転生して捨てられたけど日々是好日だね。【二章・完】

ぼん@ぼおやっじ

文字の大きさ
30 / 57
第二章・リウ君のそこそこ平穏な日常

第10話 竜帝が出た。誰だそれ?

しおりを挟む
第10話 竜帝が出た。誰だそれ?


「いやー、すまんすまん。こいつがちっこいのを弟子に取ったというんでな、どんなやつか気になったのさ」

 その痴漢のおっちゃんはそう言って頭を描いた。
 爺ちゃんよりは若く見える壮年の人で、灰色の髪を後ろになでつけてピシッと固めた引き締まった戦士といった感じのおっちゃんだった。

「なあ、こいつばかだろ?
 子供好きでな、だが孫たちとはめったに会えないってんでちびっこいの見ると絡みやがるんだ」

 マシス爺ちゃんは嬉しそうにおっちゃんを馬鹿にしている。
 つまり僕と遊びたいがゆえにお風呂に突撃してきたと、みんな僕のこと好きすぎだろ?
 というかいきなり裸の付き合いは事案発生じゃないか?

 とりあえずそのおっちゃんは『竜帝』と名乗った。

「竜帝って名前なの?」

「ああ、ワシの職号だな。ユニーククラスだから他にいない、だからワシの代名詞でもあるな。一応長ったらしい名前もあるが竜帝と言えばワシ以外にないのでな、それで通る。
 名前の方は…まあ、ただの隠居ジジイだ。面倒だから気にしなくていいぞ」

 なかなか鷹揚なおっちゃん、いや、爺ちゃんらしい。
 話を聞くと昔、マシス爺ちゃんたちと冒険者パーティーを組んで国中を暴れ回ったとか言ってた。
 僕の脳裏をバイクで釘バット振り回しながら走り回る一団がよぎったけど…たぶんこれじゃないよね。

「ところでユニーククラスって何?」

「おっ、そこに食いついたか、ふむ、説明しよう、ユニークってのはなんだ…なんだ?」

 わからんのかーい、マシス爺ちゃんに話が振られました。

「ユニーククラスってのはよ、同時に二つ以上存在しねえクラスのこったな。
 特別な加護とか、称号とかで派生する…らしいぜ。
 ほれ、勇者とかだ」

 ?

 爺ちゃんの解説はよくわからん。
 よく分からんかったので聞き取り調査をしてまとめてみました。
 爺ちゃんの弟子ってこういうので能力が高くなるんだと思うな。

 ぶっちゃけユニーククラスというのは固有《ユニーク》クラスであった。
 そのまんまだね。

 職号《クラス》というのは『一般級』から始まって、『上級』『希少級』『君主級』と登っていくわけなんだけど、条件を満たせばだれでも取得できる。が基本だったりするんだ。

 一般級のクラスなんかは条件があらかた解明されていて、狙って取れるのもあったりする。
 まあ、それでもクラスを持っている人は少数派みたい。難しいんだね。

 だから当然ランクが上がるとさらに取得が難しくなって、中には特定の条件がないと取れない極端に難しいクラスとか、一時代に一人しか存在しないクラスとかもあるんだって。
 これをユニーククラスと呼んでちょっと特別なものとして扱っているみたい。

 竜帝というのは『大騎士』の職号を持っていた爺ちゃんが、ドラゴンを倒して『竜殺し』の称号を得たときに進化したもので、おそらく世界で竜帝の爺ちゃんだけ。
 だからユニーククラスでいいんだってさ。

 あと勇者みたいにいきなりその職号が付与されて、条件とかぜんぜんわからんちん。とかいうのもあったりする。
 神様たちのやることだから、たぶん思い付きとか、気分とか、そういうものも関係あるのじゃなかろうか?

《まさか~》

 ? ? ?

 まっ、まあ、そんなわけで竜帝の爺ちゃんはとても強い人だということだった。
 その割にはフウカ姉ちゃんの攻撃で見事に吹っ飛んでたけど。

「リウ太よ、いいか、男には避けてはならない攻撃というのがあるのだ」

 ああ、うん、それは分かるよ。
 でもだからと言って竜帝の爺ちゃんが達人である証明にはならないと思うぞ。

「おっ、言うじゃないか、どれ、それじゃ一丁けいこをつけてやろう」

 そう言うと竜帝の爺ちゃんは僕のことをひょいと持ち上げた。
 みんな僕のことを気楽に持ち運びすぎると思う。

◇・◇・◇・◇

「リウたん、がんばってー」

 フウカ姉の声援が飛んでくる。頑張ってって言われてもねえ…

 場所は修練場だね、マシス爺ちゃんはこの魔塔の15階から20階と屋上を占有している。
 15階、16階、17階が爺ちゃんのお弟子さん関連の施設なんだ。お弟子さんたちのお部屋とか、大浴場とか修練場とかだね。
 フウカ姉ちゃんみたいな爺ちゃんのお仕事を手伝う人たちは18階に住んでいる。
 僕はとりあえず18階に放り込まれました。

 まあ、それはさておき、ここにいるのはみんなお医者を目指している人のはずなのに、なぜかスポーツジム見たいな訓練施設とか修練場とかある。
 修練場は広いんだけどどことなく道場みたいな雰囲気で、一番奥に神棚みたいなのがあって、そこに掛け軸があって、掛け軸にはものすごく達筆な毛筆で『エスタル・アーゼ神』と書かれていたりする。
 多分これが御本尊なのかな?

 あなたの知らない世界ではないけど、あなたのよくわからない世界ではある。
 語呂が悪いね。

 その修練場で僕と竜帝の爺ちゃんは向かい合っていた。
 これはどういう状況だろうか?

「修練だぞ?」

「それは分かるけど」

 なぜそうなっているかが問題なのだよ。

 ここにはもともと他にも修練している人がいて、僕たちが来たらなぜか人を呼び集めて、どういうわけか僕の応援団が結成されていたりする。

「頑張れ坊主!」
「スパっていけスパッと」
「坊や応援しているよー」
「リウタンていうの? かわいいー」

 いいえ、僕の名前はリウです。リウタンではありません。

「チビ助、もし勝ったら好きなもの買ってやるぞー」

「「「「「「セコイ!」」」」」」

 うん、そうだよね、竜帝とか言う英雄と子供が戦って子供が勝つと思う方がおかしい。
 阿呆は周りにいた人たちにどつかれて倒れました。

「よし、リウ、かーるくやってみるか」

 竜帝の爺ちゃんが、面倒くさいから竜爺でいい?
 木刀を構えてこっちを見ている。
 元が騎士だから盾と剣を装備するみたい。
 僕は…素手?

 うーん、ますます勝負にならない気がしてきた。

「じいちゃーん」

「おう、頑張れよリウ」

 リーゼントのヤンキージジイが二かっと笑ってサムズアップ。
 やくにたたねえーーーっ。
 仕方ない。

「お願いします」

 僕は空手家みたいにしっかりと頭を下げた。

「おっ? おう、、お願いします」

 竜爺挨拶は大事だぞ。武道というのは礼に始まって礼に終わるのだ。

□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

 オネガイ。
 リウ太の話を読んで面白い、続きを読みたい。と思っていただけましたら応援してやってください。
 今ちょっと作者が真剣にエネルギーを必要としております。
 お願いします。

 

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

神々に見捨てられし者、自力で最強へ

九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。 「天職なし。最高じゃないか」 しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。 天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

狼になっちゃった!

家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで? 色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!? ……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう? これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。 スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。 ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。 驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。 ※カクヨムで先行配信をしています。

処理中です...