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これぞ王道? 眼鏡転校生が現れました
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しおりを挟むうぅ~。寒いっ。なんでこんなに寒いんですか? 雪が降っているわけでもないのに、こうもビュービューと冷たい風が吹くなんて、健全な男子高校生でも風邪を引いてしまいます。妹の沙耶ちゃんはこんなに寒い中でも膝上のスカートを穿き続け頑張っているというのに、踝まで覆っているズボンを穿いているお兄ちゃんは負けそうです。負けてしまいそうな冬なのです。
そんな寒い、三学期に突入しました。
寮から学校までそんなに遠いわけではないけれど、外に出る時は必ず、コートとマフラーを身につけ寒さを防御するのです。同室者である皇君は涼しい顔していつもの学生服姿で郊外を出歩いていますけれど……風邪を引いて寝込んでしまえばいいのに。
ぶるぶると身体を震わせながら、校門を潜ると、背後から「おっはようございます! 平凡君っ♪」と、気持ち悪いぐらいご機嫌の友人、坂本君が僕に挨拶をしてきました。口を開けば口腔が冷えるので挨拶を返すのが正直億劫でしたが、日本人の礼儀として短くとも返しました。
「おはようです」
「んっふっふ~♪」
これは何かあったな。
彼の特技は情報収集。鼻歌を歌うほど機嫌が良い時は、自分にとって「萌え」る情報をキャッチしたときのみです。ぶっちゃけ僕はその内容は聞きたくないのですが、いかにも聞いてくださいとばかりにニヤつく表情がほんとに気持ち悪いので、しょうがないです。聞いてやりましょう。
「どうしました?」
「よくぞ聞いてくれました! 平凡君! ビッグニュースです!」
「ビッグニュース?」
「そうです!」
坂本君はそれはもう満面の笑みでこう言いました。
「転校生がやってくるのです!」
「転校生?」
僕は思わず聞き返してしまいました。転校生とな? 珍しい事があるものです。
僕の通う高校は全国でもそこそこ有名な進学男子校です。中学からのエスカレーター式なので、高校からの編入試験は倍率が高く、かなりの難関だと聞いています……ええ、僕は言わずもがな、中学からこの学校ですとも。
そんなウチの学校に、わざわざ――しかも、三学期が始まるというこんな時期に転校だなんて。よっぽどの学力がないと編入できません。
坂本君の情報に、ちょっとだけ興味が湧きました。
しかし、この重度の腐男子は。
「そうです! 我が進学校に転校生がやってくるのです! これはもう王道展開間違いなしです!」
「はぁ」
「反応薄いですね~。王道転校生といったら、生徒会ですよ!? 会長攻め×平凡君受けは大変に萌えるのですが、この時期に王道転校生登場で僕の脳内はもうお花畑です! 転校生受け萌え~!!」
このお墓畑脳の言っていることがよくわかりませんが、会長――つまり、あの皇君が三学期からくるという転校生に関心を持ってくれるのなら、僕としては嬉しい限りです。いや、その転校生君に魔の手がいくことを喜ぶのに罪悪感を抱かないわけではありませんが、皇君と離れられるのなら、僕はずずいと転校生君を差し出しちゃうのです。悪なのです。
しかし実際のところ、転校生君がやってくるだけで、そんなホモォな王道展開あるはずがないでしょうに。
「なんでもかんでもそっちに持っていくのはどうかと思いますよ。珍しくても転校生の一人くらい出てくるでしょう」
「わかってないですね~。わざわざ男子校に転校なんてホモォ以外にありえないでしょう!」
なんてドヤ顔してやがる。腹立つな、こんちくしょう。
「で、どんな子なんですか? もう情報を入手してるんでしょ」
「王道です!」
「は?」
「王道眼鏡っ子キタコレぇ!」
「この世に眼鏡男子がどれだけ存在していると思っているんですか」
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