【完結】ルームメイト〜僕と彼の関係〜

天白

文字の大きさ
27 / 51
これぞ王道? 眼鏡転校生が現れました

しおりを挟む

 ーーーー…




「いっつぅ」

「昨日はお盛んだったんですね~! そんな首元まできっちりかっちりボタンしめちゃうほど! きゃ~!」

「うっせぇぞ。この浮かれ腐男子が」

 昼休み。僕は腰を手で抑えながら、クリームパンを齧ります。クリームパンの甘さに少しだけ心が幸せになりますが、ぶっちゃけ腰の辛さがはんぱねえです。ケツの方も、これもう切れたんじゃないかと心配になるほど痛いです。それもこれも、あの悪魔の様な男のせいです。

 何が気に入らなかったのか、皇君は僕をいつも以上にぞんざいに扱いました。クリームパンはあの男のなけなしの優しさだったかと思いますが、パン一個で許せるほどの仕打ちではありません。本当にヤり殺されるかと思いました。しかも、いくら真冬とはいえ首元すれすれまで痕をつけまくりやがって! 今日が体育だったらどうすんだ!

 なけなしの優しさのセットである桃ジュース缶を掴み、ガラガラに枯れている喉を潤す様にそれを一気に飲み干すと、急に教室のドア近辺が騒がしくなりました。ん? どうしました?

「騒がしいですね。ちょっと僕、見てきますね」

 碌に立てない僕の代わりに、坂本君がそちらへ様子を見に行ってくれました。僕としてはそんなに騒ぎに関心はないのですが、この一人きりの間にクリームパンを楽しみましょう。購買の物とは思えない程、ここのクリームパンは美味しいのです。んま~。

 二口分を堪能したところで、急に僕の前にバタバタと騒がしく戻って来た坂本君。どうしました? 何やら血相を変えていますが。

「君、何をしでかしたんですか?」

「へ?」

「いま……今、すぐそこに。例の金髪転校生がやって来ていて……」

「金髪転校生?」

「君をご指名です」

「ふえ?」

 言っている意味がわからない。僕はぽかんと口を開けたまま、坂本君に首を傾げると、ふと自分の前に影が落ちました。くるりとそちらへ視線をやると、すごく高い位置からどこかで見た事のある金髪男子生徒が僕を見下ろしていました。って、でかっ!? しかもめっちゃ恰好いい!

 え? 僕、金髪で知ってる生徒はあの不良バージョンの皇君くらいなのですが、その彼よりもでかい金髪男子生徒(その上イケメン! でも何故か寝むそうな顔)なんて知り合いにいないです。そ、それにこの人、何やら怪我をしています。最近のものなのか、頬に冷却シートを貼っていて、口端も赤黒く切れています。何々? 喧嘩? 喧嘩ですか? 本当に知りませんよ! こんな不良さん!

「ねえ、アンタがヘーボン君?」

「ふあっ!? はいい!」

 思わず席から立ち上がり、直立してしまいました。腰の痛さ? ばっきゃろう! 命の方が大事じゃ!

 カチンコチンに固まった僕。それでも彼との身長差は十センチ以上は裕にあり。僕は彼を見上げますが、彼の方はと言うと。

「ふうん。まあ、これなら大丈夫か」

 と、何やら見定めているかのように僕をじろじろと見ています。な、何が? わっつ・はっぷん!?

「葉月っ。駄目だよ、いきなり他のクラスにズカズカと入ったら。クラスの子達、びっくりしてるよ」

「ごめん、柳。でも、この人なんだか具合悪そうだったし。ヘーボン君、座っていいよ?」

 ん? この声……

 金髪不良さんの背後から、とっても可愛らしい声が聞こえました。これは……この声は!?

「えっ!? ヘーボン君、具合悪いの? 大丈夫?」

 ぴょこっと。金髪不良さんの背中から顔だけ現わした、天使! 紫瞠君!

 ふわあ~! なんていう可愛さでしょう! 癒されます! 本当に同級生ですか!?

 と言うか……ん? 紫瞠君。この金髪不良さんとどういう関係?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

色欲も時代には勝てないらしい

もにゃじろう
BL
前世で恋人だった運命の人に、今世では捨てられてしまった祐樹。前世で愛してくれた人は彼以外誰もいないのだから、今後僕を愛してくれる人は現れないだろう。その事を裏付けるように、その後付き合う人はみんな酷い人ばかりで…………。 攻めがクズでノンケです。 攻め・受け共に、以外とのキスや行為を仄めかす表現があります。 元クズ後溺愛×前世の記憶持ち

鬼ごっこ

ハタセ
BL
年下からのイジメにより精神が摩耗していく年上平凡受けと そんな平凡を歪んだ愛情で追いかける年下攻めのお話です。

平凡な僕が優しい彼氏と別れる方法

あと
BL
「よし!別れよう!」 元遊び人の現爽やか風受けには激重執着男×ちょっとネガティブな鈍感天然アホの子 昔チャラかった癖に手を出してくれない攻めに憤った受けが、もしかしたら他に好きな人がいる!?と思い込み、別れようとする……?みたいな話です。 攻めの女性関係匂わせや攻めフェラがあり、苦手な人はブラウザバックで。    ……これはメンヘラなのではないか?という説もあります。 pixivでも投稿しています。 攻め:九條隼人 受け:田辺光希 友人:石川優希 ひよったら消します。 誤字脱字はサイレント修正します。 また、内容もサイレント修正する時もあります。 定期的にタグ整理します。ご了承ください。 批判・中傷コメントはお控えください。 見つけ次第削除いたします。

幼馴染は僕を選ばない。

佳乃
BL
ずっと続くと思っていた〈腐れ縁〉は〈腐った縁〉だった。 僕は好きだったのに、ずっと一緒にいられると思っていたのに。 僕がいた場所は僕じゃ無い誰かの場所となり、繋がっていると思っていた縁は腐り果てて切れてしまった。 好きだった。 好きだった。 好きだった。 離れることで断ち切った縁。 気付いた時に断ち切られていた縁。 辛いのは、苦しいのは彼なのか、僕なのか…。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

バーベキュー合コンに雑用係で呼ばれた平凡が一番人気のイケメンにお持ち帰りされる話

ゆなな
BL
Xに掲載していたものに加筆修正したものになります。

淫愛家族

箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。 事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。 二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。 だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――

処理中です...