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第八章 リルとの別れ……魔王ガルドとの戦い
第246話 バイオス宰相の正体
しおりを挟む◆ジャンヌの視点
私は通路を走っていた。
ご主人様は私を信じると言ってくれた。
期待に応えねば!
しかし一体なんなのか、この得体の
知れない感覚、でも何処かでこれと
同じものを私は知っている気がする。
タッタッタッ……私は走る。
コツ……コツ………コツ……
そして前からゆっくりと歩いて来る
一人の人物。
見た目は魔術師のようなロープに、
ジャラジャラとアクセサリーをぶら下げ
慣らしている。それ以外は50前後の
普通の男に見えるが、間違いなくこの男
から気配を感じる。
「おや?こんなところでどうされました?」
黙っているとあちらから声をかけられた。
この男、あれだけの騒ぎにも関わらず気が
ついていない。……いや気にしていないんだ!
「あなた……一体何者?」
「私ですか、私はバイオスと申します。
この国の宰相を務めさせて頂いて
おります」
「………違う!そうじゃない。あなたは
どこかで……」
私はやはり過去にこの男と
会ったことがある。そう遥か昔に……
相手が誰かは分からない。
だけどこいつは野放しには
出来そうにない。
私は一瞬でバイオスの懐に入り剣を振る。
ブシュー…………血ではない。これは!
バイオスの胸に食い込む剣を
黒いスライムが防いでいた。ウネウネ動く
それは何なのかは分からない。
スキル?魔法?それとも生物なの?
「とてもお速いですね!驚きました。
それにあなた………見覚えがあります
…………ほお~まさか聖女ジャンヌでは
ありませんか!」
バイオスは少しだけ目を見開き、
驚いていた。
「驚きました。まさかまたあなたに
お会い出来るとは驚きです!
確かアスタローネに取り込まれたと
思いましたが、どうやら出られたようで、
聖女と言う生き物は本当にしぶとい
ですね~」
こいつは私を知っていた。思い出せ。
必ず私の記憶の中にこいつはいる。
「それでは聖女殿、お相手しましょう」
バイオスからウネウネと黒いスライムが
湧き上がり硬化、鋭い刃と変化する。
『シャインソード』
光の闘気が剣に注ぎ込まれ、
淡く白い輝きを放つ。
「行ってください」
バイオスが軽く腕を振る。
黒い刃が高速で私に向かい飛んで来た!
私はそれを躱し再び接近を試みる。
「流石はジャンヌさん、良い動きです!では
これならどうでしょ……『ダークサークル』
突然、私を中心に床が黒く変わり、
黒い腕ようなの物が浮き出てくる。
そいつ等は私をこの闇の沼へと
引きずり込もうと伸びてきた。
この数は流石に受け入れない!
『ホーリーインパルス』
私を中心に光の衝撃波が闇を消し飛ばす。
『シャインソード』
光の力を剣に纏わせバイオスに
斬りかかる。
『ダークジャベリン』
バイオスの足元から闇の槍が
飛び出してきた。
キィーン、鋭い刃が激突する。
「お前の目的は何だ!
なぜ魔王に与する!」
「おやおや、お忘れですか?私の目的を、
あなたには何度か邪魔をされた。こちらと
しては少々腹立たしい発言でありますね~」
一瞬、男の顔が醜く歪んだように見え、
すぐに戻る。
『ダークバインド』
『アクセルダンス』
バイオスの闇の帯を軽やかな動きで
切り裂いていくジャンヌ。
「私がお前の邪魔を………お前はヒト族では
ないな!
悪魔………お前の目的は邪神の復活!?」
「そうですよ、聖女ジャンヌ、あなた方が
最も忌むべきことで御座います。
ですので、あなたには
何度邪魔されたことか」
「あなたはまさか!ラーヴァナ宰相」
私は思い出した。この男の卑しく
歪んだ顔を声を、
そしてこいつの目的を……
「思い出して頂けましたか、
嬉しい限りで御座います。
あなたとは敵でありながら、
好ましくも思っております。
あなたが苦しみ、悲しんだ顔を見るのが、
私の楽しみの一つでもありましたから、
また、このようにお会い出来たことを
今日と言う日に感謝せねば」
バイオスの顔が卑しく歪んだ顔に、
今度は隠すつもりもなくニタニタと
笑っていた。
「お前を許すことは出来ない!
かつての仲間を苦しめ殺した!
お前達を!そして絶対にさせない!
邪神グラン・ルシファーの復活を!」
バイオスとジャンヌの闘いは激しさを
増していった。
…………………▽
その頃、謁見の間では、
「どうやら来たようだな。まったく無駄な
ことをさせる愚息よ!ま~良いか、
力を試す良い機会を得た、存分に闘うが
良い」
魔王ガルドは王座から見下ろした先には
一人の少女がいた。
「ふふ……お任せくださいお父様、
新たな私の力をご覧にいれましょう」
少女は今まで見せたことのない歪んだ
笑顔で応えるのてあった。
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