35 / 184
女神の愛したうさぎ
5
しおりを挟む
ハーゼとして中央教会へ来てからすでに五年は経過していたのに、ハーゼの身長はほとんど伸びてはいなかった。栄養不良で手足は細く、数歩の距離を時間をかけてなんとか歩ける、という有り様であった。
そんな状態のハーゼを、ゲルトは腕に抱いて山へと連れて行った。ハーゼは軽かった。ハーゼよりもむしろ、背負い籠の反物の方が、重量があった。
ゲルトは途中でハーゼを降ろし、水と、ほんの数口のパンを与えた。
パンはすぐになくなった。
ハーゼはもっと欲しそうな素振りを見せた。
「だから私は言いました。もう少し先へ行くと山ぶどうの実がありますよ、と」
食べられますか、とハーゼが問うた。
食用の実です、ハーゼ様のお腹がいっぱいになるほどたくさんなってますよとゲルトは答えた。
ハーゼは山道を歩きだした。すぐに木の根につまづいて膝をついた。ハーゼはそのまま四つん這いで移動した。
傾斜の強い山道だ。
危ないですよ、とゲルトが言った。
しかしその忠告は遅かった。ハーゼの小さな体は、険しい山道を転がり落ちていった。
「私はすぐにハーゼ様を探しましたが、見つかりませんでした」
ゲルトの告解は、そう締めくくられた。
完全なる未必の故意だ。
ユリウスは激しい怒りに、目眩を起こしそうになった。
あまりの仕打ちにロンバードも声を失っている。
ユリウスは男の背から足を退けた。
もはや言葉もなかった。
「もういい。ロンバード。刑吏を呼べ」
「はっ」
「待ってくださいっ! 殿下! 約束したではないですか! 私が話せば、私の要望を聞き届けてくださると!」
「もういいと言っただろう。もういい。きみとはもう話したくない」
ユリウスが男の発言を跳ねのける。その足元にゲルトが這いより、縋りつくようにユリウスを見上げてきた。
左頬が腫れ、殴られた拍子に切れた唇からは血が流れていた。
「殿下っ! デァモントには他国からの介入が必要です! どうか、どうか信者たちを救ってはくれませんか! 私では無理なのです! 教皇様に背くことはできないのです!」
男の懇願を、ユリウスは一蹴した。
「子どもは殺せて、教皇に盾突くことはできないのか。ご立派なことだな」
「私が殺したわけじゃないっ! それによしんば私の奸計でおいのちを落とされていたとしても、ハーゼ様は神の眷属! 幾度でもよみがえるではないですかっ!」
ゲルトはユリウスの足を掴んで言い募った。それをロンバードが引きはがし、ブンと投げ飛ばした。
床を転がった男はそれでもまたユリウスの足元へと這い戻り、必死の形相で手を伸ばしてきた。
「殿下! 取引はここからです! 私はまだすべてを話していない! ハーゼ様についてのすべてを!」
「きみとは話にならない。もういいと、僕に何度言わせるつもりだ」
ユリウスは不快に眉を寄せた。
信仰とはここまでひとを狂わせるものなのか、といううそ寒い気持ちと嫌悪感が、ユリウスの皮膚をぞわりと粟立てる。
ロンバードが男の襟首を掴み、もう一度放り投げようとした。
それに抗いながら、ゲルトが叫んだ。
「五感が弱いから殺そうとしたのか、とあなたは私へ言いましたね、殿下! あなたはなにもわかってない! ハーゼとは、そういうものなのです!」
「…………なんだって?」
意味を掴み損ねて、思わずユリウスは問いかけていた。
ゲルトの目に力が宿った。
「ハーゼ様について、私はまだすべてを語っていないと申し上げました」
「……話せ」
「殿下。取引を」
「確約はしない。きみの話の内容次第だ」
「充分にございます」
深々と頭を下げて、男は礼を述べた。
勝算があるかのような口ぶりだ、とユリウスは思った。
まるでユリウスが必ず、ゲルトの思い通りに動くと考えているかのような……。
聞かないほうがいいか、という迷いが生まれる。
しかしリヒトに関する情報だ。知りたい。どうしても知りたい。
ユリウスはチラとロンバードを見た。
ロンバードも眉をしかめ、苦い表情をしている。
助言のしようがないのか、側近は顎をさすり、広い肩を竦めた。
床に平伏したままのゲルトが、ユリウスの迷いが晴れぬ内に話し始めた。
「ハーゼ様は、デァモントの象徴です。清貧、勤勉、平等を体現する御方です」
すでに幾度も耳にした言葉だった。
「殿下は、ハーゼ様の選定の儀をご存知ですか」
不意に問われ、ユリウスは曖昧に頷いた。
金の目と銀の髪を持つ子どもはハーゼの生まれ変わりとして、二歳で中央教会に迎えられる。
そのとき、先代のハーゼが使っていた品々が関係のない物と一緒に並べられ、子どもはそこから先代の使用していたものを選ぶのだと、ヤンスからは聞いていた。
ユリウスの答えに、ゲルトが頷いた。
「これまでのハーゼ様はどの御方も、ひとつも違えることなく先代の品物を選んだと伝わっております。もちろん、当代のあの方も」
あの方、とゲルトが言うのはリヒトのことだ。
ユリウスはその様子を少し想像してみた。
たくさんの物が並ぶ中で、先代が愛用していた寝具や衣類を選ぶ、リヒトの姿を。
「……?」
ユリウスは怪訝に眉を寄せた。いま、なにかが引っかかった。それを見失わないように手繰り寄せる。
「先代の品物を選んだ? 自分の目で、選ぶのか?」
「さようでございます」
ゲルトが頷いた。
とすると……。
「当時、リヒトの目は見えていたということか」
ユリウスはそう呟き、ロンバードと顔を合わせた。
ユリウスの指摘に、ロンバードがぎょっとしたように目を丸くした。
そんな状態のハーゼを、ゲルトは腕に抱いて山へと連れて行った。ハーゼは軽かった。ハーゼよりもむしろ、背負い籠の反物の方が、重量があった。
ゲルトは途中でハーゼを降ろし、水と、ほんの数口のパンを与えた。
パンはすぐになくなった。
ハーゼはもっと欲しそうな素振りを見せた。
「だから私は言いました。もう少し先へ行くと山ぶどうの実がありますよ、と」
食べられますか、とハーゼが問うた。
食用の実です、ハーゼ様のお腹がいっぱいになるほどたくさんなってますよとゲルトは答えた。
ハーゼは山道を歩きだした。すぐに木の根につまづいて膝をついた。ハーゼはそのまま四つん這いで移動した。
傾斜の強い山道だ。
危ないですよ、とゲルトが言った。
しかしその忠告は遅かった。ハーゼの小さな体は、険しい山道を転がり落ちていった。
「私はすぐにハーゼ様を探しましたが、見つかりませんでした」
ゲルトの告解は、そう締めくくられた。
完全なる未必の故意だ。
ユリウスは激しい怒りに、目眩を起こしそうになった。
あまりの仕打ちにロンバードも声を失っている。
ユリウスは男の背から足を退けた。
もはや言葉もなかった。
「もういい。ロンバード。刑吏を呼べ」
「はっ」
「待ってくださいっ! 殿下! 約束したではないですか! 私が話せば、私の要望を聞き届けてくださると!」
「もういいと言っただろう。もういい。きみとはもう話したくない」
ユリウスが男の発言を跳ねのける。その足元にゲルトが這いより、縋りつくようにユリウスを見上げてきた。
左頬が腫れ、殴られた拍子に切れた唇からは血が流れていた。
「殿下っ! デァモントには他国からの介入が必要です! どうか、どうか信者たちを救ってはくれませんか! 私では無理なのです! 教皇様に背くことはできないのです!」
男の懇願を、ユリウスは一蹴した。
「子どもは殺せて、教皇に盾突くことはできないのか。ご立派なことだな」
「私が殺したわけじゃないっ! それによしんば私の奸計でおいのちを落とされていたとしても、ハーゼ様は神の眷属! 幾度でもよみがえるではないですかっ!」
ゲルトはユリウスの足を掴んで言い募った。それをロンバードが引きはがし、ブンと投げ飛ばした。
床を転がった男はそれでもまたユリウスの足元へと這い戻り、必死の形相で手を伸ばしてきた。
「殿下! 取引はここからです! 私はまだすべてを話していない! ハーゼ様についてのすべてを!」
「きみとは話にならない。もういいと、僕に何度言わせるつもりだ」
ユリウスは不快に眉を寄せた。
信仰とはここまでひとを狂わせるものなのか、といううそ寒い気持ちと嫌悪感が、ユリウスの皮膚をぞわりと粟立てる。
ロンバードが男の襟首を掴み、もう一度放り投げようとした。
それに抗いながら、ゲルトが叫んだ。
「五感が弱いから殺そうとしたのか、とあなたは私へ言いましたね、殿下! あなたはなにもわかってない! ハーゼとは、そういうものなのです!」
「…………なんだって?」
意味を掴み損ねて、思わずユリウスは問いかけていた。
ゲルトの目に力が宿った。
「ハーゼ様について、私はまだすべてを語っていないと申し上げました」
「……話せ」
「殿下。取引を」
「確約はしない。きみの話の内容次第だ」
「充分にございます」
深々と頭を下げて、男は礼を述べた。
勝算があるかのような口ぶりだ、とユリウスは思った。
まるでユリウスが必ず、ゲルトの思い通りに動くと考えているかのような……。
聞かないほうがいいか、という迷いが生まれる。
しかしリヒトに関する情報だ。知りたい。どうしても知りたい。
ユリウスはチラとロンバードを見た。
ロンバードも眉をしかめ、苦い表情をしている。
助言のしようがないのか、側近は顎をさすり、広い肩を竦めた。
床に平伏したままのゲルトが、ユリウスの迷いが晴れぬ内に話し始めた。
「ハーゼ様は、デァモントの象徴です。清貧、勤勉、平等を体現する御方です」
すでに幾度も耳にした言葉だった。
「殿下は、ハーゼ様の選定の儀をご存知ですか」
