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第1章 かなしい蝶と煌炎の獅子
プロローグ
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円卓の大地、リアンジュナイル大陸。広大なその大地を治める連合国に属する国家がひとつ、赤の王国、グランデル王国では、ひと月後に控えている国王の生誕祭に向けての準備が進められていた。グランデルにおいて、国王は太陽そのものだ。かの王が玉座に君臨しているからこそ、民は平和な日常を過ごすことができ、かの王が行く先を明るく照らし出してくれるからこそ、民は歩みを進めることができる。故に、その王の生誕祭ともあれば、全ての国民にとっての喜びの場であり幸福の場であった。逆を言えばそれは、生誕祭は滞りなく成功しなければいけない行事だと言うことになる。
グランデル王国国王の従兄弟にして、右腕と呼ばれる若き宰相、レクシリア・グラ・ロンター公爵は、祭事の準備のためにと慌ただしく城内を行き交う臣下を眺めながら、酷く重々しい息を吐き出した。
現国王の時代が始まって、早八年。王の即位当時は荒れに荒れていた国政も、当代の王の手腕により僅か三年で落ち着きを取り戻し、以降は穏やかな日々が続いている。恐らくは、それがそもそもの原因だったのだろう。
「例の件、未だに解決していないのですか?」
宰相にそっと歩み寄り耳打ちをしたのは、グランデル王立中央騎士団団長のガルドゥニクスだ。武骨な軍人を絵に描いたような彼が横に並ぶと、美人と称するのが相応しい顔立ちの宰相の容姿の良さがより一層際立った。尤もその体格は、一国の宰相には不似合いな程にしっかりしたもので、その美しさも中性的なものではなく、とても男性らしいものではあったが。
「この時期ですからね。私を含め国民は皆、他ごとに手を割く余裕などないのです。王陛下の生誕祭はそれだけ重要な行事だ。……ですから、まあ、物凄く気が進まない方法ではありましたが、一応手を打ちました。物凄く気が進まない方法ではありましたが」
淡い金色の癖毛をくしゃりと混ぜ、やはり重い声が吐き出される。彼が口にした、気が進まない方法に心当たりのあるガルドゥニクスは、曖昧な微笑みを浮かべて自国の宰相を見た。しかし、恐らく苦肉の策だろうそれが最も正しい選択なのだろうということも、なんとなくではあるが察しがつく。それがまたこの優秀な宰相殿の胃痛を招くのだろうなぁ、とガルドゥニクスは思った。
そもそもの事の始まりは、青の王国からの使者が来訪した数日前にまで遡る。
赤の王国と青の王国は、連合国の発足以前より仲が良いとは言えず、当代の王が即位して以降はより一層その溝が深まった。というのも、当代のグランデル国王は庶子なのである。元来血筋や家柄に厳しく貴族こそが至上とされる青の王国では、赤の王の存在は嫌悪の対象なのだ。
そんな青の国から、突然使者が寄越された。それも生誕祭が近付きつつあるこの時期に、だ。勿論、宰相をはじめとした臣下一同は、これは何かある筈だと構え、城内の警備を常よりも強めようとした。だがしかし、それを嘲笑うかのように事は起こってしまったのだ。
「しかし、まさか大事な儀礼用の王冠が盗まれるとは……」
ガルドゥニクスの小さな呟きに、宰相がとうとう片手で顔を覆ってしまう。
「普段よりも厳重に警備を敷いたんだ。いや、敷こうとしたんだ。だけどあの馬鹿が『そんなどうでも良い事に労力を割くくらいなら少しでも皆に休んでもらうべきだ。私の生誕祭の為に、皆、連日よく働いてくれているのだから』とか抜かして譲らねぇから、それじゃあって普段通り、警備の意味があるんだかないんだか判らねぇような適当な警備体制のままにしといたら、これだ。良く考えなくたってこうなるって判るだろうがあの馬鹿は本当にどこまでも馬鹿なのかよ底抜けの馬鹿なのかよ」
「失礼ながら宰相殿、お言葉遣いが」
咳払いの後に続いた言葉に、宰相が深く息を吐き出す。
「これは申し訳ない。私としたことが、あの馬鹿王陛下のこととなると口調が乱れてしまうようで」
にっこりと微笑んだ宰相に、やはり騎士団長は曖昧に笑みを浮かべ返した。
「陛下には陛下のお考えがあるのでしょう。あのお方がこの程度のことを見抜けないとは到底思えない。恐らくは、見抜いた上でのことなのでは?」
「ええ、そうでしょうね。国王陛下にとっては王冠が盗まれることなど予定調和なのでしょう。ですが、一応これは国の威信に関わる出来事です。他国は勿論、民にも内密に奪還しなければならない我らの身にもなって頂きたい。事が事だけに、貴公自慢の中央騎士団を動かすことすらままならないではないですか」
「我が騎士団は、良くも悪くも目立ちますからなぁ」
王自らが武芸の達人であるグランデルでは、騎士団の腕もまた他国より頭ひとつ抜けて優れている。故に、戦場にあって一際存在感を放つのは当然のことだった。五年ほど前に、リアンジュナイルを攻めんとした他地域との戦が起こった時も、連合国軍におけるグランデル王国の働きは見事なものだった。北のグリン騎士団、南のラルデン騎士団、東のデディ騎士団、西のルゲイス騎士団、そして中央には、グランデル王立中央騎士団。この五つの騎士団を、グランデル国王は見事に指揮し、戦の大勝に大きく貢献したのだ。そして同時に、グランデルが所有する五つの騎士団はそのどれもが多くの人々の知るところとなり、隠密活動には酷く不向きな部隊になってしまった。
「そもそも騎士とは正面から正々堂々と臨むものです。今回のような人目を忍ぶ仕事をさせる訳にはいきませんよ。それこそ、騎士道に反するでしょう?」
「さすがは宰相殿。その通りですとも。しかし、国王陛下の為であれば、我ら一同、己が誇りすらも捨て去る所存です」
どことなく茶化すような口調だが、その言葉は紛れもなく真実だ。彼らは騎士である前に、かの唯一の王の民なのだ。
「知っていますよ。ですが今はその時ではありません。さあさあ、貴公は式典の場で国王陛下と手合せをするのでしょう? しっかりと稽古に励まねば、勝負にすらなりませんよ」
「これは手厳しい。このガルドゥニクス、陛下相手とあらば、常以上の研鑽に励み、全力を以て向かわせて頂きますとも」
「ええ、期待していますよ」
「はい。ご期待に添えますよう、努めさせて頂きます」
そう言い、優雅に一礼をしてから去って行った背中を眺め、宰相は再び深く溜息を吐いた。
ガルドゥニクスは何も言わなかった。言わなかったが、恐らく気付いてはいるだろう。
今回の一件は、何処となく不自然だ。いくら青の国が赤の国を煙たがっていたとしても、ここまでのことをするものだろうか。国王の象徴たる王冠を盗む、など。グランデル国王の勅命が下ったが故に、こうして一部の側近のみが知るにとどまっているが、一歩間違えば戦争の引き金にさえなる。王冠を盗まれたなど国の恥に直結するが故に、そうそう公にできないだろう、と。そう踏んでいる可能性がない訳ではない。寧ろ、それは当然の読みであり、実際正しい駆け引きだ。
しかし、それを当代グランデル国王に対して仕掛ける駆け引きとして考えるならば、余りにも愚行と言わざるを得ない。当代のグランデル国王は、歴史上最も優れたる王にして、異質の王だ。その思考は他国の王程度に読み取れるものではなく、常に他者の考えの遥か先を、迷うことない足取りで進んでいく。そして、冷酷なまでに冷静沈着にして聡明と謳われる青の国の王ともなれば、それくらいのことは把握している筈だろう。
ならば何故、こうも定石めいた策を仕掛けてきたのだろうか。赤の国王が定石を引っ繰り返す様など、嫌と言うほど見てきているだろうに。
とは言え、己が考え付くこと程度、あの王ならばもっと以前に思い至っているのだろう。故に、レクシリアがそれに頭を悩ませる必要はない。自分の力が必要ならば、王はすぐさまそう求めてくれるのだから。
兎にも角にも、式典まで、あとひと月余り。それまでに、なんとしてでも王冠を取り戻さなければならない。
考えただけで、また胃がキリリと痛んだ気がして、レクシリアはもう一度だけ、重々しい息を吐き出した。
グランデル王国国王の従兄弟にして、右腕と呼ばれる若き宰相、レクシリア・グラ・ロンター公爵は、祭事の準備のためにと慌ただしく城内を行き交う臣下を眺めながら、酷く重々しい息を吐き出した。
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「例の件、未だに解決していないのですか?」
宰相にそっと歩み寄り耳打ちをしたのは、グランデル王立中央騎士団団長のガルドゥニクスだ。武骨な軍人を絵に描いたような彼が横に並ぶと、美人と称するのが相応しい顔立ちの宰相の容姿の良さがより一層際立った。尤もその体格は、一国の宰相には不似合いな程にしっかりしたもので、その美しさも中性的なものではなく、とても男性らしいものではあったが。
「この時期ですからね。私を含め国民は皆、他ごとに手を割く余裕などないのです。王陛下の生誕祭はそれだけ重要な行事だ。……ですから、まあ、物凄く気が進まない方法ではありましたが、一応手を打ちました。物凄く気が進まない方法ではありましたが」
淡い金色の癖毛をくしゃりと混ぜ、やはり重い声が吐き出される。彼が口にした、気が進まない方法に心当たりのあるガルドゥニクスは、曖昧な微笑みを浮かべて自国の宰相を見た。しかし、恐らく苦肉の策だろうそれが最も正しい選択なのだろうということも、なんとなくではあるが察しがつく。それがまたこの優秀な宰相殿の胃痛を招くのだろうなぁ、とガルドゥニクスは思った。
そもそもの事の始まりは、青の王国からの使者が来訪した数日前にまで遡る。
赤の王国と青の王国は、連合国の発足以前より仲が良いとは言えず、当代の王が即位して以降はより一層その溝が深まった。というのも、当代のグランデル国王は庶子なのである。元来血筋や家柄に厳しく貴族こそが至上とされる青の王国では、赤の王の存在は嫌悪の対象なのだ。
そんな青の国から、突然使者が寄越された。それも生誕祭が近付きつつあるこの時期に、だ。勿論、宰相をはじめとした臣下一同は、これは何かある筈だと構え、城内の警備を常よりも強めようとした。だがしかし、それを嘲笑うかのように事は起こってしまったのだ。
「しかし、まさか大事な儀礼用の王冠が盗まれるとは……」
ガルドゥニクスの小さな呟きに、宰相がとうとう片手で顔を覆ってしまう。
「普段よりも厳重に警備を敷いたんだ。いや、敷こうとしたんだ。だけどあの馬鹿が『そんなどうでも良い事に労力を割くくらいなら少しでも皆に休んでもらうべきだ。私の生誕祭の為に、皆、連日よく働いてくれているのだから』とか抜かして譲らねぇから、それじゃあって普段通り、警備の意味があるんだかないんだか判らねぇような適当な警備体制のままにしといたら、これだ。良く考えなくたってこうなるって判るだろうがあの馬鹿は本当にどこまでも馬鹿なのかよ底抜けの馬鹿なのかよ」
「失礼ながら宰相殿、お言葉遣いが」
咳払いの後に続いた言葉に、宰相が深く息を吐き出す。
「これは申し訳ない。私としたことが、あの馬鹿王陛下のこととなると口調が乱れてしまうようで」
にっこりと微笑んだ宰相に、やはり騎士団長は曖昧に笑みを浮かべ返した。
「陛下には陛下のお考えがあるのでしょう。あのお方がこの程度のことを見抜けないとは到底思えない。恐らくは、見抜いた上でのことなのでは?」
「ええ、そうでしょうね。国王陛下にとっては王冠が盗まれることなど予定調和なのでしょう。ですが、一応これは国の威信に関わる出来事です。他国は勿論、民にも内密に奪還しなければならない我らの身にもなって頂きたい。事が事だけに、貴公自慢の中央騎士団を動かすことすらままならないではないですか」
「我が騎士団は、良くも悪くも目立ちますからなぁ」
王自らが武芸の達人であるグランデルでは、騎士団の腕もまた他国より頭ひとつ抜けて優れている。故に、戦場にあって一際存在感を放つのは当然のことだった。五年ほど前に、リアンジュナイルを攻めんとした他地域との戦が起こった時も、連合国軍におけるグランデル王国の働きは見事なものだった。北のグリン騎士団、南のラルデン騎士団、東のデディ騎士団、西のルゲイス騎士団、そして中央には、グランデル王立中央騎士団。この五つの騎士団を、グランデル国王は見事に指揮し、戦の大勝に大きく貢献したのだ。そして同時に、グランデルが所有する五つの騎士団はそのどれもが多くの人々の知るところとなり、隠密活動には酷く不向きな部隊になってしまった。
「そもそも騎士とは正面から正々堂々と臨むものです。今回のような人目を忍ぶ仕事をさせる訳にはいきませんよ。それこそ、騎士道に反するでしょう?」
「さすがは宰相殿。その通りですとも。しかし、国王陛下の為であれば、我ら一同、己が誇りすらも捨て去る所存です」
どことなく茶化すような口調だが、その言葉は紛れもなく真実だ。彼らは騎士である前に、かの唯一の王の民なのだ。
「知っていますよ。ですが今はその時ではありません。さあさあ、貴公は式典の場で国王陛下と手合せをするのでしょう? しっかりと稽古に励まねば、勝負にすらなりませんよ」
「これは手厳しい。このガルドゥニクス、陛下相手とあらば、常以上の研鑽に励み、全力を以て向かわせて頂きますとも」
「ええ、期待していますよ」
「はい。ご期待に添えますよう、努めさせて頂きます」
そう言い、優雅に一礼をしてから去って行った背中を眺め、宰相は再び深く溜息を吐いた。
ガルドゥニクスは何も言わなかった。言わなかったが、恐らく気付いてはいるだろう。
今回の一件は、何処となく不自然だ。いくら青の国が赤の国を煙たがっていたとしても、ここまでのことをするものだろうか。国王の象徴たる王冠を盗む、など。グランデル国王の勅命が下ったが故に、こうして一部の側近のみが知るにとどまっているが、一歩間違えば戦争の引き金にさえなる。王冠を盗まれたなど国の恥に直結するが故に、そうそう公にできないだろう、と。そう踏んでいる可能性がない訳ではない。寧ろ、それは当然の読みであり、実際正しい駆け引きだ。
しかし、それを当代グランデル国王に対して仕掛ける駆け引きとして考えるならば、余りにも愚行と言わざるを得ない。当代のグランデル国王は、歴史上最も優れたる王にして、異質の王だ。その思考は他国の王程度に読み取れるものではなく、常に他者の考えの遥か先を、迷うことない足取りで進んでいく。そして、冷酷なまでに冷静沈着にして聡明と謳われる青の国の王ともなれば、それくらいのことは把握している筈だろう。
ならば何故、こうも定石めいた策を仕掛けてきたのだろうか。赤の国王が定石を引っ繰り返す様など、嫌と言うほど見てきているだろうに。
とは言え、己が考え付くこと程度、あの王ならばもっと以前に思い至っているのだろう。故に、レクシリアがそれに頭を悩ませる必要はない。自分の力が必要ならば、王はすぐさまそう求めてくれるのだから。
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