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第一章 異世界暮らし
第17話 『イレギュラー』と『ネームド』
しおりを挟む「聞かせてくれよ!八本角の話」
なんだ、話を聞きたいだけか、でもさ~
威圧感が高過ぎと汗臭さが半端じゃね~
今俺は、ガチムチとハゲ軍団に囲まれ息苦しい思いをしていた。もうちょっと離れてほしい。
「八本角、ランクは不明だが最低でもAランク予想じゃ~Sランクにもなるだろう」
「へ~そうなんですか、強そうでしたもんね!」
「ん!」オッサンの眉間がピクリと動く。
「ほ~おまえさんにとってはそれ程強い相手では無かったように聞こえるのう」
「いえ、そんなことは無いですよ。実際死にかけましたし」
「ん、そうか、そう言えばまだ名のっとらんかったな。俺はオーバン、ヨロシクな!」
「あ~こちらこそ蒼字(そうじ)と言います」
「さて自己紹介が終って早速だが八本角について聞きたい」
あ!なん~だ情報収集の為に呼ばれたわけね!
それから八本角について起った出来事について説明をした。
「かー電撃を放つまで来るとはレアじゃ、こりゃーなにか対策考えておかんと全滅もありうるか?どうすっかな~」
「?………オーバンさん電撃対応の防具とかないんですか?」
「あ?…あるにはあるだろうけどそんなのバカ高いうえにその辺の店じゃ~滅多に置いてない代物だ!」
「ふん~そうなんですね」
電気を使う魔物は滅多にいないのか、俺って運わる~
「サンキューな大体分ったぜ!」
「オーバン~」※オーバンの仲間
声をかけられオーバンが振り向くと眉間にシワを寄せたキャンベルさんが立っていた。
「お!キャンベル久しぶりだな!」
「なにが久しぶりですか、ついさっきも会いましたよ!そんなことは良いです。冒険者がツルパゲに連れて行かれたと通報がありました………問題を起こすなと前にも言いましたよね」
「んな~固いこと言うなよ!情報収集だよ情報収集!冒険者たるもの、しっかり準備をしないとな!お前も教えられただろ!」
「そんなことは聞いていません!毎度毎度
情報収集のためだからって無理やり人を連れて行かないで頂けたいですね!」
グイッと顔を寄せるキャンベルさん
「おいおい、そんな怖い顔してるとせっかくの美人が台無しだぜ!」
「大きなお世話です!次やったら!処罰しますからね!」
「悪いな!キャンベル俺は最高の状態じゃないと冒険には出ない」
少しだけオーバンさんの顔が陰った気がする。
「誰も情報収集がダメとは言っていません!これからはしっかり同意取ってからにして下さい!蒼字(そうじ)様こちらへ」
俺はオーバンさんに軽く挨拶してキャンベルさんのあとをついて行った。
客室に通され中に入るとジャンさん達がいた。
「よ~大丈夫だったか?」
俺は目を細めてジャンさんをジーっと見る。
「大丈夫だったかじゃないですよ!助けて下さいよ。ガチムチのハゲたオッサン集団に囲まれて怖かったですよ!」
「いや~流石にな~オーバンさんには逆らえないって言うか、そのなんだキャンベルさんを呼んだから助かっただろ!」
「それはそうですけど………」
「蒼字(そうじ)くんごめんね!私達もオーバンさんにはお世話になってるしBランクバーティーの上位には頭が上がらないの」
「へ~オーバンさんはBランクなんだ~」
確かに見た目は強そうだもんな!普通に関わりたくないけど。
「…………ま~良いですよ!キャンベルさん査定の件お願いできますか?」
「はい、こちらで一度お預かりします」
キャンベルさんは角と魔石を受け取るとそれを別の人に渡し席につく。
「皆様今回はお疲れ様でした。これほどの相手を早い段階で討伐できたことで被害を少なくすることが出来たと思われます。本当にありがとうございました」
「何事もなくってよかったです。それで一つ聞きたいんですけどイレギュラーって何ですか?」
昨日からずっと気になって仕方なかった。
「蒼字(そうじ)様はご存知ありませんか、それではご説明します」
▽イレギュラー
魔物が何らかの理由で変異した個体
(冒険者ギルドで登録されていない個体)
通常は見つけ次第討伐依頼が発行され
早急な対応が求められる。
また、イレギュラーの討伐が長期にわたり
達成されない(約10年程)場合や被害が
深刻などの理由がある場合、その魔物は
『ネームド』と呼ばれ二つ名が付けられる。
「へ~そうなんですね!ちなみにこの辺にも
『ネームド』はいるんですか?」
「おります!この地域で2体、数十年にわたり討伐が達成されていない魔物が」
話によると………
『キマイラ』
見た目はライオンの上半身、蛇の尻尾、ヤギの
頭を持つ、高い感知能力を持っており、複数の
パーティーの攻撃をも躱す回避能力、口からは
火を吹き広範囲に攻撃をする。被害者は数百人に
ものぼる。
『アローピクス』
未だ姿をはっきり見た者はいない。現れる時
には必ず霧が発生、旅人の持っている物資を盗み
そのまま消えてしまう。幻の魔物
「説明ありがとうございます。参考になりました」
「いえ、気にしないで下さい。これも業務ですから、わからない点がありましたらいつでも聞いて下さい」
話をしていると先程査定に出した物が戻って来た。
キャンベルさんは少し話をしてからこちらに来て説明を始める。
「まず魔石ですが、700万リオンになります」
「え⁉」4人とも驚き顔を見回す。
「魔石に関しては魔力量も非常に高いこともありますが、それ以上に雷属性の力を内包しています。かなりの貴重な品となります」
そう言えば魔物で電撃を使うやつはいないって言ってたっけ。
「角に関してはですが、1300万リオンとなります」
「は~⁉」4人とも総立ちである。
「キャンベルさん、いくら何でも高すぎるのでは?」
想定外の高額に俺は声が出てしまった。
「驚くのは分かります。1000万超えの案件に関してはこのギルドでは半年振りとなります。この角に関しては今まで発見されなかった新種である貴重性とかなりの硬度を持っていることが確認できました品としての価値はSランクでも上位となります」
すごいけどどうすればいいんだ?
「ジャンさん、ケリーさんどうします?」
「なんで俺達に聞くんだよ?」
「これって蒼字(そうじ)くんが倒したんじゃない!」
ジャンさんもケリーさんも不思議な顔をしているが俺一人だったら多分死んでた!二人が助けてくれたのは間違いない。
「そんな事無いですよ!3人の勝利です。山分けと行きますか!」
俺の一言を聞いて最初は二人共遠慮していたが、やはり嬉しかったのか最終的には折れて受け取ってくれた。
ただし分け方は俺が魔石を貰い、角は二人に渡した。
その後ギルドを出てジャンさん達と別れる。
今日はパンさん達と外で食事をすることになったので目的の店に向かう。
「その良かったんですか魔石?」
リルは魔石を気にしているようだが、俺は魔石を換金せずそのまま持ってきた。雷属性の貴重な魔石武器とかの材料にしたいな~と思って持ってきてしまった。
「う~んリルはお金の方がやっぱ良かった?」
「そう言う訳では無いのですけど……ちょっと勿体ないな~と思いまして……」
「そうだなリルお金好きそうだもんな!」
「や、やめて下さいよ~私金の亡者じゃないですからね商人としてお金に敏感なだけです~」
リルは頬を膨らませて抗議、少しからかい過ぎてなだめるのに時間がかかりました。
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