書道が『神級』に昇格!?女神の失敗で異世界転移して竜皇女と商売してたら勇者!聖女!魔王!「次々と現れるので対応してたら世界を救ってました」

銀塊 メウ

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第九章 邪神降臨

第291話 邪神降臨

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 巨大な魔法陣が空に現れた。
 これが邪神復活の儀式。

 膨大な魔力が既に込められておりなぜ今まで気が付かなかったのか?いや、今はそんなことはいい!なんとしてもあの魔法陣を破壊しないと、あれなら破魔の筆払いで十分破壊出来る。

 筆に魔力を込める。
 一部でもいい、線を消せば復活を防げるはず。

 黒い鎧から墨を出し急浮上。
 筆を振る。

 
「もちろん邪魔はさせないよ」
 目の前の景色が大きく歪む。
 これは空間転移!?飛ばされる!
 即座に横に移動し躱そうとするが、空間の歪みはすでに魔法陣全面に覆われ攻撃をする隙がない。

「コンニャロ~!力尽くだー!」
 空間転移だって魔法!魔法を無効化する破魔の筆払いならやれないことはない。とは言え特殊な魔法、突破するには相当な魔力が必要になる。

 俺は筆に込まれるだけ魔力を込める。
 ただ問題がある。
 突破出来るだけの威力を出すには結構時間がかかるんだけど待っては……くれないみたい。

 歪んだ空間から魔力弾が次々と飛んでくる。
 魔力を限界以上に溜めるには集中力がいる。
 躱す余裕も防ぐ余裕もない。
 そういう時は、仲間に頼るべし!

「風太、ジャンヌ頼んだ!」
 
「任せろ!『風陣』」
「お任せください!『アクセルダンス』『シャインソード』」

 風太は風の盾を張り、ジャンヌは光の剣を手に空を高速で駆け、数百発もの魔力弾を止めた。

「二人ともサンキュー!助かった!『破魔の筆払い|無間(むげん)|乱』

 魔を消し去る筆の高速連撃、空間に干渉する力を消し去り突破口を開く。俺は魔法陣の傍まで行くと渾身の力で筆を振った。

「残念でした~!そう簡単に壊させるわけないだろうが!」

 いつものようなからかうような口調から荒々しい声に変え叫ぶゾールが空間転移で近くまで接近していた。俺は筆を振っており完全に無防備、ゾールの拳が突き刺さる。バキッ……見た目が子供だから分かりにくいが重く鋭い拳、俺の肋の骨をあっさり砕く。

「ガハッ」
 俺は耐えきれず地面へと落ちていく。それをジャンヌが追い、風太は追従しながら風の盾で魔力弾を防いだ。

「ご主人様、大丈夫ですか!今すぐに治療を致します」
「あー大丈夫だ!助かる」

 ジャンヌは地面に落ちる俺を受け止めると、治療を行いながらゆっくりと着地した。

「どうする蒼字(そうじ)もう一度行くか!」
 風太は雨のように降ってくる魔力弾から俺達を守ってくれていた。止めるだけで手一杯なのに、諦めず進言してくれたことに俺は勇気を貰った。

「もちろんだ!まだまだ諦めてたまるかよ!」



「いや……諦めろよ。いい加減しつこいぞ」
 それから機嫌が悪そうな声が降ってくる。

「こっちは楽しみをこれ以上お預けされたら発狂しそうなんだよ。黙ってそこで見ていろ。良いもの見せてやるんだからよ」

 急に苛つかせ、常に穏やかだった雰囲気から怒気を放つゾール、明らかな変化に違和感を強く感じた。


「ゾールさん。キャラ変でもしたのか、口の利き方がおよろしくないと思いますぞ!」
 
「あーー悪かったな。どうやら影響を受け始めているようだ。流石は邪神、まだこちらに来ていないのに、これだけの力を放つのか、意識をしっかりと持っていないと一気に持っていかれそうだ」

 ゾールのオーラが禍々しいものに変わっていく。
 これはゾールの魔力ではない。

「さて、そろそろお出ましだ。お前達も気をしっかりと持っておけ、邪神に会うと言うことがどう言うことかを知ることになるから」

 ゾールは短剣を空に向かって投げ、短剣は空にある魔法陣に突き刺さる。魔法陣は刺さった場所から赤く禍々しく光が広がり、その光は全体に侵食していく。
魔法陣はゆっくりと回転し巨大な球状の魔法陣に変わる。

 
 バキッ…バキバキ、骨が折れるような不快な音が響鳴り怪獣のような遠吠えが響き渡る。魔法陣は真っ赤な球体に変わり、落雷が落ちたような衝撃音とともに球体に大きなヒビが入る。


「フッハハハハ、やはり違うか、だがそれで良い。更なる混沌をこの世界に起こすがいい邪神バアル・ゼブル」

 ゾールの呼び声に呼応するように球体が割れ中から十メートル以上の巨体が現れた。全身の肌が黒く額に二本の赤い角、背中に巨大な棍棒を背負っていた。


 邪神のその圧倒的な迫力に動きを止めていた俺達だったが、次の瞬間ゾールが言っていた意味を理解する。

「ガアッ…グウッ…」
 急に胸が苦しくなり身体が重くなる。身体が震えだし立っていられなくなり四つん這いになった。

 なんだこれは、魔力による圧倒的な物量もそうだが、それだけじゃない。

 俺は手のひらを見て、その震えから強い恐怖を感じていることを認識した。これか邪神の力(スキル)、俺はこのままではまともに戦うことすら出来ないと悟った。
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