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越えてはいけない境界線のその先は、メジャーだったのです。
END
しおりを挟むん?
あれ、ここ……は? ん、んん? ん~……あ、ああ~。ここ、生徒会の仮眠……
「お目覚めですか?」
うげ。聞きたくないバリトン悪魔ボイス。ホント、お目覚めだっていうのに、なんで第一声がこのすめら……
「誰?」
「皇です。坊ちゃん」
驚愕しました。思わず目を見開きました。だって……
え、え……、ええ?
シルバーの眼鏡に、黒の燕尾服に、白の手袋……って、いったらそれが意味することは僕の知る限りでは一つしかありませんでした。
「執事……やったんですか?」
「おかげで、携帯とカメラをすんなり渡してもらえましたよ」
「ん?」
「お前は、残されていた方が良かったですか?」
「え……あ、消去……してくれたんですか?」
皇君の言っている意味がわかりました。例の僕のメイド姿の写真でしょう。彼らの手の内に、残されたくなかったものです。それを見て、また笑われるのも嫌でしたし。
確かに、この執事バージョン皇君相手ならば、あの連中や他にも撮影していた連中は、大人しく自身の携帯やカメラを引き渡すことでしょう。だって、こんなに燕尾服がしっくりくる美形執事なんて、そうそういません。びっくりするほど似合ってます。笑い者の写真より、こちらの美形執事の方が、写真に残す価値があります。
ちょっとだけ感動してしまいました。
「皇君」
「はい」
「人……だったんですね」
それ以後、執事バージョンの皇君は、本物の執事になりきっているのか、気持ち悪いくらいに優しかったです。
体は綺麗に拭かれていましたし、服も制服……ではなく、なぜかジャージに着せられていました。そして目覚めた僕は、仮眠室から生徒会室のソファーに移されました。
それだけでなく……
「うわ……美味そうですね」
まあ、犯されて夕方まで寝てしまった僕に、少しでも悪いと思ってくれたということでしょうか? 模擬店で焼きそばやたこ焼き、フランクフルトにフライドポテト、クレープにジュースを買ってきてくれたのです。盛りだくさんですね。
疲れてお腹も空いていたので、これらはとてもありがたかったです……いや、元はといえばこの執事のせいなんですけど。
がっつりといきたかったので、まずは焼きそばから手をつけ始めました。んま~。
クッションが敷かれたソファーの上でもぐもぐと食べ始める僕の横に、皇君も腰を下ろしました。しばらくは僕の様子を見ていたようですが、焼きそばを半分ほど食べ終えると、僕が文化祭を回れなかったことについて尋ねてきました。なんでそんなことを聞くんでしょうかね?
「ん~、僕って、人混みが苦手なんですよね。だから回るよりは、こっちの方が嬉しいかもです」
「そうですか」
「ああ、でもお化け屋敷は行きたかったかな」
まぁ、文化祭は二日間ですし、明日坂本君とでも一緒に……
「明日、回りますか?」
へ?
執事バージョン皇君が、こちらを見ていました。
「皇君と……ですか?」
生徒会のお仕事は大丈夫なのかと尋ねると、会長も少しはお休みが必要なのだそうです。執事はそう言いました。
そうですね~。意外に坂本君、ホラーが苦手ですしね。一緒にお化け屋敷に入って、彼を怖がらせるのも楽しみだったんですが。
たまには違う人もいいですね。
「じゃあ、よろしくです」
僕は頷き、再び残りの焼きそばを食べ始めました。んま~。明日、他の店を回るのも、悪くないかもですね。楽しみです。
その翌日。
坂本君から、僕にセクハラをした連中が昨日のうちに何者かによってフルボッコを受けて救急車行きになったのだという、お化けよりも怖いお話を聞くこととなりました。
END.
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