7 / 21
本編
7.初めての巣作り① ※
しおりを挟む「……はる」
「だ、れ?」
「千晴?」
「……うん」
「これをやったのは、君なのか?」
ぼんやりと目の前に浮かんだのは、とても綺麗な瞳だ。
「やっ……た? な、にを」
ぼくは、とても優しく頭を撫でられた。ああ、目の前にいるのは彼だ。
頭の芯が蕩けたままで、目の前の体に顔を近づけた。とびきりいい匂いがする。
「……いい匂い。もっと」
「もっと? もう、十分集めただろう」
(何のことだろう? ぼくが何を集めたって?)
くすくすと、楽しそうに笑う声。彼がとても嬉しそうだから、ぼくも思わず笑顔になる。
朦朧とした頭で周りを見れば、ぼくは大きなベッドに転がっている。両手にしっかり持っているのは、大きなシャツだ。それから、枕の横にあるのは青いスウェットで、白のパーカーもある。自分の体の下には、たくさんの服が敷き詰められている。その中に身を置いていると、幸せな気持ちと同時に体が熱くて仕方がなかった。
口から思わずはあ、と熱い息が漏れる。
「千晴、大丈夫?」
「……から、だ、熱い」
「そうだね、熱いよね。どうする?」
耳元で甘い声で囁かれて、自分の陰茎が勃ち上がっているのがわかる。下着の中で膨れ上がって苦しくて仕方ない。
「ぬぎ、たい」
「脱がせてもいい?」
「……ん」
こくんと頷くと、綺麗な長い指がぼくのシャツのボタンを一つずつ外していく。
「ごめんね、ちょっとだけ握ってるシャツを離してくれる?」
服を脱ぐ時に、両手にシャツを握ったままではうまく脱ぐことが出来ない。それでも離したくなくてぐずっていると、唇にキスをされた。驚いて手を離すと、するりと自分の着ていたシャツを脱がされた。唇の間から舌が入ってきて、優しく舌を絡めていく。舌が溶けあってお互いの唾液が混じり合う。こくりと飲み込めば、もうたまらなかった。体が震えて、陰茎の先から雫が零れる。それだけじゃない。ひくついている場所からは、とろりとこぼれてきたものがある。
「あ……んっ」
「ああ、匂いが強くなってる。こんなに甘いんだね」
肌をゆっくりと熱い舌が這う。乳首の先を吸われて、噛まれて、転がされている。
(ああ、気持ちいい)
頭の中がふわふわして、それでも、もっと、もっとと思う。
「うん、ちょっと待ってね。俺も全部脱ぐから」
甘くて優しい彼の声が気持ちいい。少しの間でも、体が離れたら寂しい。手に触れたのは、シーツの上にあった彼のタオルだ。鼻先に持っていくと、じれたような声が聞こえた。
「……もう。可愛いな。そんなのより、本物をあげるから」
裸になった彼が、ぼくのズボンを性急に脱がした。下着を剥がされれば、ぐっしょりと濡れた部分があらわになる。もうぬるぬるになっていた陰茎を扱かれて、たまらず声が出た。
「あ! ……あああ、や、あ!」
「ああ、もうこんなにぐちゃぐちゃだ。……ここだけじゃないね」
ベッドに横にされ、ふう、ふうと息をつきながらぼんやりと目を開ける。彼の均整の取れた体の下に、そそり立つ大きなペニスが見えた。ぼくのものとは、全然大きさが違う。
「おっき……い」
「っ! そんなこと言われると、興奮するんだけど」
ぼくは、手を伸ばして、彼のペニスに触れる。熱くて、硬くて、濡れている。ぼくの手には余るぐらい大きい。
「ち、はる。だめだ」
ちゅ、と唇にキスをされる。ぼくは彼の首に両手を回す。もう一度唇を重ねた時だった。彼の右手がぼくの陰茎からお尻の間に回って、指が後孔の入り口で止まる。そこからはもう、とろとろと蜜液が滴り落ちていた。
154
あなたにおすすめの小説
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
2026/01/23 19:00 アルファポリス版限定SS公開予定
累計で6300♡いいねと累計ポイント285000突破の御礼SSになります
陰日向から愛を馳せるだけで
麻田
BL
あなたに、愛されたい人生だった…――
政略結婚で旦那様になったのは、幼い頃、王都で一目惚れした美しい銀髪の青年・ローレンだった。
結婚式の日、はじめて知った事実に心躍らせたが、ローレンは望んだ結婚ではなかった。
ローレンには、愛する幼馴染のアルファがいた。
自分は、ローレンの子孫を残すためにたまたま選ばれただけのオメガに過ぎない。
「好きになってもらいたい。」
…そんな願いは、僕の夢でしかなくて、現実には成り得ない。
それでも、一抹の期待が拭えない、哀れなセリ。
いつ、ローレンに捨てられてもいいように、準備はしてある。
結婚後、二年経っても子を成さない夫婦に、新しいオメガが宛がわれることが決まったその日から、ローレンとセリの間に変化が起こり始める…
―――例え叶わなくても、ずっと傍にいたかった…
陰日向から愛を馳せるだけで、よかった。
よかったはずなのに…
呼ぶことを許されない愛しい人の名前を心の中で何度も囁いて、今夜も僕は一人で眠る。
◇◇◇
片思いのすれ違い夫婦の話。ふんわり貴族設定。
二人が幸せに愛を伝えあえる日が来る日を願って…。
セリ (18)
南方育ち・黒髪・はしばみの瞳・オメガ・伯爵
ローレン(24)
北方育ち・銀髪・碧眼・アルファ・侯爵
◇◇◇
50話で完結となります。
お付き合いありがとうございました!
♡やエール、ご感想のおかげで最後まではしりきれました。
おまけエピソードをちょっぴり書いてますので、もう少しのんびりお付き合いいただけたら、嬉しいです◎
また次回作のオメガバースでお会いできる日を願っております…!
結婚間近だったのに、殿下の皇太子妃に選ばれたのは僕だった
釦
BL
皇太子妃を輩出する家系に産まれた主人公は半ば政略的な結婚を控えていた。
にも関わらず、皇太子が皇妃に選んだのは皇太子妃争いに参加していない見目のよくない五男の主人公だった、というお話。
【本編完結済】巣作り出来ないΩくん
こうらい ゆあ
BL
発情期事故で初恋の人とは番になれた。番になったはずなのに、彼は僕を愛してはくれない。
悲しくて寂しい日々もある日終わりを告げる。
心も体も壊れた僕を助けてくれたのは、『運命の番』だと言う彼で…
俺はつがいに憎まれている
Q矢(Q.➽)
BL
最愛のベータの恋人がいながら矢崎 衛というアルファと体の関係を持ってしまったオメガ・三村圭(みむら けい)。
それは、出会った瞬間に互いが運命の相手だと本能で嗅ぎ分け、強烈に惹かれ合ってしまったゆえの事だった。
圭は犯してしまった"一夜の過ち"と恋人への罪悪感に悩むが、彼を傷つける事を恐れ、全てを自分の胸の奥に封印する事にし、二度と矢崎とは会わないと決めた。
しかし、一度出会ってしまった運命の番同士を、天は見逃してはくれなかった。
心ならずも逢瀬を繰り返す内、圭はとうとう運命に陥落してしまう。
しかし、その後に待っていたのは最愛の恋人との別れと、番になった矢崎の
『君と出会いさえしなければ…』
という心無い言葉。
実は矢崎も、圭と出会ってしまった事で、最愛の妻との番を解除せざるを得なかったという傷を抱えていた。
※この作品は、『運命だとか、番とか、俺には関係ないけれど』という作品の冒頭に登場する、主人公斗真の元恋人・三村 圭sideのショートストーリーです。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる