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Act.1
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アンティウヌにうけた傷も癒えてきた深夜、眠りについた五人は無意識のうち、再びネットシティに入り込んで行った。昨夜の傷はすっかりふさがり、無事だった仲間達と手を取って喜ぶ竜也達を、想は一段としらけたまなざして見つめた。
「ふざけるなよな。なんで寝るだけでいちいちこんな所にひっぱられてこなくちゃいけないんだ。まともに寝ることもできない」
昨夜のゴーヌからの攻撃がよほど屈辱だったのか、今夜の想の機嫌は、とてつもなく悪かった。
「じゃあ起きればいいだろ」
まだ少し背中を気にしながらの沙弥の言葉に、想はピリピリした視線を向ける。想は昨夜アンティウヌの攻撃から守ってくれた沙弥に気づいていなかった。
「……そうだな。バカ正直に寝る事はないんだよな」
「想さん! 望月さんは……」
「竜也言うな!!」
竜也と沙弥は同じ高校一年生だが、強く出られてしまうといくらリーダーであろうと、逆らうことができないのが竜也の悲しい性分なのである。
想と沙弥はお互い黙り込み、お互いを睨みつけたまま、一言も言葉を交わそうとはしなかった。そうする内突然想の体が透け、すぐにその場から姿を消してしまった。
「想? おい想!?」
淳は駆けだし、付近の路地裏を見渡す。が、どこを佐がひても想の姿は見つからなかった。
「もっ望月さんどうしよう。想さんが……」
「だから。『起きた』んだろ」
想の身勝手さにあきれながら、沙弥はどこかに向かってあてもなく歩き始めた。
「望月さん、どこに行くんですか?」
「ちょっと散歩。大丈夫、『起き』やしないから」
そして沙弥はしばらく歩くと、一軒の家に入っていった、表札には『望月』と書いてあり、ここは現実世界では沙弥の家にあたる場所だった。
「本っ当に、チームワークなってねーよな。オレらって」
「そ、それはそうだけど……僕ってやっぱりリーダーに向いてないのかな」
まるで女子のように、女々しくポロポロ涙をこぼす竜也を見ると、なぜかとてつもなく激しい怒りを覚える淳。まるで女をなぐさめているような気分になる。
「だから泣くなって! そ、そーゆー風に泣くからイゲンっつーモンがねーんだろ! リーダーの!!」
「でも……ぼくも想さんと望月さんの気持ち、分からなくもないです」
「あぁ?」
「確かに、訳も分からないうちに連れてこられた世界で、初対面の人と力を合わせろっていうのは、少しムリがありますよね。つまり想さんもそれが言いたかったんだと思います。望月さんの『起きれば』というセリフも正論で……そして 本当に想さんが起きてしまったので、望月さん少し怒ってらっしゃるようですね」
「さすが少年」
パチパチとのん気に拍手をする淳に、健太はあきれた顔で「健太です」と訂正する。
「で?」
「え?」
「オレ達、これからどうすりゃいーんですかい? リーダー様、ちゃんと指示してくれよ」
「そっそうですね。では、とりあえず望月さんを探しに行きましょうか」
「ふざけるなよな。なんで寝るだけでいちいちこんな所にひっぱられてこなくちゃいけないんだ。まともに寝ることもできない」
昨夜のゴーヌからの攻撃がよほど屈辱だったのか、今夜の想の機嫌は、とてつもなく悪かった。
「じゃあ起きればいいだろ」
まだ少し背中を気にしながらの沙弥の言葉に、想はピリピリした視線を向ける。想は昨夜アンティウヌの攻撃から守ってくれた沙弥に気づいていなかった。
「……そうだな。バカ正直に寝る事はないんだよな」
「想さん! 望月さんは……」
「竜也言うな!!」
竜也と沙弥は同じ高校一年生だが、強く出られてしまうといくらリーダーであろうと、逆らうことができないのが竜也の悲しい性分なのである。
想と沙弥はお互い黙り込み、お互いを睨みつけたまま、一言も言葉を交わそうとはしなかった。そうする内突然想の体が透け、すぐにその場から姿を消してしまった。
「想? おい想!?」
淳は駆けだし、付近の路地裏を見渡す。が、どこを佐がひても想の姿は見つからなかった。
「もっ望月さんどうしよう。想さんが……」
「だから。『起きた』んだろ」
想の身勝手さにあきれながら、沙弥はどこかに向かってあてもなく歩き始めた。
「望月さん、どこに行くんですか?」
「ちょっと散歩。大丈夫、『起き』やしないから」
そして沙弥はしばらく歩くと、一軒の家に入っていった、表札には『望月』と書いてあり、ここは現実世界では沙弥の家にあたる場所だった。
「本っ当に、チームワークなってねーよな。オレらって」
「そ、それはそうだけど……僕ってやっぱりリーダーに向いてないのかな」
まるで女子のように、女々しくポロポロ涙をこぼす竜也を見ると、なぜかとてつもなく激しい怒りを覚える淳。まるで女をなぐさめているような気分になる。
「だから泣くなって! そ、そーゆー風に泣くからイゲンっつーモンがねーんだろ! リーダーの!!」
「でも……ぼくも想さんと望月さんの気持ち、分からなくもないです」
「あぁ?」
「確かに、訳も分からないうちに連れてこられた世界で、初対面の人と力を合わせろっていうのは、少しムリがありますよね。つまり想さんもそれが言いたかったんだと思います。望月さんの『起きれば』というセリフも正論で……そして 本当に想さんが起きてしまったので、望月さん少し怒ってらっしゃるようですね」
「さすが少年」
パチパチとのん気に拍手をする淳に、健太はあきれた顔で「健太です」と訂正する。
「で?」
「え?」
「オレ達、これからどうすりゃいーんですかい? リーダー様、ちゃんと指示してくれよ」
「そっそうですね。では、とりあえず望月さんを探しに行きましょうか」
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