【完結】「奥さまは旦那さまに恋をしました」〜紫瞠柳(♂)。学生と奥さまやってます

天白

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初夜でした

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 トルルル…… トルルル……

 と。

 唐突に始まり、そして話が思い切りズレ始め、収拾がつかなくなったこの夫婦(?)喧嘩。

 そしてそれに割り込むように鳴り出したコール音は、寝室いっぱいに響き渡った。

「……」

「……」

 僕はむっと頬を膨らませながら、そして海さんは額を抑えながら、部屋に設置されている電話機を睨みつけた。

 なんでこんなことになるかなぁ!?

 数回会っただけの男の人と結婚して、ご飯食べて、ホテルに泊まって、エッチなことされて、いつのまにか寝ちゃっただけなのに!

 しかも電話!

 なんてタイミングがいいんだ!

 こんにゃろう!!

 しかし、睨んでいてもコール音が空気を読んで鳴りやむわけがない。

 僕たちは視線を電話機からお互いへと戻し、一時休戦だと無言で確認を取った後、もう一度電話機へと視線を戻した。

 そして海さんが静かに受話器を取る。

 とても億劫そうだった。

 すると、とんでもなく大きな声が海さんの手にする受話器から発声された。

『この野郎!! 私の可愛い柳ちゃんを奪った悪漢めー!! もう食っちまったんじゃないでしょうね!! このエフェボフィリアがァ!!』

 甲高くヒステリック気味な声。

 電話口の向こう側にいる御仁はどうやら女性のようだ。

 でも、言葉づかいがすごく悪い。

 ホテル内に設置されてる電話って、外部からかかるもんだっけ? てっきり、フロントからのコールだと思ったんだけど。

『聞こえてるの!? ちょっと、柳ちゃんに換わりなさい!!』

 それに、この電話の相手。

 突然の怒号でさっきは気付かなかったけど、僕の知り合いっぽい。

 いや、知り合い確定だね。向こうはさっきから僕の名前を呼んでるし。

 僕も貴女のことをよく知ってるよ。

 そして、偶然にも?

「訂正させていただきますが。私はエフェボフィリアなどではありませんよ」

 僕の旦那さまも、知っている人物だったらしい。

 耳元から少しだけ受話器を離しながら、淡々とした口調で窘める。

「強靭なのはいいことですが、少々声量を落として頂けますか? そこはフロントでしょう?」

 あ、やっぱりフロントだったんだ。

 ということは、彼女はホテルのフロントで叫んでいるということらしい。

 うわ~。思い切ったことするなぁ。

「礼儀を弁えないのは如何なものかと思いますよ。魅色みいろ

 すごいよ。魅色ちゃん。
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