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王道と非王道の違いが未だにわかりません
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しおりを挟むざまーとあざ笑うには、あまりに不憫過ぎる展開ですね。かといって、腕力の無い僕では太刀打ちどころか秒でのされてしまう気が……
「んだよ、シケんな。お前ら三人ともさっさと出て行けよ」
「てかよぉ、ぶっちゃけあの会長も何が良くてこんな野郎をセフレにしたんかね? どっからどうみても普通じゃん。オエッ」
んだとコラァ!? 普通じゃん、までは許せても最後の嗚咽はなんだ!!
「平凡君。どうどうですよ」
「わかってますよ。僕が怒ったところでこの三人衆にボコボコにされるだけです」
「何とか隙をついて逃げ出せればいいのですが……君、元コーラス部の力で何とかならないのですか? 悪人だけに効果のある超音波を発揮するとか。眠らすとか。瀕死に至らしめるとか。ほら、ほろびのう……」
「どこのモンスターGOですか。それはもう僕のアイデンティティーが壊れるどころの話じゃなくなります」
ああもう、本当に余計なことをしてくれやがったなあのチワワ軍団。このまま見過ごしてしまったら後味悪いに決まっているじゃないですか。だってもう奴等、おっ勃ててんですよ。ジャージの上からでもわかりますもん。いくら若いからってそんなにすぐ戦闘態勢に入れるものですか? あのバ会長だってすぐには……ん? あ、いや……入れる、のか?
「よく見たら、そこの眼鏡のチビ。結構いいツラしてるな?」
「えっ!?」
もたもたとしている内に三人衆の中の一人がお弁当箱を掲げたままの紫瞠君にロックオンをしてきやがりました! しまった!
元凶となったチワワはともかく、無垢な紫瞠君だけは絶対に逃がしてあげなければなりません。坂本君はいいんです。放っておいても何とかなるでしょうから。
僕がサッと紫瞠君を自分の背中に隠すとチッと舌打ちをされましたが、構わないのか捕まえたチワワのシャツを捲り上げました。薄っぺらい胸が晒されると、チワワが青ざめた顔に変わりました。
「やだっ、やめてっ!」
「あん? 俺らをコキ使おうとしたんだろ? それなりの報酬はあって然るべきじゃね?」
「いいじゃんよ。どうせ会長をオカズにしてアンアン妄想してんだろぉ? 代わりに俺らがブチ込んでやるからよ。楽しもうぜ?」
「やだあぁっ!」
泣きじゃくる声を耳にして、僕は思わず三人衆に声を掛けてしまいました。
「あ、あ、あのっ! だからって、それは良くないと、お、思いますっ! は、犯罪ですよっ」
チワワ軍団に対しては慣れてきたものの、こういった不良さん連中相手は正直怖いです。逃げたいです。ずらかりたいです。電光石火したいです。
でも……でも! 上擦りながらでも、どもりながらでも! 声を掛けずにはいられませんでした。だって無理やり致されるというのは、本当に怖いんです。本当に泣いてしまうんです。本当に……本当に……!
「ああ?さっさと行けつってんだよ、ゴルァ!」
「んとに犯すぞ! ボケがぁ!」
本当に……!!!
「だから良くないっつってんだろうが、てめえら犯罪者になる気かゴルアアアアア!!!」
るあー。るあー。るあー。エコー……。
ビリビリと震える空気。耳を塞いで蹲る三人と一匹。そして……
「ヘ、ヘ、ヘーボン君っ……声、す、すごい、ねっ」
「あ、元コーラス部だったんです。えへ」
同じく両耳を塞いで感心する紫瞠君に、照れながらもカミングアウトしました。
すでにこうなることを予測していたらしい坂本君は耳の穴に指をしっかりと突っ込んで防いでいやがりましたが、最もなことを発言してくれました。
「そんなことをカミングアウトしている場合じゃないですよ、お二人とも! とっとと逃げますよー!!」
「待てゴラー!!!」
僕たちはその場から全速力で逃げ出しました。紫瞠君がせっかく作ってくれたお弁当箱は、男子トイレ前の廊下に置いていってしまうという羽目になってしまったのですが。
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