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これぞ王道? 眼鏡転校生が現れました
END.
しおりを挟むしかし仲が良いですね、紫瞠君と片岡君は。友達なのかな? 一緒に転校してきたこともそうですが、もしや同じ学校から移ってきたんでしょうか? この特進クラスに? すげえな、この二人。
片岡君は紫瞠君の頭を撫で撫で、僕と坂本君に言いました。
「まあ、柳がさっそくできたっていう友達がこの二人なら安心だ。どうぞ今後とも、柳をよろしくね」
まるで保護者の様に頭を下げる片岡君。なるほど。どうやら昨日紫瞠君と友達になった僕達がどんな人間なのかを見極めるために、先ほど僕達の教室に来たというわけですね。合点がいきました。心配性なんですね、片岡君は。
「あ、はい。こちらこそ、宜しくです」
「僕も宜しくですよ」
僕はようやく皇君からヘッドロックを解除され、ふらふらになった頭をペコリと下げました。坂本君も同様に、笑みを浮かべてです。
しかしその後に出た片岡君の台詞が。
「でも、柳が可愛いからってあんまりベタベタ触れないでね。ムカつくから」
「へっ?」
に、睨まれました? 僕、今睨まれました? 片岡君は紫瞠君をぎゅっと抱きしめて、僕達に言いました。や、やっぱり片岡君って、ちょっぴり怖い?
僕がちょっと後ずさり、ついつい傍にいる皇君の裾を握ってしまい、それに気づいた皇君が僕の腰を抱いて自身の傍に引き寄せる様にした時です。片岡君の膝の上で、もぞもぞと動く小動物こと紫瞠君が、照れたように片岡君を見上げて言いました。
「あのね、葉月。そろそろ膝から下ろしてもらえると嬉しいんだけど。これ、ちょっと恥ずかしいし」
「やだ」
やっぱり恥ずかしいんですね、紫瞠君。でも片岡君は紫瞠君を離す気がないようです。紫瞠君のお腹に手を回したまま、ぎゅっと抱きしめています。やっぱりこの二人、どんな関係?
その疑問を七海君も抱いていたのか、にこにこと恐れることなく二人に投げかけました。
「なんだか羨ましいな~。紫瞠君と片岡君って同じ学校からこの学校に転入してきたんだよね? 一体どんな関係なの?」
何が羨ましいのかわからない七海君に、紫瞠君がにこにこと答えます。
「葉月とは友達だよ。中学の時からの。ね?」
「俺は友達以上だと思っているけれど?」
「クワシ……「やかましい! 腐男子!」さっきから会長に腰抱かれている平凡受け萌えー!」
萌えんな! つうかこの魔王皇! いい加減に腰離せコラ! もう怖くないわ!
僕が皇君の腕をぐいぐい離そうと試みますが、なんという力でしょう。ビクともしません。ええ。決して僕の腕っ節が弱いわけではなく、この男の力が馬鹿がつく程強いってだけの話なのです。ホント離して恥ずかしいから、お願い。
けれど、そんな僕を置いて、坂本君がウキウキと二人に質問を続けます。
「しかし今回の転校は急でしたね。揃って特進クラスだなんて」
その問いに対し、片岡君が答えました。
「俺は柳が転校するって決まったから、追いかけてきただけ。柳がここに転校だなんて話にならなかったら、ここにはいない」
ん? ってことは、今回の転校については紫瞠君が発端で、片岡君は特にこの学校に拘っていなかったって事でしょうか? にしてもこんな進学校の特進クラスに、しかも編入試験に一発合格するだなんて、すげえな!
若干興奮気味にもなる事実に、今度は紫瞠君を見ます。さてさて、紫瞠君は一体どんな理由でこの学校に転入となったのでしょう?
紫瞠君が僕達に、にっこりと微笑みながら答えました。それはもう、天使の様な可愛い微笑みで。
「僕はね。僕の旦那さまがこの学校に転校して欲しいって言ったから、試験を受けて転入したの」
「へ? 旦那様?」
聞き間違えでしょうか? 今、紫瞠君が理解不能の事を言いました。いや、言ったような気が? 気のせい?
旦那様? 紫瞠君、どこかに仕えているんでしょうか? 旦那様? はて。やっぱり聞き間違えて……
「僕ね、結婚してるから」
「「クワシク!!」」
ついつい、腐れ縁である腐男子と声をハモらせて尋ねてしまいました。
ちなみに、この紫瞠君が実は坂本君の言う王道眼鏡っ子転校生設定よりもぶっ飛んでいて、また彼の言う旦那様っていう人がこれまた僕を……いや僕達を、とんでもなく驚かせる人なんだと知る事になるのは別の……いえ、もう少しだけ先のお話です。
END.
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