスカーレット様にご挨拶しておりません!!」
「うん、それでいいんだよ。挨拶は明日することになっているんだ」
「……えっ?」
ポカンとするユア。
(明日…………?)
「僕がお願いしたんだ。今日はユアと二人っきりでゆっくり過ごしたいって。父上も母上も僕に甘いよね。申し訳ないほどに、わがままを受け入れてもらっている。これからちゃんと返していかないとだ」
(そ……そうだったんだ……!)
「…………よかった…………」
すごくホッとした表情を浮かべるユア。
「ごめんね! そうか……言っていなかったね……! いやぁ……ユアがあまりにも愛おしくって……ごめんねユア……」
そう言ってユージはユアの唇を優しく塞ぐ。
「!!」
まだまだキスに慣れていないユアはすぐに体が強張ってしまう。顔からも熱が放出される。
そんなユアを見つめるユージ。
「はぁ……ユア……そんな可愛い顔して……。困るなぁ……もっと深いキスをしたくなる」
ちゅう
再びユージが優しく口づけると、
「でも我慢するよ、今はね」
そう言って優しく、甘く、微笑んだ。
「~~~~~~~っ!!」
顔だけでなく全身から熱を放出させるユア。
本格的にユアが熱をあげるのはまだ少し先のお話だ。
ユージの理性はいつまでもつのか……。
こうして、とろけるほど甘い幸せな生活が幕を開けたのだった。
ーーーfin.
「ふっ…………っ……………」
ユアは無意識にユージの腕を掴んでいた。
ユージの顔が胸元から離れ、目が合う二人。
ユアの目が少しトロンとしている。
ユージはユアを優しく抱きしめた。
「はぁ……ごめんね……水を拭かなきゃと思って夢中になっていたら…………」
大きく息を吐くユージ。
「いきなり激しかったよね……ごめんね……。ユア……嫌いにならないで……」
ユージはぎゅうっと、抱きしめる腕を少し強めた。
「……き 嫌いになるわけ……ございませんっ……」
ユアも抱きしめる腕を少し強める。
二人の体温は非常に熱くなっており、ほんのり汗をかいている。
ユージはユアの体をひょいっと持ち上げ、太ももから降ろし、ソファーに並んで座る体勢に戻った。
体をぴたりとくっつけ、幸せそうに微笑む二人。
幸せいっぱいのユアは、ふと、とんでもないことに気づいた。
マルーン国王とスカーレット王妃への挨拶がまだだということに……。
(うそ…………私……!!!)
一気に血の気が引くユア。あわてて口を開く。
「ユージ様!! 私っ……マルーン様とスカーレット様にご挨拶しておりません!!」
「うん、それでいいんだよ。挨拶は明日することになっているんだ」
「……えっ?」
ポカンとするユア。
(明日…………?)
「僕がお願いしたんだ。今日はユアと二人っきりでゆっくり過ごしたいって。父上も母上も僕に甘いよね。申し訳ないほどに、わがままを受け入れてもらっている。これからちゃんと返していかないとだ」
(そ……そうだったんだ……!)
「…………よかった…………」
すごくホッとした表情を浮かべるユア。
「ごめんね! そうか……言っていなかったね……! いやぁ……ユアがあまりにも愛おしくって……ごめんねユア……」
そう言ってユージはユアの唇を優しく塞ぐ。
「!!」
まだまだキスに慣れていないユアはすぐに体が強張ってしまう。顔からも熱が放出される。
そんなユアを見つめるユージ。
「はぁ……ユア……そんな可愛い顔して……。困るなぁ……もっと深いキスをしたくなる」
ちゅう
再びユージが優しく口づけると、
「でも我慢するよ、今はね」
そう言って優しく、甘く、微笑んだ。
「~~~~~~~っ!!」
顔だけでなく全身から熱を放出させるユア。
本格的にユアが熱をあげるのはまだ少し先のお話だ。
ユージの理性はいつまでもつのか……。
こうして、とろけるほど甘い幸せな生活が幕を開けたのだった。
ーーーfin.
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