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リヒト⑯
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「リヒト、ベッドに戻ろうか」
ユーリ様が僕を抱っこしたまま寝室へと引き返してゆく。
ちょっとの時間、部屋を空けていただけなのに、シーツも布団もピシっと整えられていた。
サイドテーブルには新しい水差しとグラスが用意されていて、その横にはさっきの哺乳瓶が置かれている。丸いテーブルも運び込まれていて、そこにはガラスの器がいくつも用意されていた。それぞれにお花の形のゼリーや、果物のたくさん載ったプリンが入ってる。
サデスさんが作ってくれたのかな。
ユーリ様が僕を後ろから抱える形でベッドに座らせて、プリンの器を手に取ると、当然のように僕の口元に運んできた。
「はい、リヒト。あ~んして」
言われるがままに口を開けてから僕は、
「ぼく、じぶんでたべれます」
とユーリ様に伝えた。
だけどユーリ様は笑うばかりでスプーンを僕に渡してくれなかったので、僕は結局プリンひとつをユーリ様にすべて食べさせてもらった。
もぐもぐと口を動かしている最中も、頬がぽっぽと熱かった。
ユーリ様とあんまりくっついているから、恥ずかしくて顔が熱いのだと思ったけど、なんだか体も火照っている。
はふ……と息を吐いたら、ユーリ様が両目を細めてじわりと微笑まれた。
「リヒト、どこまで覚えてる?」
どこまで……と問われて記憶を辿る。
「ぼくに、ひーとがきて……ゆぅりさまにかんでもらって、えっと、それから……」
それからどうなったんだっけ?
「あれから四日経ったんだよ」
サラっと告げられたそれは、衝撃の事実だった。
四日! 僕は四日も寝ていたのかしら。
驚いてそう尋ねたら、ユーリ様が違うよと首を振る。
「寝てたんじゃなくて、僕と繋がってたんだよ、リヒト。ここに僕を受け入れたこと、忘れちゃった?」
僕のお腹を、ユーリ様のてのひらが撫でてゆく。
そうだ。僕はここに……僕の後ろに、ユーリ様の大きなおちんちんを入れてもらって……僕の中をずっとユーリ様で満たしてもらっていたのだ。
その感覚を思い出した途端、お腹の奥がきゅんと疼いた。
喉から洩れる息が熱い。
ユーリ様が欲しい。
そう言ったら、困らせてしまうかな。
我慢した方がいいかな、と思ったけど、ユーリ様の匂いと手の感触にどうしようもなくなって、僕はもぞりと腰を動かした。
「リヒト、あともう少し食べてから、もう一度しようね」
腫れてしまった僕のそこを見て、ユーリ様がやさしく提案してくれた。
またしてもらえるのだ。
僕の中を。ユーリ様で埋めてくれるのだ。
そう思ったら勝手に高い声が漏れた。
「ゆぅりさまぁ……あ、あぁ、ぼ、ぼく、おかしいですか?」
こんなにユーリ様が欲しいなんて、僕はどこか悪いのじゃないかな。
心配になって尋ねたら、ユーリ様がおかしそうに肩を揺すって笑った。
「どこも変じゃないよ、リヒト。オメガの発情は七日ぐらい続くからね。リヒトはまだあと三日残ってるよ」
「みっか」
三日も、ユーリ様が欲しくてたまらないこの状態が続くのか。
「うん。この四日の間はね、僕がずっときみのお世話をしてたんだよ」
ユーリ様が僕の髪に頬ずりしながらそう言った。
うっすらとだけど、食べるときもお風呂のときもトイレのときも、ぜんぶユーリ様の手を借りて、ユーリ様がちょっとでも離れたら「ゆぅりさまゆぅりさま」と泣いていたような記憶がある。
五感が弱かったときか、それ以上にユーリ様にご迷惑をかけていたなんて!
発情期は二か月ごとに来るみたいだから、僕はそのたびに七日間もユーリ様のお手を煩わせることになってしまうのだ。
申し訳ないやら情けないやらで消えてしまいたくなった僕だけど、ユーリ様が。
「僕にとっては夢のように至福の四日間だったよ、リヒト。発情期のピークは過ぎたみたいだけど、完全に終わるまではちゃんと僕が面倒見るからね」
だから僕にお世話をさせてね、と。
キラキラした眩しいほどの笑顔で、しあわせで仕方ないというように、そう言ってくださったから。
僕はおずおずとユーリ様を振り仰いで……その首筋から香ってくる喜びの匂いにたまらない気持ちになって、体ごとユーリ様に向き直って、全身でユーリ様に抱きついた。
「ゆぅりさま、だいすきです」
このひとが、僕のアルファだなんて、本当に夢じゃないのかな。
僕の願望が、僕に都合の良い夢を見せているのじゃないのかな。
あんまりしあわせだから、僕はついそう疑ってしまったのだけれど。
「ふだんのきみもものすごく可愛いけど、発情でぼんやりしてるきみもすごく可愛かったよ、僕のオメガ。ほら、これを見て。きみが飲み物を零さないようにテオに買って来させたんだ。今回は既製品だったけど、次の発情のときにはちゃんと、リヒトに合うものを特注で準備しておくからね」
ユーリ様がものすごく格好いいお顔で笑って、嬉々として哺乳瓶を差しだしてきたから。
僕は泣き笑いになって、ユーリ様にキスをした。
ユーリ様のあのお部屋。ユーリ様の『巣』に、きっとこの哺乳瓶も飾られるのだろう。
僕のアルファのための、あの部屋に。
その光景を想像しながら僕は、またユーリ様の匂いに溺れた。
ユーリ様が僕を抱っこしたまま寝室へと引き返してゆく。
ちょっとの時間、部屋を空けていただけなのに、シーツも布団もピシっと整えられていた。
サイドテーブルには新しい水差しとグラスが用意されていて、その横にはさっきの哺乳瓶が置かれている。丸いテーブルも運び込まれていて、そこにはガラスの器がいくつも用意されていた。それぞれにお花の形のゼリーや、果物のたくさん載ったプリンが入ってる。
サデスさんが作ってくれたのかな。
ユーリ様が僕を後ろから抱える形でベッドに座らせて、プリンの器を手に取ると、当然のように僕の口元に運んできた。
「はい、リヒト。あ~んして」
言われるがままに口を開けてから僕は、
「ぼく、じぶんでたべれます」
とユーリ様に伝えた。
だけどユーリ様は笑うばかりでスプーンを僕に渡してくれなかったので、僕は結局プリンひとつをユーリ様にすべて食べさせてもらった。
もぐもぐと口を動かしている最中も、頬がぽっぽと熱かった。
ユーリ様とあんまりくっついているから、恥ずかしくて顔が熱いのだと思ったけど、なんだか体も火照っている。
はふ……と息を吐いたら、ユーリ様が両目を細めてじわりと微笑まれた。
「リヒト、どこまで覚えてる?」
どこまで……と問われて記憶を辿る。
「ぼくに、ひーとがきて……ゆぅりさまにかんでもらって、えっと、それから……」
それからどうなったんだっけ?
「あれから四日経ったんだよ」
サラっと告げられたそれは、衝撃の事実だった。
四日! 僕は四日も寝ていたのかしら。
驚いてそう尋ねたら、ユーリ様が違うよと首を振る。
「寝てたんじゃなくて、僕と繋がってたんだよ、リヒト。ここに僕を受け入れたこと、忘れちゃった?」
僕のお腹を、ユーリ様のてのひらが撫でてゆく。
そうだ。僕はここに……僕の後ろに、ユーリ様の大きなおちんちんを入れてもらって……僕の中をずっとユーリ様で満たしてもらっていたのだ。
その感覚を思い出した途端、お腹の奥がきゅんと疼いた。
喉から洩れる息が熱い。
ユーリ様が欲しい。
そう言ったら、困らせてしまうかな。
我慢した方がいいかな、と思ったけど、ユーリ様の匂いと手の感触にどうしようもなくなって、僕はもぞりと腰を動かした。
「リヒト、あともう少し食べてから、もう一度しようね」
腫れてしまった僕のそこを見て、ユーリ様がやさしく提案してくれた。
またしてもらえるのだ。
僕の中を。ユーリ様で埋めてくれるのだ。
そう思ったら勝手に高い声が漏れた。
「ゆぅりさまぁ……あ、あぁ、ぼ、ぼく、おかしいですか?」
こんなにユーリ様が欲しいなんて、僕はどこか悪いのじゃないかな。
心配になって尋ねたら、ユーリ様がおかしそうに肩を揺すって笑った。
「どこも変じゃないよ、リヒト。オメガの発情は七日ぐらい続くからね。リヒトはまだあと三日残ってるよ」
「みっか」
三日も、ユーリ様が欲しくてたまらないこの状態が続くのか。
「うん。この四日の間はね、僕がずっときみのお世話をしてたんだよ」
ユーリ様が僕の髪に頬ずりしながらそう言った。
うっすらとだけど、食べるときもお風呂のときもトイレのときも、ぜんぶユーリ様の手を借りて、ユーリ様がちょっとでも離れたら「ゆぅりさまゆぅりさま」と泣いていたような記憶がある。
五感が弱かったときか、それ以上にユーリ様にご迷惑をかけていたなんて!
発情期は二か月ごとに来るみたいだから、僕はそのたびに七日間もユーリ様のお手を煩わせることになってしまうのだ。
申し訳ないやら情けないやらで消えてしまいたくなった僕だけど、ユーリ様が。
「僕にとっては夢のように至福の四日間だったよ、リヒト。発情期のピークは過ぎたみたいだけど、完全に終わるまではちゃんと僕が面倒見るからね」
だから僕にお世話をさせてね、と。
キラキラした眩しいほどの笑顔で、しあわせで仕方ないというように、そう言ってくださったから。
僕はおずおずとユーリ様を振り仰いで……その首筋から香ってくる喜びの匂いにたまらない気持ちになって、体ごとユーリ様に向き直って、全身でユーリ様に抱きついた。
「ゆぅりさま、だいすきです」
このひとが、僕のアルファだなんて、本当に夢じゃないのかな。
僕の願望が、僕に都合の良い夢を見せているのじゃないのかな。
あんまりしあわせだから、僕はついそう疑ってしまったのだけれど。
「ふだんのきみもものすごく可愛いけど、発情でぼんやりしてるきみもすごく可愛かったよ、僕のオメガ。ほら、これを見て。きみが飲み物を零さないようにテオに買って来させたんだ。今回は既製品だったけど、次の発情のときにはちゃんと、リヒトに合うものを特注で準備しておくからね」
ユーリ様がものすごく格好いいお顔で笑って、嬉々として哺乳瓶を差しだしてきたから。
僕は泣き笑いになって、ユーリ様にキスをした。
ユーリ様のあのお部屋。ユーリ様の『巣』に、きっとこの哺乳瓶も飾られるのだろう。
僕のアルファのための、あの部屋に。
その光景を想像しながら僕は、またユーリ様の匂いに溺れた。
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