60 / 139
拾の抄 初恋
其の壱
しおりを挟む
──こんな立派な梅の木、見たこともない。
大粒の梅の花が優美に咲いて、折れそうなほど枝垂れたそれはまことに見事だった。
それが、一度目に抱いた感想。
また来ます。
と、飯倉豊は女将にいった。
その宣言通りに二度、三度──。
あれからいったい、どれほど泊まったのだろうか。
いつごろからかすっかり常宿と化していた。
初めて訪れてからおよそ十年。
主人も女将も、もちろん私も──その髪に白いものが混じるようになったくらいで、宿の様相は十年前のそれとなんら変わりなく私を待っていてくれる。
けれど、私は変わった。
ずいぶんとやつれみすぼらしくなってしまった。
毎年欠かさず訪れていたあの宿も、いつの間にか足が遠のいてしまって……。
気が付けばあれからさらに十年。
久しぶりに行ってみようか。
変わらずに待っていてくれているだろうか、せめてあの場所だけでも。
そうだ、この高台の上に目印であるあの木が。ああ──。
なんだ。なんだろう。
揺れる。揺れる。揺れて、…………。
ああ、はやく。
ただいまと言って梅の花を摘みたい。
※
夏休み──とは名ばかりの第八研究室。
扉を開けると、休みに入ってからも誰かしらの姿を目にする。特に目につくのは教授室に居座る浜崎辰也だ。
彼は今日も、白衣を着てパソコンをいじりながら珈琲を飲んでいる。
「刑部くん、夏休みなのに精が出るな」
と猛暑日を記録した七月の終わり。
仙石清武は、いつもどおりの涼しげな顔でいった。対するのは丸くかわいらしいおでこから汗を流す、環奈である。
レポートの執筆において足りない資料を図書館で探した帰り、四号館に立ち寄る仙石を見つけたのだ。
「きよセンパイは修論デスか?」
「ああ──先生に相談を。あの人もはやここに住んでるってくらいにいてるから」
そういう彼も三日とあけずここに通っているのだから、似たようなものである。
「ほら、やっぱりおった」
と、第八研究室のなかに仕切られた教授室の明かりを見てほくそ笑む。するとちょうどその扉が開き、中からヨレヨレの白衣をまとった浜崎がのそりと出てきた。
ふたりの生徒が来ていることにようやく気が付いたか「おう」と眠そうに垂れた目を見開いた。
「キヨ──と刑部も。どないした、修論とレポートか」
「はい。ちょっと先生にご相談もあって」
「あ、そう?」
と教授室をちらと見た。
テーブルに山積みとなった本や書類。デスク下に隠れている丸椅子にまで数冊の書籍が重ねられている。
その椅子に座ると、両壁の本棚に埋め尽くされた書籍からの圧がすごいので、仙石はあまり好きではなかった。
「いや、ここでええです。あぁ刑部くんも別に席外す必要はないで」
腰を浮かせた環奈を制止させ、仙石はわらう。別に聞かれて困る話でもなかった。
ほんならお言葉に甘えて、と浜崎は生徒用の椅子をガラガラと引っ張って仙石の前に落ち着いた。
「おまえが相談ってな、めずらしいな」
「ええ──修論の題について」
「あァ。おまえの卒論は中世期の流罪についてまとめててんよな。そっから変えるんか?」
「はい。流罪に処された豪族のなかのひとりが面白そうで──そっちにシフトを変えていきたいなと。ただ」
「ふむ」
「史料があるんかどうかが気がかりで」
彼にしては珍しく弱腰である。
文学部の論文──とくに史学に重きを置く場合は、とくに史料の存在が第一となる。
いくらやりたい題材があったとしても、史料が存在しないことには研究のしようもないからだ。
「ちなみに誰に」
「小野篁」
────。
なるべく聞かぬようにしていた環奈の耳が、ぴくりと反応する。浜崎はすこし嬉しそうに「へえ」と声をあげた。
「そらァなぜ」
「ほかの豪族に比べると、各地で神格化されてるのが顕著やし。あとは篁の血族について。たとえば東北各地に伝わる小町出生の伝承なんかも非常におもろいと思います」
「うん、小野篁を祀る神社はたしかに多い。町田の小野路も小野神社はあるし、神社ちゃうけど栃木の足利学校にも篁の像がある。──京都の六道珍皇寺なんか、ファンからしたら聖地やな」
そうですよね、と仙石がうなずく。
浜崎は珈琲を一口飲んでからふたたび饒舌に語りだした。
「……小野篁に関しては、『続日本後記』とか『日本文徳天皇実録』に載ってはるわな。あとは小野路、大津、東北にある神社。祭神の理由は、先祖信仰からくるものがほとんどやろうが、東京の上野もまた篁とは深い関わりがある──らしい。ううん、ちょっとしぼらんと仮説立てるにも難しいな。福島や秋田なんぞは小野篁、小野小町が深く関わってる可能性が高いやろ。史料は俺も探しておくかな──なんやおまえ」
と、目を細めて唐突にいった。
仙石は(え?)という顔をしたが、まもなく浜崎の視線が自分の背後に向けられていることに気が付いた。ゆっくりと振り向く。いつの間にか環奈が仙石の背後に立っている。
「エッ。あれェ、かんなったらいつの間に」
とひとりぼやく彼女に笑って、仙石は「もう終わるから待っとけ」となだめた。
「──てなもんで、先日相談してたフィールドワークも福島に変更しよう思てるんです。先生について来てくれ言うた手前、ちょっと遠くなって申し訳あらへんのですが、福島でも先生の御同行は可能ですか」
「ああもちろん。むしろ陸奥旅行じゃ常宿があんねん、そこ連絡してみるわ。ええっとメンバーは黒木が来れへんから、俺とお前と潮江と──」
「かんなも」
「環奈と──え?」
「かんなも」
ふたたび環奈がいった。真顔で浜崎に詰め寄る彼女はどこか鬼気迫るものがある。
「いや、お前まだ卒論の題も決めてへん……」
「かんなと……あと小町ちゃんも!」
「…………」
こうして、一週間後の七月下旬から三日間。
福島県までフィールドワークに行くことが決定したのである。
※
──。
────。
パァーーーン。
新幹線が飛ぶように走る。走る。
京都初東京行、乗換ののち郡山着予定──。
想像もできぬ速さで景色が過ぎゆくのを、小町は息を止めて眺めている。
「…………」
浜崎は、その横顔に見とれた。
それからわずかに顔色を青くして「なあキヨ」と顔を寄せる。
「高村さんってホンマに未知やな。いくら小町って名前かて、あないおそろしくきれいな娘がいてるなんて知らへんかったぞ。俺ら誘拐とかしてるように見られたらどないしよう」
「んなアホな、まあでも名は体をあらわすってホンマですね。僕たちフィールドワークに夢中になってほっぽらかしたら、あのふたり攫われてまうかもしれん」
と仙石がくすくす笑う。
(たしかに──)
ちらとふたたび視線を寄越す。
環奈と小町のそろった空間には花園が広がっている。
あまり女の美醜に頓着しないと自負する自分でさえ、彼女たちが放つ麗しい空気感は目を見張るものがあるのだから、一般人には目に毒だ。
「彼女らのお守りは、女性に無頓着なあの筋肉バカふたりに任せときましょう。無頼漢がきても安心や」
「ああ──ていうかなんで」
自席のうしろをちらと見た。
大口を開けて眠る潮江と、廿楽の姿がある。
「廿楽がおんねん、ゼミちゃうやんけ」
「この旅行を自主実習として、実習レポートの単位を稼がせてやろうっていう、同期なりの心遣いです」
仙石はいたずらっぽく笑った。
まあたしかに、いまさらひとりふたりと増えたところでそう変わるものでもない。
ひとつため息をついて、遠慮がちに「お嬢様方」と通路の向かいに座る乙女たちを呼んだ。
「これからの行程は把握してはりますか」
「ウン。郡山についたらお車借りていわきまで!」
「おお、よう覚えてたえらいえらい──キヨの修論材料は明日にまわすとして、今日は早めに宿入ろう。ふたりとも、ついたらちゃんと保護者に連絡いれたれよ」
「あーい」
「ハーイ」
かわいらしく手をあげたふたりに、浜崎の口元は自然とほころんだ。
どうしてこう、女の子というのは癒されるものか。
まもなく東京──。
新横浜を越えてほどなく、新幹線のアナウンスが響いた。
大粒の梅の花が優美に咲いて、折れそうなほど枝垂れたそれはまことに見事だった。
それが、一度目に抱いた感想。
また来ます。
と、飯倉豊は女将にいった。
その宣言通りに二度、三度──。
あれからいったい、どれほど泊まったのだろうか。
いつごろからかすっかり常宿と化していた。
初めて訪れてからおよそ十年。
主人も女将も、もちろん私も──その髪に白いものが混じるようになったくらいで、宿の様相は十年前のそれとなんら変わりなく私を待っていてくれる。
けれど、私は変わった。
ずいぶんとやつれみすぼらしくなってしまった。
毎年欠かさず訪れていたあの宿も、いつの間にか足が遠のいてしまって……。
気が付けばあれからさらに十年。
久しぶりに行ってみようか。
変わらずに待っていてくれているだろうか、せめてあの場所だけでも。
そうだ、この高台の上に目印であるあの木が。ああ──。
なんだ。なんだろう。
揺れる。揺れる。揺れて、…………。
ああ、はやく。
ただいまと言って梅の花を摘みたい。
※
夏休み──とは名ばかりの第八研究室。
扉を開けると、休みに入ってからも誰かしらの姿を目にする。特に目につくのは教授室に居座る浜崎辰也だ。
彼は今日も、白衣を着てパソコンをいじりながら珈琲を飲んでいる。
「刑部くん、夏休みなのに精が出るな」
と猛暑日を記録した七月の終わり。
仙石清武は、いつもどおりの涼しげな顔でいった。対するのは丸くかわいらしいおでこから汗を流す、環奈である。
レポートの執筆において足りない資料を図書館で探した帰り、四号館に立ち寄る仙石を見つけたのだ。
「きよセンパイは修論デスか?」
「ああ──先生に相談を。あの人もはやここに住んでるってくらいにいてるから」
そういう彼も三日とあけずここに通っているのだから、似たようなものである。
「ほら、やっぱりおった」
と、第八研究室のなかに仕切られた教授室の明かりを見てほくそ笑む。するとちょうどその扉が開き、中からヨレヨレの白衣をまとった浜崎がのそりと出てきた。
ふたりの生徒が来ていることにようやく気が付いたか「おう」と眠そうに垂れた目を見開いた。
「キヨ──と刑部も。どないした、修論とレポートか」
「はい。ちょっと先生にご相談もあって」
「あ、そう?」
と教授室をちらと見た。
テーブルに山積みとなった本や書類。デスク下に隠れている丸椅子にまで数冊の書籍が重ねられている。
その椅子に座ると、両壁の本棚に埋め尽くされた書籍からの圧がすごいので、仙石はあまり好きではなかった。
「いや、ここでええです。あぁ刑部くんも別に席外す必要はないで」
腰を浮かせた環奈を制止させ、仙石はわらう。別に聞かれて困る話でもなかった。
ほんならお言葉に甘えて、と浜崎は生徒用の椅子をガラガラと引っ張って仙石の前に落ち着いた。
「おまえが相談ってな、めずらしいな」
「ええ──修論の題について」
「あァ。おまえの卒論は中世期の流罪についてまとめててんよな。そっから変えるんか?」
「はい。流罪に処された豪族のなかのひとりが面白そうで──そっちにシフトを変えていきたいなと。ただ」
「ふむ」
「史料があるんかどうかが気がかりで」
彼にしては珍しく弱腰である。
文学部の論文──とくに史学に重きを置く場合は、とくに史料の存在が第一となる。
いくらやりたい題材があったとしても、史料が存在しないことには研究のしようもないからだ。
「ちなみに誰に」
「小野篁」
────。
なるべく聞かぬようにしていた環奈の耳が、ぴくりと反応する。浜崎はすこし嬉しそうに「へえ」と声をあげた。
「そらァなぜ」
「ほかの豪族に比べると、各地で神格化されてるのが顕著やし。あとは篁の血族について。たとえば東北各地に伝わる小町出生の伝承なんかも非常におもろいと思います」
「うん、小野篁を祀る神社はたしかに多い。町田の小野路も小野神社はあるし、神社ちゃうけど栃木の足利学校にも篁の像がある。──京都の六道珍皇寺なんか、ファンからしたら聖地やな」
そうですよね、と仙石がうなずく。
浜崎は珈琲を一口飲んでからふたたび饒舌に語りだした。
「……小野篁に関しては、『続日本後記』とか『日本文徳天皇実録』に載ってはるわな。あとは小野路、大津、東北にある神社。祭神の理由は、先祖信仰からくるものがほとんどやろうが、東京の上野もまた篁とは深い関わりがある──らしい。ううん、ちょっとしぼらんと仮説立てるにも難しいな。福島や秋田なんぞは小野篁、小野小町が深く関わってる可能性が高いやろ。史料は俺も探しておくかな──なんやおまえ」
と、目を細めて唐突にいった。
仙石は(え?)という顔をしたが、まもなく浜崎の視線が自分の背後に向けられていることに気が付いた。ゆっくりと振り向く。いつの間にか環奈が仙石の背後に立っている。
「エッ。あれェ、かんなったらいつの間に」
とひとりぼやく彼女に笑って、仙石は「もう終わるから待っとけ」となだめた。
「──てなもんで、先日相談してたフィールドワークも福島に変更しよう思てるんです。先生について来てくれ言うた手前、ちょっと遠くなって申し訳あらへんのですが、福島でも先生の御同行は可能ですか」
「ああもちろん。むしろ陸奥旅行じゃ常宿があんねん、そこ連絡してみるわ。ええっとメンバーは黒木が来れへんから、俺とお前と潮江と──」
「かんなも」
「環奈と──え?」
「かんなも」
ふたたび環奈がいった。真顔で浜崎に詰め寄る彼女はどこか鬼気迫るものがある。
「いや、お前まだ卒論の題も決めてへん……」
「かんなと……あと小町ちゃんも!」
「…………」
こうして、一週間後の七月下旬から三日間。
福島県までフィールドワークに行くことが決定したのである。
※
──。
────。
パァーーーン。
新幹線が飛ぶように走る。走る。
京都初東京行、乗換ののち郡山着予定──。
想像もできぬ速さで景色が過ぎゆくのを、小町は息を止めて眺めている。
「…………」
浜崎は、その横顔に見とれた。
それからわずかに顔色を青くして「なあキヨ」と顔を寄せる。
「高村さんってホンマに未知やな。いくら小町って名前かて、あないおそろしくきれいな娘がいてるなんて知らへんかったぞ。俺ら誘拐とかしてるように見られたらどないしよう」
「んなアホな、まあでも名は体をあらわすってホンマですね。僕たちフィールドワークに夢中になってほっぽらかしたら、あのふたり攫われてまうかもしれん」
と仙石がくすくす笑う。
(たしかに──)
ちらとふたたび視線を寄越す。
環奈と小町のそろった空間には花園が広がっている。
あまり女の美醜に頓着しないと自負する自分でさえ、彼女たちが放つ麗しい空気感は目を見張るものがあるのだから、一般人には目に毒だ。
「彼女らのお守りは、女性に無頓着なあの筋肉バカふたりに任せときましょう。無頼漢がきても安心や」
「ああ──ていうかなんで」
自席のうしろをちらと見た。
大口を開けて眠る潮江と、廿楽の姿がある。
「廿楽がおんねん、ゼミちゃうやんけ」
「この旅行を自主実習として、実習レポートの単位を稼がせてやろうっていう、同期なりの心遣いです」
仙石はいたずらっぽく笑った。
まあたしかに、いまさらひとりふたりと増えたところでそう変わるものでもない。
ひとつため息をついて、遠慮がちに「お嬢様方」と通路の向かいに座る乙女たちを呼んだ。
「これからの行程は把握してはりますか」
「ウン。郡山についたらお車借りていわきまで!」
「おお、よう覚えてたえらいえらい──キヨの修論材料は明日にまわすとして、今日は早めに宿入ろう。ふたりとも、ついたらちゃんと保護者に連絡いれたれよ」
「あーい」
「ハーイ」
かわいらしく手をあげたふたりに、浜崎の口元は自然とほころんだ。
どうしてこう、女の子というのは癒されるものか。
まもなく東京──。
新横浜を越えてほどなく、新幹線のアナウンスが響いた。
0
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ランの父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリーだった。
ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。
学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。
当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。
同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。
ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。
そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。
まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。
その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。
こうしてジュリーとの同居が決まった。
しかもジュリーの母親、エリカも現われ、ランの家は賑やかになった。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
呪われた少女の秘された寵愛婚―盈月―
くろのあずさ
キャラ文芸
異常存在(マレビト)と呼ばれる人にあらざる者たちが境界が曖昧な世界。甚大な被害を被る人々の平和と安寧を守るため、軍は組織されたのだと噂されていた。
「無駄とはなんだ。お前があまりにも妻としての自覚が足らないから、思い出させてやっているのだろう」
「それは……しょうがありません」
だって私は――
「どんな姿でも関係ない。私の妻はお前だけだ」
相応しくない。私は彼のそばにいるべきではないのに――。
「私も……あなた様の、旦那様のそばにいたいです」
この身で願ってもかまわないの?
呪われた少女の孤独は秘された寵愛婚の中で溶かされる
2025.12.6
盈月(えいげつ)……新月から満月に向かって次第に円くなっていく間の月
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
煙草屋さんと小説家
男鹿七海
キャラ文芸
※プラトニックな関係のBL要素を含む日常ものです。
商店街の片隅にある小さな煙草屋を営む霧弥。日々の暮らしは静かで穏やかだが、幼馴染であり売れっ子作家の龍二が店を訪れるたびに、心の奥はざわめく。幼馴染としてでも、客としてでもない――その存在は、言葉にできないほど特別だ。
ある日、龍二の周囲に仕事仲間の女性が現れ、霧弥は初めて嫉妬を自覚する。自分の感情を否定しようとしても、触れた手の温もりや視線の距離が、心を正直にさせる。日常の中で少しずつ近づく二人の距離は、言葉ではなく、ささやかな仕草や沈黙に宿る。
そして夜――霧弥の小さな煙草屋で、龍二は初めて自分の想いを口にし、霧弥は返事として告白する。互いの手の温もりと目の奥の真剣さが、これまで言葉にできなかった気持ちを伝える瞬間。静かな日常の向こうに、確かな愛が芽吹く。
小さな煙草屋に灯る、柔らかく温かな恋の物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる