16 / 53
神同人作家は陸くんを溺愛する
またね
しおりを挟む
デジャヴを覚えるほどの重さのトートバッグを肩にかけて高西先生のスペースに行くと、売り子さんが僕を見つけて後ろにいた先生に声をかけた。どうやら顔を覚えてくれたみたいだ。
「お疲れ様! あ、ネックレスしてくれてるんだ」
高西先生の言葉に一瞬、売り子さんは驚きつつも、そのままスルーして本の整理をしている。何か誤解されてしまいそうだけど、まあいいか。
「似合いますか?」
「うん、良き良き」
微笑みながら高西先生は新刊の【あかつきのソラ】を僕に手渡してくれた。久々の書き下ろし! 僕がまじまじと本を見ていると先生は少し微笑んだ。
「あげるよっていっても陸くんのことだから買ってくれるんでしょ」
「当たり前です!」
僕はお金を取り出し先生に渡す。先生は昨日書いていたサイン入りの名刺をくれた。
「感想聞かせてね」
「はい!」
それからしばらくするとお客さんが増えてきたので名残惜しいけど、僕はスペースを離れることにした。高西先生に会えるのはまた半年後。ああ寂しいな、もっと会いたいな。ネックレスのプレートを握っていると高西先生は小さな声でこう言った。
「今度はイベント抜きで会おうよ。また連絡するから」
会う約束は叶うか分からないけれど、高西先生も同じ気持ちでいたことが嬉しくて思わず口元が緩んだ。
それからは今まで以上に高西先生熱が昂りすぎて、先生の作品を読んでいると色々思い出して先が読めなくなるほどの重症。
【あかつきのソラ】だって即売会から二週間経過しているのに全部読めていない。いつもなら購入した翌日には一気読みしているというのに。早く感想を送らなければ、と思うつつも読むと思い出してしまう。
あの日頬を触れてきた指とか、半年前の限定品とか。僕に向けてくれた笑顔とか。
高西先生からのメールに返信しながらも日々想いが募っていく。こんな気持ち、もう一読者な訳がない。僕は先生が好きなんだ。
相変わらず高西先生のメールは修羅場になると途絶える。そしてある日突然復活するのがちょっと面白い。以前と変わったのは通話がプラスされるようになったんだ。
「お疲れ様! あ、ネックレスしてくれてるんだ」
高西先生の言葉に一瞬、売り子さんは驚きつつも、そのままスルーして本の整理をしている。何か誤解されてしまいそうだけど、まあいいか。
「似合いますか?」
「うん、良き良き」
微笑みながら高西先生は新刊の【あかつきのソラ】を僕に手渡してくれた。久々の書き下ろし! 僕がまじまじと本を見ていると先生は少し微笑んだ。
「あげるよっていっても陸くんのことだから買ってくれるんでしょ」
「当たり前です!」
僕はお金を取り出し先生に渡す。先生は昨日書いていたサイン入りの名刺をくれた。
「感想聞かせてね」
「はい!」
それからしばらくするとお客さんが増えてきたので名残惜しいけど、僕はスペースを離れることにした。高西先生に会えるのはまた半年後。ああ寂しいな、もっと会いたいな。ネックレスのプレートを握っていると高西先生は小さな声でこう言った。
「今度はイベント抜きで会おうよ。また連絡するから」
会う約束は叶うか分からないけれど、高西先生も同じ気持ちでいたことが嬉しくて思わず口元が緩んだ。
それからは今まで以上に高西先生熱が昂りすぎて、先生の作品を読んでいると色々思い出して先が読めなくなるほどの重症。
【あかつきのソラ】だって即売会から二週間経過しているのに全部読めていない。いつもなら購入した翌日には一気読みしているというのに。早く感想を送らなければ、と思うつつも読むと思い出してしまう。
あの日頬を触れてきた指とか、半年前の限定品とか。僕に向けてくれた笑顔とか。
高西先生からのメールに返信しながらも日々想いが募っていく。こんな気持ち、もう一読者な訳がない。僕は先生が好きなんだ。
相変わらず高西先生のメールは修羅場になると途絶える。そしてある日突然復活するのがちょっと面白い。以前と変わったのは通話がプラスされるようになったんだ。
0
あなたにおすすめの小説
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
氷の支配者と偽りのベータ。過労で倒れたら冷徹上司(銀狼)に拾われ、極上の溺愛生活が始まりました。
水凪しおん
BL
オメガであることを隠し、メガバンクで身を粉にして働く、水瀬湊。
※この作品には、性的描写の表現が含まれています。18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。
過労と理不尽な扱いで、心身ともに限界を迎えた夜、彼を救ったのは、冷徹で知られる超エリートα、橘蓮だった。
「君はもう、頑張らなくていい」
――それは、運命の番との出会い。
圧倒的な庇護と、独占欲に戸惑いながらも、湊の凍てついた心は、次第に溶かされていく。
理不尽な会社への華麗なる逆転劇と、極上に甘いオメガバース・オフィスラブ!
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる