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1 公爵令嬢なのに社会人デビュー
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安定した給料と週二の休日。さらに、夏季と冬季プラス年末年始の特別休暇にその上、年十日の有給休暇付き。
よほどの悪さをしない限り定年まで勤め上げられる終身雇用制度に、在籍していれば確実な年一度の昇給。
古きよきレーヴァンダール帝国の就業体系に守られた城勤めへの期待と、晴れて社会人となった自由に、私、モニカ・クラウスティンの胸は希望で目一杯膨らんでいた。
「皇族部皇子課に配属ですか?」
「ええ。試用期間は三ヶ月です。ひた向きに取り組めば、正式に官職として採用されますから頑張ってくださいね」
「はい! よろしくお願いいたします!」
皇族絡みの部署を新人が任せられてもいいのだろうかと疑問が浮かんできたが、早く一人前の社会人になりたいと考えてきた私は、これから一つ一つ覚えて行けばいいのだと気合いを入れ直した。
「あ、新人さんに係名を伝えるのを忘れてしまいましたね。まぁいいか」
この国の貴族社会では、学生時代に交流を深め、女性が学園を卒業するのに合わせて男性が婚約の申し入れをする。女性の学力を下げないため、延いては国力を下げないためにと出来た慣例だ。
男性の比率が多いため、帝国学園の卒業式であぶれた女性は何かしら問題ありのレッテルを貼られる。
私は本来なら働かなくてもいい身分の家に生まれた。公爵令嬢ってやつだ。そんな私にも婚約者がいない。公爵家と云うだけで相手は選り取り見取りだったはずなのに、完全にあぶれた側だ……。だから、こうして城勤めの官僚になったのだが――――なんでこうなったのか――――それには、私の学生時代に起きた事を説明しなくてはならない。
学生の頃、馬鹿らしい濡れ衣を着せられ、それからくだらない苛めに遭ったのだ――
「きゃあモニカ様よ。いつ見てもお綺麗だわ」
「今日もサラサラロングストレートの黒髪に、セレストブルーの瞳がクールビューティーですわね」
「正に才色兼備とは、モニカ様のためにある言葉ね」
いつも皆、私の容姿を非の打ち所がないと褒めそやしてくれる。確かに自分でも各部のパーツや配置は整っていると思えるが、黒い髪も薄い青の目も冷たく見える気がして、コンプレックスを抱いている。成績トップであり続けるのも、それなりにプレッシャーを感じるのだ。
だから、金髪でゆるく波打った柔らかそうな髪を持つ華やかで天真爛漫な娘に憧れがある。でも、公爵家に生まれた者として、ネガティブなところは見せないように気をつけ、常に真っ直ぐに前を向き、胸を張って振る舞うよう心掛けていた。
「アニーさん、ライザさん、おはようございます」
「「おはようございます、モニカ様」」
同じ学年の二人に挨拶をしていると、遠くから元気良く駆け寄って来る人物がいた。
「モニカぁー、おはよう!」
「ドロテアさん、おはようございます」
唯一、私を気軽に呼び捨てで呼んでくれる親友のドロテア。キリリとした眉と目、ツンと上を向いた鼻の上にはソバカスが浮かび、クルンとした薄茶の髪がとてもチャーミングな伯爵家の一人娘だ。
「来週には、第二皇子のユリアン様とセオドア様が留学に行ってしまうのよねぇー」
「卒業パーティーの翌日には出立するみたいですよ。セオ兄様が居なくなると、静か過ぎて寂しくなりますね」
「なあに、一年で戻ってくるじゃないか」
大きな影が射したかと思ったら、噂のセオドア兄様が立っていた。
「きゃあ! セオドア様、おはようございます」
「おっはよぉーさん」
「朝から痛いですよ。止めてください、セオ兄様」
私の頭を、力一杯グリグリと撫で回すセオ兄様。ノリは軽い感じだが、これでも公爵家の嫡男だ。私たちは同じ爵位で歳が一つ違いということもあって、幼い頃から家同士の交流も多く、本当の兄妹の様に育ってきた。
「俺が帰ってくるまでちゃぁんと勉強して、しっかり卒業しとけよ?」
「セオ兄様に言われなくてもちゃんとします!」
私とセオ兄様がジャレついていると、遮るように背後から耳触りの良いテノールボイスが聞こえた。
「セオドア。始業の鐘が鳴りますよ」
「ユリアン様……」
この国の第二皇子ユリアン・レーヴァンダール様だ。思わず緊張で身体が強張る。ユリアン様のお顔は、人の視線を阻むフルのマスカレードマスクで覆われている。口周りに空間がある型のマスクのため、お食事の際にも外すことはない。
幼い頃に罹った病のせいでお顔に痕が残ったため常に身につけているらしいが、その事に触れるのはこの国のタブーとされている。些細な物事に気を取られないガサツなセオ兄様だけは、全く気にしていないようだが。だから二人は仲が良いのかもしれない。
緊張に強張る私とドロテアにおかまいなく、大型犬の様なセオ兄様だけは、「分かった、分かった」と豪快にユリアン様の肩を叩き、笑いながら二人で最高学年の教室へと入っていった。お二人が帝国学園に居るのも残り一週間。程なくして、今度は私たちが最高学年となる。誕生日を迎えて十六歳になれば成人だ。
(将来の事を考えていかないと……。でも、好きな人も出来ないし、公爵家にとって良い縁談相手といえる方もいないわね……)
両親は私の気持ちを優先してくれている。でも、本の中で描かれているような、胸をときめかせてくれる男性との出会いもない。私が物思いに耽っていると、ドロテアが顔を寄せヒソヒソと言ってきた。
「やっぱり第二王子殿下って、不気味で怖い感じがする」
「それを言うものではないわ。御本人が一番辛いはずですから」
私のお小言に頬を膨らませて不服そうにしたが、ドロテアは切り替えが早い。
「そうかなぁ。あ~あ、モニカはあんなにセオドア様と仲が良くてうらやましい」
「セオ兄様は優しくて頼もしいですけれど、もう少し力加減を覚えて欲しいですね。困った人です」
眉尻を下げ相槌を打った後「あ」と、何かを思いついたようにドロテア。
「今のうちに来年学ぶ授業について、セオドア様からご指導いただきましょうよ!」
「そうですね……。じゃあ、お願いしてみますか?」
きっとセオ兄様は、留学前でどんなに忙しくしていても快諾してくれる。申し訳なく感じたが、親友の願いも聞き届けたい。
「お願いね、モニカ! これから放課後は空けておくようにする!」
この時の私は、公爵令嬢として皆にチヤホヤされ、天真爛漫な親友や頼りになる幼なじみに囲まれ、充実した学園生活を送っていた。
よほどの悪さをしない限り定年まで勤め上げられる終身雇用制度に、在籍していれば確実な年一度の昇給。
古きよきレーヴァンダール帝国の就業体系に守られた城勤めへの期待と、晴れて社会人となった自由に、私、モニカ・クラウスティンの胸は希望で目一杯膨らんでいた。
「皇族部皇子課に配属ですか?」
「ええ。試用期間は三ヶ月です。ひた向きに取り組めば、正式に官職として採用されますから頑張ってくださいね」
「はい! よろしくお願いいたします!」
皇族絡みの部署を新人が任せられてもいいのだろうかと疑問が浮かんできたが、早く一人前の社会人になりたいと考えてきた私は、これから一つ一つ覚えて行けばいいのだと気合いを入れ直した。
「あ、新人さんに係名を伝えるのを忘れてしまいましたね。まぁいいか」
この国の貴族社会では、学生時代に交流を深め、女性が学園を卒業するのに合わせて男性が婚約の申し入れをする。女性の学力を下げないため、延いては国力を下げないためにと出来た慣例だ。
男性の比率が多いため、帝国学園の卒業式であぶれた女性は何かしら問題ありのレッテルを貼られる。
私は本来なら働かなくてもいい身分の家に生まれた。公爵令嬢ってやつだ。そんな私にも婚約者がいない。公爵家と云うだけで相手は選り取り見取りだったはずなのに、完全にあぶれた側だ……。だから、こうして城勤めの官僚になったのだが――――なんでこうなったのか――――それには、私の学生時代に起きた事を説明しなくてはならない。
学生の頃、馬鹿らしい濡れ衣を着せられ、それからくだらない苛めに遭ったのだ――
「きゃあモニカ様よ。いつ見てもお綺麗だわ」
「今日もサラサラロングストレートの黒髪に、セレストブルーの瞳がクールビューティーですわね」
「正に才色兼備とは、モニカ様のためにある言葉ね」
いつも皆、私の容姿を非の打ち所がないと褒めそやしてくれる。確かに自分でも各部のパーツや配置は整っていると思えるが、黒い髪も薄い青の目も冷たく見える気がして、コンプレックスを抱いている。成績トップであり続けるのも、それなりにプレッシャーを感じるのだ。
だから、金髪でゆるく波打った柔らかそうな髪を持つ華やかで天真爛漫な娘に憧れがある。でも、公爵家に生まれた者として、ネガティブなところは見せないように気をつけ、常に真っ直ぐに前を向き、胸を張って振る舞うよう心掛けていた。
「アニーさん、ライザさん、おはようございます」
「「おはようございます、モニカ様」」
同じ学年の二人に挨拶をしていると、遠くから元気良く駆け寄って来る人物がいた。
「モニカぁー、おはよう!」
「ドロテアさん、おはようございます」
唯一、私を気軽に呼び捨てで呼んでくれる親友のドロテア。キリリとした眉と目、ツンと上を向いた鼻の上にはソバカスが浮かび、クルンとした薄茶の髪がとてもチャーミングな伯爵家の一人娘だ。
「来週には、第二皇子のユリアン様とセオドア様が留学に行ってしまうのよねぇー」
「卒業パーティーの翌日には出立するみたいですよ。セオ兄様が居なくなると、静か過ぎて寂しくなりますね」
「なあに、一年で戻ってくるじゃないか」
大きな影が射したかと思ったら、噂のセオドア兄様が立っていた。
「きゃあ! セオドア様、おはようございます」
「おっはよぉーさん」
「朝から痛いですよ。止めてください、セオ兄様」
私の頭を、力一杯グリグリと撫で回すセオ兄様。ノリは軽い感じだが、これでも公爵家の嫡男だ。私たちは同じ爵位で歳が一つ違いということもあって、幼い頃から家同士の交流も多く、本当の兄妹の様に育ってきた。
「俺が帰ってくるまでちゃぁんと勉強して、しっかり卒業しとけよ?」
「セオ兄様に言われなくてもちゃんとします!」
私とセオ兄様がジャレついていると、遮るように背後から耳触りの良いテノールボイスが聞こえた。
「セオドア。始業の鐘が鳴りますよ」
「ユリアン様……」
この国の第二皇子ユリアン・レーヴァンダール様だ。思わず緊張で身体が強張る。ユリアン様のお顔は、人の視線を阻むフルのマスカレードマスクで覆われている。口周りに空間がある型のマスクのため、お食事の際にも外すことはない。
幼い頃に罹った病のせいでお顔に痕が残ったため常に身につけているらしいが、その事に触れるのはこの国のタブーとされている。些細な物事に気を取られないガサツなセオ兄様だけは、全く気にしていないようだが。だから二人は仲が良いのかもしれない。
緊張に強張る私とドロテアにおかまいなく、大型犬の様なセオ兄様だけは、「分かった、分かった」と豪快にユリアン様の肩を叩き、笑いながら二人で最高学年の教室へと入っていった。お二人が帝国学園に居るのも残り一週間。程なくして、今度は私たちが最高学年となる。誕生日を迎えて十六歳になれば成人だ。
(将来の事を考えていかないと……。でも、好きな人も出来ないし、公爵家にとって良い縁談相手といえる方もいないわね……)
両親は私の気持ちを優先してくれている。でも、本の中で描かれているような、胸をときめかせてくれる男性との出会いもない。私が物思いに耽っていると、ドロテアが顔を寄せヒソヒソと言ってきた。
「やっぱり第二王子殿下って、不気味で怖い感じがする」
「それを言うものではないわ。御本人が一番辛いはずですから」
私のお小言に頬を膨らませて不服そうにしたが、ドロテアは切り替えが早い。
「そうかなぁ。あ~あ、モニカはあんなにセオドア様と仲が良くてうらやましい」
「セオ兄様は優しくて頼もしいですけれど、もう少し力加減を覚えて欲しいですね。困った人です」
眉尻を下げ相槌を打った後「あ」と、何かを思いついたようにドロテア。
「今のうちに来年学ぶ授業について、セオドア様からご指導いただきましょうよ!」
「そうですね……。じゃあ、お願いしてみますか?」
きっとセオ兄様は、留学前でどんなに忙しくしていても快諾してくれる。申し訳なく感じたが、親友の願いも聞き届けたい。
「お願いね、モニカ! これから放課後は空けておくようにする!」
この時の私は、公爵令嬢として皆にチヤホヤされ、天真爛漫な親友や頼りになる幼なじみに囲まれ、充実した学園生活を送っていた。
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