【完結】ルームメイト〜僕と彼の関係〜

天白

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王道と非王道の違いが未だにわかりません

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「彼が私を覚えていれば、ぜひとも一戦を交えてみたかったのですが……残念ながら彼は私を覚えていませんでした」

 金髪カラコン装備になった皇君が、残念そうに溜め息を吐きました。この様子は珍しいですね。本当に紫瞠君とやり合いたかったのか。それともヤり合いたかったのか……だ、駄目です、駄目です! 紫瞠君は天使なんですから。こんな獣の手に掛けるわけにはいきません! それに紫瞠君には旦那様とやらがいらっしゃいますしね。大切だと言っていたあの笑顔は、悔しいけれど本当に本当なのでしょう。完全に皇君の一方通行です。

 僕は言ってやりました。

「残念ですね。皇君の片想いですよ」

「お前の頭は猿以下ですか」

「なんだとぉ!?」

 猿以下とはなんだ!

 怒る僕を他所に、皇君は心底馬鹿にするように吐き捨てました。

「私が彼に懸想をしているとでも? 馬鹿馬鹿しい。頭が残念だとは前々から感じていましたが、ここまでとは……」

 そこまで!? そこまで卑下するか!? 僕だって本当に皇君の片想いだなんて思ってませんよ。皇君の好き好き大好き状態だなんてドン引きもんじゃないですか。

 なんだかとても腹立たしかったので、僕はやれやれと頭を振って大袈裟に言ってやりましたよ。

「それもそうですね。皇君に好きな人が出来るなんてそれこそ考えられませんし、そんなことが起きようものなら天変地異ものですもんね」

 この魔王が誰かを好きになるだなんて、そんな人間らしいことあるわけがない!

 すると皇君はすうっと目を細めながら、僕に向かって静かに言いました。

「お前、馬鹿にしているのですか?」

「ほ、本当のことでしょう? もしいるのでしたら、そ、その人の名前でも言ってみてくださいよっ」

 うおっ、見た目が不良さんモードになってるからか睨まれると超怖ぇ。僕はベッド上の枕を抱きしめながら言い返しました。声は上擦りましたが。

 皇君は暫し、僕を睨んだ後に「チッ」と舌打ちをしてきました。んもー、柄悪いなぁ。

 でも、舌打ちをして言い返さないところを見ると、もしかして本当に好きな人がいるということなのでしょうか? それなら、僕なんかを相手にせず、その人に告白でも何でもしちゃえばいいのに。皇君程の男なら、猫さえ百匹ほど被っていればコロッといっちまいそうなもんなのに。

「お前、思っていることは口に出さない方がいいですよ」

「え?」

 おっとっと。思っていたことが口に出ちゃってましたか。今さら塞いでも遅いでしょうが、口元に両手を宛がいました。
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