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第七章 師弟の絆
第176話 ししょ〜とヒナ
しおりを挟むわーこれはヤバい、生きてるとは
思えない大怪我してるじゃないか、
早く回復しないと!
「うっわーー」
スティンさんを見るとなんかダブってる
……これは!タマスィ~じゃん!マズイから、
身体から魂か抜けて来ているから~
どうしよう……
「取り敢えず……かた結びだ」
俺は身体に魂を墨帯で無理やり
結びつける。
「良し!今のうちに治療しちゃおう」
俺は『治癒の朱墨(しゅずみ)』で
治療を始める。傷口は修復されていくが
流石にここまで酷いと時間がかかる。
「くそ~この出血量は……」
スティンさんの下には真っ赤な血の
水たまりが出来ていた。この量…正確には
分からないけど……恐らく全体の半分近くの
血を流している。これではいくら傷が
塞がっても助けられない。
傷を治せても失った血は戻らない。
どうすれば良いんだ!
「ホワイトさん、これを使って下さい!」
涙を拭いながら渡られたのは、
先端に小さな針がついている瓶、
中にはオレンジ色の液体が入っている
けどなんだろう。
「これは増血材です!」
「ぞうけつざい?なんですそれ」
「簡単に言うと今ある血液を増やす効果が
あります。怪我さえ治ればなんとか
なると思います」
「おおぉ~すごいです!分かりました!
フルパワーで怪我を治すんで後は
宜しくお願いします」
俺は筆により魔力を込めると傷口が
あっという間に塞がった。正直自分でも
びっくり!
「すごい!!じゃなかった。
ここからは私がやります」
陽菜乃(ひなの)は腹部に増血材を
突き刺すと魔力を込めながら詠唱する。
へーさすがは陽菜乃(ひなの)それが
詠唱なんだ俺には分からん?
陽菜乃(ひなの)は言葉というより
歌のように音を奏でる。増血材はそれに
反応し色が変化、赤くなっている。
きっとこれがスティンさんの血液に
なるんだ。
「うっ……あああ……あ?」
スティンさんの口からうめき声の
ようなものが出たかと思うと目が
突然開き、何が起こったのか
分からないと言った顔で陽菜乃(ひなの)を
見ている。
「ヒナ!……まさかお前も死んだんじゃ………」
「違いますよ!ししょ~、ここはまだ
あの世じゃないですよ」
悲しい顔をしたかと思ったら驚きながら
周辺を確認するスティンさん。
「ワタシは間違いななく死んだはずさ~
生きていられる訳がないさ~………あれ?
そんなバカな!腹が裂けたはずなのに
傷一つない!」
「ししょ~もう良いですよ!勝手に
死んだらダメですからね!」
陽菜乃(ひなの)はスティンさんに
抱きついた。
「ヒナ………そうかい……すまなかったさ~
心配をかけた。もうこんな無茶はしないよ」
スティンさんも陽菜乃(ひなの)を
大切そうに優しく抱きしめた。
「ヒナ……バイモンはどうなった?」
「も~うししょ~、せっかく感動の再開を
果たしたんですから、もう少し余韻に
浸ってて下さいよ~大体頭が吹き
飛んでるんですよ。生きてるわけが
ないじゃないですか~」
「そうかい……あいつに関しては油断
できないからね~私も頭では分かって
るんだが、どうして信用出来なくってね~」
確かに恐ろしい再生能力と命をいくつも
持っているような事を言ったヤツだ!
頭が弱点だとして不安は
どうしても残る。本当に死んだよな~
俺は改めて首から上を失ったバイモンを
見てみる。動く様子はない……でも何か
違和感がある。なんだろうか?
「それにしてもししょ~勘弁して
下さいよ!ホントのホ~ントに死んだと
思ったんてすからね~」
「ワッハハハ、私もだよ!きっと魂が
抜けてたさ~天国がちょっと見えた気が
するさ~」
「へーどんなところですか?」
「…………は!?二人共ちょっと待て、
周りを警戒しろ!」
俺は二人に大声で指示を出す。
なんで気が付かなかったんだ!
さっきのスティンさんみたいに死ねば魂が
抜けて来るはず、なのにバイモンからは
それが起こる様子がない。こいつ
死んでいない。
もっとだ、もっと良く見ろ………
俺は魔力(霊力)を目に集中されより
深く気配を感じる。
…………な!?そんな、こいつ……魂がない!
そんなはずはない。どこに行った!
「違う!蒼字(そうじ)そこじゃない!」
突然風太が陽菜乃(ひなの)に
向かって飛びついた。
「ペシッ」
風太は何かを地面に叩きつけ捉える。
「風太どうした?何かあるっていうのか」
「どうやら探しものが見つかったようだな」
風太の前足の下を見るとそこには
バイモンがいた。
「え!?なんでこんなところに、と言うか
生きてたのか!?しかもちっさ!
バイモンは全長数cmの大きさに
なっていた。
「いや、まいったな~見つかって
しまうとは、あと少しでお嬢さんの中に
入れるところだったのに」
スティンが怒りの形相で立ち上がる。
「バイモンお前、ヒナに何をするつもり
だったんだ」
「ん?あ~彼女の身体を頂こうと
思ったんだが捕まってしまった。
アビスに入り授かったこのスキル
結構重宝している。人を知るのに
とても効率的なんだ。それより良く生きて
いたものだ。これは驚きだどうやったのか
教えて欲しいところだ、だかそれどこ
ろではないか。このままでは潰されて
しまうからね」
「グァ!?」
風太は突然叫び飛び上がる。
「風太どうした!?」
俺は風太に駆け寄ると風太の
前足が溶けて無くなっていた。
「あ~苦しかった!犬が人様を踏むとは
いい度胸だ君も実験材料として使って
あげようか?」
「結構だ!お前なんぞに弄られたく
ないわ!ワン!」
「バイモン、生きていたのには驚いたが
もう終わりだ!観念して死ね!」
俺は魔力を高め術を発動しようとすると、
突然三人の男が降ってきた。
「誰だ、お前達は!」
俺の問いかけに一切反応しない男達
「これは僕のストック素材だよ」
バイモンはそう言って男達の一人の頭に
溶けるように入り込んだ。
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