アイムキャット❕❕❕~異世界の猫王様、元の世界でやらかす記~

ma-no

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猫歴15年

平行世界8日目その1にゃ~

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 マスコミによる質疑応答があった翌日……

 平行世界8日目も、わしと玉藻とさっちゃんは一緒にリムジンで移動している。ちなみにリータたちは、今日も引きこもり。2日間、ゲームや映画を見る代わりに、観光する時にはゲームとかは忘れる約束をさせたのだ。
 玉藻とさっちゃんは、自分たちもゲームをしたいからブーブー言っていたので、移動中はゲーム解禁。静かになったらわしはタブレットで新聞を読みながら、優雅にコーヒーを飲むのであった。

 リムジンが止まり、入った会場は、外国人記者クラブ。日本にばかりを優遇しているので、海外のマスコミにも配慮してあげたのだ。
 こちらにも、英語で書かれた資料を日本のマスコミに流すようにお願いしておいたので、前情報はバッチリ。
 わしたちは拍手で迎えられ、用意されたテーブル席に移動するのだが、その真ん前には法衣を身にまとっている白髪のオジさんが仁王立ちで立っているので、すんごい座りづらい。

「あの~……にゃんか怒ってにゃす?」
「そこに座りなさい」

 気を遣ってわしから英語で喋り掛けてあげたのに、事情を説明してくれないので、わしたちは用意されたイスに着席した。

「さて、シラタマ王には私が怒っているように見えたようですが、そう見えたのは、主の怒りが私に乗り移ったからでしょう」

 法衣の男は冷静に語っているように聞こえるが、額に血管が浮かんでいるので、間違いなく怒っているのはこの男。しかしそれに触れるとキレそうなので、わしは穏便に済ませたい。

「主って……もしかして、キリ〇ト教の人ですかにゃ?」
「その通り! 神は唯一無二。間違いを正しに来たのです!!」
「はいにゃ~。わしが間違っていましたにゃ~。忙しいんで、お引き取りをお願いするにゃ~」
「なんですかその言い方は! 適当なことを言って煙に巻いてるだけでしょ!!」
「わしは宗教論争にゃんてしたくないんにゃ~」

 わしが折れまくっているのに神父はギャーギャーうるさいので、記者になんとかしてくれとお願いしてみたけど全然助けてくれない。半分近くがキリ〇ト教で、その他は国どうしの力関係があるみたいだ。

「だから~。正確には神様じゃにゃくて管理者って言ってるにゃろ~」
「その管理者が、日本の神の名だと言っていたじゃないですか!」
「わしじゃにゃくて、日本のマスコミが騒いでいるだけにゃ~」

 神父は徐々に日本の神々を罵り出したので、玉藻がキレそうだ。個人的には任せたいのだけど、顔に「殺す」と書いているのでわしが言い負かすしかない。

「あ、そうにゃ。アメリカの西海岸にあるアメリヤ王国ってところに、キルスト教って、キリ〇ト教にそっくりな宗教があったにゃ」
「なんですと!? やはり平行世界であったとしても、地球の神とは主しかありえないのですね」
「かもにゃ~。主の命令で、異教徒狩りとか奴隷狩りにゃんかもやってたからそうじゃにゃい?」
「え??」
「こっちでもやってたにゃろ? 魔女狩りと称して拷問しまくってたヤツにゃ。うちでは教皇ってヤツが主に命じられて、原住民に拷問して耐えたらキルスト教にしてやるとか言ってたんにゃよ? これも似たようなことやってたにゃろ??」
「主は、そんな非道な命令なんてしません!!」

 神父は痛いところを突かれて声が大きくなった。

「いや、ウィキってのに、過去にやってたって書いてたにゃ~」
「アレは、過激な一派がやっていただけで、我々とは別物です!」
「人のせいにするにゃよ~。てか、その教皇は拷問フルコースを3周してやったら、趣味でやっていたとゲロッたんにゃよ? キルスト教のトップがそう言ってたんにゃから、魔女狩りを命じた人も、そうにゃんだろうにゃ~」
「拷問フルコースを3周??」
「そうにゃ。わしは白猫教の神様でもあるから、死ぬことも許してやらなかったにゃ」
「猫が神だと……また嘘を重ねて、地獄に落ちるぞ!!」

 わしの脅しと挑発で、神父の心情はグチャグチャだ。

「にゃはは。教皇も同じこと言ってたにゃ~。お前もわしの奇跡を堪能してくれたら、神様と呼んでくれるはずにゃ~。にゃ~はっはっはっはっ」

 わしが笑いながらいくつもの拷問器具を次元倉庫から取り出すと、神父は……

「ぎゃああぁぁ~~~! 悪魔だ~~~!!」

 まだ何もしていないのに、悪魔認定。ダッシュで逃走した。

「それじゃあ、質疑応答を開始しにゃ~す」

 悪魔なんて、猫の次に言われ慣れていること。うるさいヤツがいなくなったので、わしは淡々と開始を宣言するのであったとさ。


 神父が凄い形相で退出したことによって場は騒然となったので、質疑応答が始まらない。なのでわしはさっちゃんたちと喋っている。

「さっきの人、全然シラタマちゃんの話を聞こうとしなかったね。どうして?」
「頭が凝り固まってる人ってのは、どこにでもいるもんにゃ。特に宗教家や政治家にゃんかは、自分が正しいと信じたこと以外、聞こうとしないんだよにゃ~」
「政治家はわからないけど、玉藻様って宗教家じゃないの? いつも柔軟だよ?」
「日本の宗教感は他と違うからにゃ~。にゃ?」

 わしが玉藻に振ると、さっちゃんの質問に答えてくれる。

「うむ。神道とは、多くの神がいるからな。その神によって役割が違うし、様々な教えもあるんじゃ。それにな。神々だって年に一度集まって、話し合っていると言い伝えられておるんじゃぞ」
「へ~。神様も1人で決めずに相談し合っているのですね。面白いです。今度、詳しく聞かせてください」

 2人が盛り上がり始めた頃に司会から開始すると聞いたので、わしたちは記者席のほうに向き直る。

「では、私から……アメリカに来ません?」

 1巡目は、どいつもこいつも自国への観光誘致。なんかイロイロ接待してくれるらしいが、1ヶ月しか滞在期間がないんだから、行けないと言っておろう? 後半に行くほどランクを上げるな。アメリカさんが睨んでおるぞ??

 いちおう「行けたら行く」と曖昧な答えを返し、全員から名刺を受け取ったら1巡目は終了。またアメリカの記者が立ち上がった。

「資料では、シラタマ王の世界にも国がいくつもありますが、戦争など起こらないのでしょうか?」
「戦争にゃ~……どこもいまは技術の発展に力を入れているから、ないと言いたいんだけどにゃ~……まぁ起こる時は起こるだろうにゃ。資料には書いてないけど、猫の国の前の、帝国って国と東の国は戦争したし、内戦を経て猫の国が作られたんにゃから、今後も避けられないと思うにゃ」
「その時の話を聞くわけには?」
「後ろの記者の許可があればいいにゃ」

 外国人記者クラブも基本は一問一答なので、何個も質問させるとあとが怒ると思ったら、全員、頭の上で丸を作った。こっちは談合していないと思っていたけど、意思表示だけは決めてたのかな?
 皆からの許可が出ているのでは仕方がない。このあと天皇家から小説が発売されるので、掻い摘まんだ説明だけで戦争の話は終えるのであった。


「戦争のお話、とてもためになりました。こちらでは銃やミサイルといった兵器で戦っているのですが、剣や魔法で兵器に勝てるとお思いでしょうか?」
「う~ん……わしは勝ったんにゃけど、他の人はどうにゃろ? オッサンは勝てるようにゃことを言ってた気が……」

 日本のマスコミと違って難しい質問が続くので、わしはブツブツと言葉を探していたが、待ったが掛かる。

「いま、シラタマ王は勝ったと言いましたか?」
「うんにゃ。でも、他の人はにゃ~」
「いや、シラタマ王だって勝てるわけは……銃ですよ? 爆弾ですよ??」
「そんにゃの、わしに効かないにゃ~」

 わしは事実を告げているのに、一同大爆笑。嘘ついたと思われたようだ。

「にゃにゃ~ん。ここに取り出したりますは、正真正銘の拳銃にゃ~。こいつをわしのコメカミに当てて、パンパンパンっとにゃ!」

 なので「じゃじゃーん」とリボルバーを懐から取り出したら、マスコミは一瞬怯んだ。だが、ここ日本では本物を持ち込めないので、偽物だと断定。
 とりあえず3回引き金を引いたら、3分の1ぐらいは顔を真っ青にした。音だけで、本物と気付いたのだろう。

「よく似たオモチャですね。それは猫の国で作られているのですか?」
「これはアメリヤ王国から没収した本物にゃ。疑うにゃら、君の足にでも風穴開けてやろっかにゃ~??」
「い、いえ。結構です……」
「遠慮しなくていいのににゃ~。じゃあ、この弾をあげるにゃ~」

 記者に変形して潰れた銃弾を投げ渡したら、思ったより熱かったのか落としていた。それから両隣の記者も欲しくなったのか、3人は奪い合うように拾い、「本物だ……」と言いながら、わしを化け物でも見るような顔で見ていた。

「次の人、質問しないにゃら飛ばすにゃよ~?」
「ま、待って……」

 次の記者はバタバタと手帳やら資料やらを見たけど考えがまとまらないみたいだ。

「えっと~……アメリヤ王国のことを……聞きたいです」
「ざっくりしすぎだにゃ~」
「あの、その……どうやって倒したのですか!?」
「にゃ? 資料にアメリヤ王国と戦ったにゃんて書いてたかにゃ??」
「いえ、近代兵器にシラタマ王が勝ったと言ってましたから……」
「ああ~……ま、ここは元の世界じゃにゃいからいっか。ちょっと待ってにゃ~」

 記者はグダグダの質問だったが、わしの失言にツッコめたのに敬意を払い、写真を大型モニターに映す機械の準備。
 それからアメリヤ王国と戦った時の写真を取っ替え引っ替えしながら説明して行くと、全員お通夜のように黙ってしまうのであった。

「あはははは。なにこのおっきな猫。これが大怪獣『ネコゴン』ってヤツ?」

 それなのにさっちゃんは大笑い。さらにさっちゃんには教えていない身長100メートルもある立って歩く猫石像の名前まで知ってやがった。

「にゃ、にゃぜその名を……」
「お母様もお姉様もアメリヤ王国のことになると口を重たくしていたから、不思議に思って個人的に調べたのよ。普通に言っても見せてくれないだろうからチャンスを待ってたけど、忘れてたから見れてよかったわ」

 さっちゃんがいらんこと言いやがったので、世界中の新聞の一面に、海から現れる大怪獣『ネコゴン』の写真が載るのであったとさ。
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