不意に問われ、ユリウスは曖昧に頷いた。
金の目と銀の髪を持つ子どもはハーゼの生まれ変わりとして、二歳で中央教会に迎えられる。
そのとき、先代のハーゼが使っていた品々が関係のない物と一緒に並べられ、子どもはそこから先代の使用していたものを選ぶのだと、ヤンスからは聞いていた。
ユリウスの答えに、ゲルトが頷いた。
「これまでのハーゼ様はどの御方も、ひとつも違えることなく先代の品物を選んだと伝わっております。もちろん、当代のあの方も」
あの方、とゲルトが言うのはリヒトのことだ。
ユリウスはその様子を少し想像してみた。
たくさんの物が並ぶ中で、先代が愛用していた寝具や衣類を選ぶ、リヒトの姿を。
「……?」
ユリウスは怪訝に眉を寄せた。いま、なにかが引っかかった。それを見失わないように手繰り寄せる。
「先代の品物を選んだ? 自分の目で、選ぶのか?」
「さようでございます」
ゲルトが頷いた。
とすると……。
「当時、リヒトの目は見えていたということか」
ユリウスはそう呟き、ロンバードと顔を合わせた。
ユリウスの指摘に、ロンバードがぎょっとしたように目を丸くした。
185
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻本作品(オリジナル)の結末をif(運命の番)ルートに入れ替えて、他サイトでの投稿を始めました。タイトルは「一度目の結婚で愛も希望も失くした僕が、移住先で運命と出逢い、二度目の結婚で愛されるまで」に変えてます。
オリジナルの本編結末は完全なハッピーエンドとはいえないかもしれませんが、「一度目の〜…」は琳が幸せな結婚をするハッピーエンド一択です。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
新年に余り物でおせちを作ったら、冷酷と噂の騎士団長様に「運命の番」だと求婚されました
水凪しおん
BL
料理人だった俺が転生したのは、男性オメガというだけで家族に虐げられる不遇の青年カイ。
新年くらいはと前世の記憶を頼りに作ったのは、この世界にはない『おせち料理』だった。
それを偶然口にしたのは、氷のように冷酷と噂される最強の騎士団長リアム。
「お前は俺の運命の番だ」
彼の屋敷に保護され、俺の作る料理が彼の心を溶かしていく。
不器用で、だけどまっすぐな愛情を注いでくれる彼と、美味しい料理で紡ぐ、甘くて温かい異世界スローライフ。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
悪役令息(Ω)に転生した俺、破滅回避のためΩ隠してαを装ってたら、冷徹α第一王子に婚約者にされて溺愛されてます!?
水凪しおん
BL
前世の記憶を持つ俺、リオネルは、BL小説の悪役令息に転生していた。
断罪される運命を回避するため、本来希少なΩである性を隠し、出来損ないのαとして目立たず生きてきた。
しかし、突然、原作のヒーローである冷徹な第一王子アシュレイの婚約者にされてしまう。
これは破滅フラグに違いないと絶望する俺だが、アシュレイの態度は原作とどこか違っていて……?
隠れオメガの整備士は自由になりたい。なのに暴走する最強騎士を身体を張って止めたら、運命の番だとバレて過保護な専属契約を結ばされました
水凪しおん
BL
※オメガバース設定。激しい戦闘描写や、執着攻めによるマーキング描写、軽度の性的な接触の描写がありますので、15歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。
汚染された惑星を浄化する生体兵器『機装(ギア)』。
その搭乗者は優れた能力を持つ『アルファ』に限られ、彼らの精神を安定させる鎮静剤として『オメガ』が存在する世界。
整備士のエリアンは、オメガであることを隠し、ベータと偽って軍の最前線で働いていた。
オメガは道具のように扱われるこの社会で、自由を守るための必死の嘘だった。
だがある日、軍最強のエリートパイロット・クレイドの機装が暴走する事故に遭遇する。
死を覚悟して止めに入ったエリアンだったが、暴走する機体はなぜか彼にだけ反応し、沈静化した。
それは、隠していたオメガのフェロモンが、クレイドと強烈な『共鳴』を起こした瞬間だった。
「見つけた。俺の対になる存在を」
正体がバレたと戦慄するエリアンに対し、冷徹なはずのクレイドが向けたのは、処罰ではなく執着に満ちた熱い視線で……?
孤独なエリート騎士×身分を隠した健気な整備士。
星の命運と本能が交錯する、近未来SFオメガバース!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる