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第六章 ミネルヴァ姫の呪いと邪神召喚
第126話 王都で動き出した作戦
しおりを挟む開戦してから約半日が経過、
ドラゴンが投入されやや戦局が
押された時もあったが、それぞれの
部隊が的確に対処する事で大きな
被害は出さず膠着状態となった。
現状はお互い睨み合いをしている
だけで戦闘は行われていない。
………………▽
ここは王都の宿屋の一室
そろそろ時間になるな。ロウの
準備は終わったんだろうな。
あいつはすぐにサボる。
ネウロは………大丈夫だな。
「バロン、ボロスが呼んでいる
早く来い!」
「あ~分かったよ。この一杯を
飲んだら行くから」
優雅にブランデーを片手に
異世界では珍しいスーツの
ような服装をした男が答える。
「はぁーいい加減にしておけよ!
ロウのイヌが!この作戦にお前が
いないと成立しないから連れて来たが
俺がいつまでも我慢してると思うなよ!」
「ま~ま~怒らないで下さい。
仕事はちゃんとやりますから」
「当たり前だ!」
ガンっと音をたてドアが閉まる。
「獣人とはやはり野蛮ですか
……私とは合いません」
バロンはブランデーを一口飲み、
シルクハットをかぶり
杖を持って外へと出て行った。
…………………▽
「おい、お前ちょっと話がある」
「なんです?姫様」
「姫様とか言うな、今はリリカで良い」
「分かった。リリカ取り敢えず
そこから出ようか」
ジャンヌに警戒しているのか、
テントの裾に半分顔を
隠してこちらを見ている。
「分かった。今はあいつは居ないんだな」
オズオズとこちらに歩いてくる。
「さっきはありがとうな!」
「え!?なにが」
「これだよ!これ!」
見せられたのは絆創膏(ばんそうこう)
「治療の件ですか、気にしなくて
良いですよ」
「一応治して貰ったからな、
感謝を言っておく」
「おう、怪我したらまた言えよ」
「あ~分かった!それであいつは
何者だ?言いたくはないけど勝てる気が
しなかった。私は速さに自信があるけど
攻撃が読まれたのかそれとも私以上に
速いのか分からないけど全く当たら
なかった」
「あ~そうだよな~俺も未だに一本も
取ったこと無いんだよ!俺としては
そもそも経験値の差が大きいと思うんだよ。
手の動き、足の動き、身体の体勢、
目線、色々あると思うんだが先読み
されてるのは間違いないね」
「やっぱりそうか訓練じゃなく
もっと実戦に出ないと、
私も冒険者になって戦の経験値を
積むしかない!」
「リリカは王女だからな~
許してくれるのか?」
「ボルボが冒険者なんだから
私も良いに決まってるだろ」
「それは違うと思うけど
……ま~言ってみないと分からないか
頑張れよ!」
それからいくつか質問が続き、
「な~蒼字(そうじ)~ジャンヌは
お前の事スゲ~慕ってるけど、
蒼字(そうじ)が命の恩人とかなのか?」
名前で突然呼ばれているが、
質問の中に名前が知りたいの
と顔が見てみたいとあったので
教えて仮面も取っている。
「ジャンヌはもしかしたらそう思ってる
かもしれないけど、そこまで恩感じなくて
良いと思うんだけど」
「何をしたんだ?」
「ご主人様戻りました」
そこにジャンヌとキャンベルさんが
戻って来た。
「ヒィー」リリカが俺の首纏わり付き、
後に隠れる。さっきの件が相当来ている。
腰は……抜かしてないな。
「また、あなたですか、その腕は
何です!?もしもまたご主人様に手を
出すようなことがあれば!」
ジャンヌが剣に手をかけ
どんどん威圧が強くなる。
「ヒィーー」
「ジャンヌ待て、今は大丈夫だ!
ただジャンヌの件で
話を聞かれていただけだ」
「ん?私の件ですか、一体何を」
リリカはびくびくとしながら
俺の肩口から「お前、こいつの事すごく
慕ってるからなんでか~聞いてた
だけだぞ!こいつそんなにすごいのか?」
「なんと!?そう言う事でしたか、
分かりました。ご主人様がどれほど
素晴らしく、そして私がどれ程
お世話になっているかをご説明しましょう」
それからジャンヌはコンコンと
そして過剰に俺の事を
褒めてリリカに説明した。
……………▽
それから約一時間が経過
「蒼字(そうじ)今の話は本当ですか」
キャンベルさんがワナワナと
震えている。しまったな~ギルド職員の
キャンベルさんにダンジョンの
階層が実はもっと下まであると
知られたら、隠していた事を
問われるじゃん。これって罪に
なるんじゃないの?
もしもそうなったら
………レイチェルに振るか……
「まさかそんな事が……本物!
聖女の始祖ジャンヌ・クルス」
お!そっちか良かった。
そのままダンジョンの件を
気が付かないで欲しい。
リリカは身を震わせ高揚している。
「わ、わ、わ、ワタシ、ファンです!
握手して下さい」
「はい?」意味が分からないながら
握手をするジャンヌ
「やった~もう手を洗わないぜ」
あっちはおかしな状況になっている。
それとリリカ手は洗おうな!
「ジャンヌ様、先程は大変失礼
致しました!」
リリカは綺麗なお辞儀を深々とする。
「はぁ?私は気にしておりません。
それと私には敬称は不要です。
ご主人様に失礼の無いようにお願いします」
「はい!分かりました」
人一倍元気で従順なリリカさんの
出来上がり~さっきまでと態度が
変わりすぎて違和感しかない。
…………………▽
王都にある冒険者ギルド
「ガッガッ、た、助けてくれ
死にたくない」
「お前も戦士だろ!助けを乞うので
はなく。戦え!そしてその中で死ぬ!それが戦士の誉れだと教えられなかったか!」
片腕で軽々と大男の獣人を
持ち上げる長身の男、その周りは血で
染まり二十人近くの冒険者が倒れ
そばのカウンターに入る受付嬢が
震えて固まっている。
「準備運動くらいにはなるかと
思ったんだかな~
昔に比べての質が下がったか?」
「ボロス様、恐らく主力は戦場に
行っているかと」
「お~そうだったな!忘れていた!
準備の方は良いか」
「あと5分程で、バロンが術を
発動します」
「そうか、それでは取り戻そうで
はないか我が国を
待っておれよ我が弟よ!」
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