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第四章 新たな仲間
第73話 家探し
しおりを挟む「あら、あなたは噂の使徒様では
ありませんか」
声をかけられた。ただそれだけで
身体のそこからゾクゾクとする。
「そう言えばあなたはお話にならない
そうですね。それでは私からご挨拶を
させて頂きます。私はこの国の第一王女
ミネルウァと申します。宜しく」
「………………」
俺は無言のまま立ち尽くしていると、
ミネルヴァ姫はそのまま横を通り
行ってしまった。
今のが人とは思いたくない。彼女の
後ろに地獄を見た。多数の魂が蠢いてそして
生きる者を恨んでいた。
あそこまで酷いのは初めてだ、
悪霊…だとは思うが、次元が違いすぎて
別物になっている。何なんだあれは?
俺はどうすれば良いか考えても
立ち尽くす。そして今はどうにも
ならないと思い帰宅した。
………………………▽
「ただいま」
家に帰るとガヤガヤとすごく騒がしい。
「これ頂戴!頂戴!頂戴!」
「レイチェルさん待ってください!
蒼字(そうじ)さんが
帰って来たら相談しますから!」
リルとレイチェルは何をしてるんだ?
「何を持ってるんだ……あれって
ボスリッチのドロップアイテムじゃん」
レイチェルはリルが持っている
ネックレスをぐいぐい引っ張っているが
まったく動かず、力でリルに勝てる
わけが無い。
「あーーそうじ~これ頂戴!」
レイチェルがこちらに走ってきて
この一言……
「その前に言うとのがあるだろうが!」
走って来た。レイチェルに
チョップを当てる。
「あ、痛~い………おかえり!」
「ただいま、レイチェル」
挨拶はそこそこに……
「これってリッチのネックレスだろ、
確か結構貴重品だった気がするんだが!」
「そのと~り、このネックレスに
付いている宝石は星竜の涙と言われる
超レアアイテムなんだよ!これがあれば
あんな物やこんな物が、グッフッフ」
「ん~俺は良いけどリルは良いのか?」
「えーーーっとそうじさんがよければ~」
リルがうるうるした目でこちらを
見ているので、恐らくリルも欲しいの
だろう。さてどうしたものか……
俺が悩んでいると、
「リルもこれ、欲しいの?」
「え、あの、なんと言いますか……」
リルはなかなかはっきりと言えない
ようで、ごもごもと口をしていると、
「はい、リルが欲しいなら良いよ」
「えっ!?」
レイチェルはリルにネックレスを
渡す。リルはさっきまでと違いあっさりと
渡され困惑する。
「あの~良いんですか?レイチェルさん
このネックレスすごく欲しいんですよね!」
「うん!すご~く欲しい!けど、
リルが欲しいなら我慢する」
「フッ、そうか、レイチェルえらいじゃん!
リルの為なら我慢出来るってわけだな!」
「もちろんさぁー友達の為なら、
このくらい楽勝だよ」
レイチェルは言葉とは裏腹に腕が
カタカタと動いている。たぶん我慢を
している。これはリルに俺からもお願い
してみるか。
「レイチェルさん、これあげます」
「え!良いの?」
リルはレイチェルにネックレスを渡す。
「すいません、私…商売の事しか考えて
いませんでした。そうです。友達が
欲しいと言っているんですから
あげるべきなんです」
お互い譲り合いなんて優しい奴ら
なんだな~と俺は少し胸が熱くなった。
「うんうん、そうだな、二人共偉いぞ。
どっちが貰うか決めるのは難しいな。
とうするか………そうだ!お互いが納得
できるように、商売で役に立つ発明を
レイチェルが作れば良いんじゃないか?」
その言葉を聞いて二人は納得、
レイチェルがネックレスを受け取り
ウキウキで発明にいそしむことになった。
そしてそこで俺は初めて気がつくことに
なった。ある一室が実験室になっている
事を……
「う、うぉーい、なんだコリャー」
「へ?どうしたのさ~蒼字(そうじ)」
「どうしたじゃない!いつの間に部屋を
改造したんだよ」
「ん~~ここに来てすぐ?」
しまったあんまり気にしてなかったけど、
こんな事に……そうだ!チーちゃん」
「チーちゃん、チーちゃんどこだ~」
それからチーちゃんを呼び話を聞くと、
レイチェルはここに来てすぐに自分が
使いやすいように部屋を勝手に改造、
パンさんも半分呆れつつ放置してくれてい
るらしい、ごめんなさいパンさん。
「リル、レイチェル緊急会議だ~」
俺は二人を呼んだ!
「俺は今思ったことがある。それは
パンさん達に甘えすぎていたことだ!
そろそろ俺達はここを出なければ
ならないと思う。二人はどう思う?」
「そうですね。居心地が良くて、
いつかは出ようと思って
いましたが忘れていました」
「え~チーちゃんのご飯美味しいのに~
出るの?」
レイチェルやかましい~
「いいか!レイチェル甘えるんじゃない!
いつまでもお世話になってはいかんのだ。
それで俺は借家を借りようと思っている。
どうだ?」
「私は賛成です!それで宛はあるん
ですか?」
「ない!これから考える」
何故なら今思ったから……
そして次の日、家を探す為、何故か
商業ギルドに行く。
「まったく、そんな事で私を呼ぶん
じゃないよ」
サリーさんは不機嫌、ま~当然かも
副ギルドマスターともなれば忙しいます。
「サリーおばあちゃんごめんなさい、
つい呼んじゃった」
サリーさんの顔が一気に緩み、
「良いんだよ~私はリルちゃんに会うのが
楽しみなんだから、むしろ毎日来て
欲しいくらいだよ」
すでに当たり前のような手のひら返し……
「あ~そうかい、いくつか紹介出来る物件が
あるからまずは見に行くと良い。案内役を
付けるから行っといで~」
…………………▽
「こちら、なかなかいい家だから」
俺達はハンナさんと言う獣人の女性に
案内して貰っている。これで5件目に
なるのだがなかなかですわ。想像以上に
ボロい、全然住みたくない。どうしよう。
「あの~もう少し綺麗な物件ありませんか、
多少値が張っても良いんで」
「え!ん~~でも皆さんお金そんなに
持ってないんでしょあんまり無理すると
あとが大変よ!」
案内の方が心配してくれているけど、
考えてみれば家賃の話してなかった。
「あの~すいません一般的な相場感を
教えて頂けますか?」
……………▽
「えーーそんなにですか!それならもっと
早く言って頂ければ、もっと中心街を
ご紹介しましたのに」
そうか……俺達はお金がないと
思われてたのね。
「はい、それでは改めてお願いします」
話はついた。気分を変えて次の物件と
思っていたら、
「あ!すいません紹介しようと思って
いた物件につきましたが、見ていきます。
それとも次へ」
喋りながら歩いていると次の
オンボロ物件についたようだが、これは……
「え……これが次の物件ですか?」
目の前には大きく立派な屋敷が
建っていた。
「はい、ここが次の物件になります。
恐らく驚きになっていると思いますが、
ここの物件に関しては家主の方は無料でも
構わないと言っておられます」
「言っている意味がわからないのですが、
こんな大きな屋敷がタダとかあり得ない
ですよ!」
「そうですね……何といいますか」
「は~……そういう事、なんかいわく付き
なんですね」
「は……い、コノヤシキハ、
ファビーサマノモノ、ナンビトタリトモ、
ウバウコトハデキナイ……サレ」
ハンナさんは急にガクンっと首を落とし
カタコトの言葉でここから去れと言って
いるけど、
「ハンナさん、憑かれてるよこれ~……
あっち行け」
俺は軽く手を振って霊気を当てると
スーっと離れて行った。
「あれ?私どうしたんでしょうか?」
「ハンナさん、この家について教えて
くれます」
「あ、はい、もちろんです」
ハンナさんの話によるとこの屋敷は
昔ヒルトン伯爵の別荘だったようで、
ヒルトン伯爵はこの場所を非常に気に入って
おり、良く来ていたそうだ。ある日野盗が
屋敷に侵入、ヒルトン伯爵を含む家族、
メイド、兵士計15人が殺害された。
その後犯人は捕まったが、数日後に
全員牢屋の中で恐怖の形相で亡くなって
いたのが見つかった。それ以来この屋敷に
近づくものは必ず不幸が訪れるなんて
言われるんですよ~怖いですね!
「俺はそんな物を勧めるあんたが怖いよ!」
しかしこれは……チャンスかもしれない!
ただでこんな豪邸が手に入るかもしれん!
「ハンナさん確認なんですけど、
本当にここはタダで借りられる……いや
タダってことは貰ったのと
変わらないですよね?」
「え~もちろんです。こんな場所
手放したいんです。でも管理上はうちの
物になっているので、貰って頂けるなら…
むしろお願いします」
ハンナさんはブルブルと震えて頭を下げる。
さっき取り憑かれて怖くなったんだろう。
「それじゃ~契約書を……」
「そうじ~さん本当にここにするんですか?
何か出ますよ!絶対……」
「ま~幽霊屋敷だからね~
もちろん出るよ幽霊」
「いっやーー」
リルが暴走俺の周りをぐるぐると回る。
そうかリルは幽霊ダメなんだ。
パワータイプは攻撃が当たらない幽霊は
苦手なのは相場で決まっているってか!
それからリルを落ち着かせ、早速契約して
俺達は屋敷のドアを開いた。
「ごめんくださ~い」
「わぁーそうじさん出ます出ますよ!」
リルが俺の腕に抱きつくが、美少女に
くっつかれるのはご褒美なのだが、リルの
場合は当てはまらないようだ~
腕が千切れ~る。
「お、落ち着け、痛い、落ち着くんだ!
痛い、大丈夫だから痛い、放して~」
「リル、落ち着くんだ、ご主人様の
腕が取れてしまう」
「あ!ごめんなさい。つい力が入って」
ジャンヌが現れ、リルを止めてくれた。
助かった~
「リル、怖いなら外で待ってていいぞ、
俺はここの幽霊を除霊して住める環境を
整えてくるから」
「でも、蒼字(そうじ)さん達だけに
任せるなんて申し訳なくって」
「リル、気にすることはない。ご主人様
ならすぐに幽霊を倒してくれる。待てば
良いのだ!」
ジャンヌがリルの頭を撫でる。
お互いに分かってないな、リル、
ジャンヌは幽霊だ!ジャンヌ、お前は
怖がられている幽霊たぞ!
「ま~良いか、ジャンヌはリルを護衛しつつ
俺達についてきてくれ」
「はい、ご主人様」
「蒼字(そうじ)さんありがとう」
「それにしても中は綺麗だな!
まるで掃除したあとみたいだ」
屋敷の中は薄暗くはあるが塵一つない。
ここには家主の者も入ってすらいないと
聞いている。つまりこれは誰か他に
侵入者がいるか、それとも……現れたか!
「カラカラカラ」メイドがカートを引いて
やって来た。
「早速現れてくれて助かるよ。
あの~すいませーんお話良いですか?」
カタカタカタと不気味な動きをして
顔を上げると、
「ギャーーー」リルの叫び声が響き渡る。
顔なしだね!どうしたの?
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