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王道と非王道の違いが未だにわかりません
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しおりを挟む「見つけたぞ、てめえら……!」
「散々逃げ回りやがって、覚悟は出来てんだろうなあ!?」
「ああ!?」
突如、ぬうっと出てきたのはあの強面三人衆。うそっ!? 強面三人衆揃ってこっちに来ちゃったの!?
「紫瞠君っ、逃げて下さいっ!」
「ぐあっ!?」
「ヘーボン君っ!?」
僕は強面三人衆の一人にありったけの力でタックルをかましました。せめて紫瞠君だけは助ける! その思いだけで突っ込むことが出来たんです。
ですが、それは三人の内の一人を抑えただけのこと。後先考えずにしたことなので、無事だった他の二人の内の一人が僕を捩じ伏せ、もう一人が紫瞠君を捕らえました。
「いい度胸じゃねえか。会長の便器の癖によぉ!」
「離してあげてくださいっ! 彼は関係ありません!」
「煩せえ! 便器!」
誰が便器じゃ!
ぎゃあぎゃあ騒ぎ立てるも力じゃどうにも敵いません。せめて……せめて紫瞠君だけはっ……!
「は、離してっ!」
「へへ。やっぱり結構可愛いツラしてんじゃねえか。しっかし眼鏡が邪魔くせえな」
ジタバタと暴れる紫瞠君。ですが相手との体格差がありすぎです。非道にも、紫瞠君の掛けている眼鏡を乱暴に取り払ってしまいました。
「やっ、僕の眼鏡っ……返して!」
「うるせえ、バーカ」
くっそ~! 僕にもっと……もっと力があれば~!! 悔しくてぎゅっと瞼を瞑りました。その時……
「がっ!?」
「え?」
短い呻き声と共に、地面に叩きつけられる鈍い音が聞こえました。何? と、その方向を見ると、紫瞠君を捕らえていた連中の一人が背中を地面にして寝転んでいます。え、何? こけたの?
他の連中も同じだったのか、寝転ぶお仲間に対し。
「お前、何やってんだ?」
と、聞いています。お間抜けな姿の寝転んでいるその人は、逆ギレしながら叫びました。
「し……知るかよっ! いきなり身体がぐるっと回ったんだよ!」
何を言っているのでしょう? 身体が回っただなんて、そんなのバク転でもしない限り有り得ないでしょうに。
それよりも紫瞠君は!? 心配する僕は紫瞠君のいる方向へ視線を向けると、眉をぎゅっと真ん中に寄せて怒った表情を浮かべながら三人衆を睨んでいました。そして右手を差し出しながら。
「僕の眼鏡、返して」
と、静かに言いました。眼鏡は無惨にも、地面にひっくり返って落ちていました。それをあろうことか。
「あ? 眼鏡ってこれか……よっ!」
僕を捕らえている奴が紫瞠君の眼鏡に気付いてそれを拾い上げたかと思うとスパイクの付いた靴底でグシャリと踏みつけたのです。なんてことをしやがる!!
「ぼ、僕の……眼鏡……」
紫瞠君は粉々に割れたレンズと、変な方向へと曲がってしまったフレームを見つめながら、わなわなと震え出しました。酷い。酷すぎます!
「あんたら、紫瞠君に謝れ!」
「うるせえ! ぶっ殺すぞ!」
「んだとー!!」
再びぎゃあぎゃあと騒ぎ立てますが、僕は何も出来ませんでした。
ええ、僕はです。
「何してくれたんだ、こんにゃろー!!!」
この怒号の主が僕の大好きな天使だと気付くのにかかった時間は、短いようで長かったです。
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