混沌な世界でも僕は平穏を貫きたい所存であります(なりません)

あーひる

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来賓玄関

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[学校訪問]

あれから携帯でお母さんに電話した内容を伝え14時に葵川高校の裏門で集合するということになった。
(僕も行くって言ったらだいぶ驚かれたなぁかーーなり渋ったけど何とか承諾してもらって良かった...)
遅めの朝食を食べ自分足音しか反響しない廊下を歩き部屋に戻る。
外に着ていく服はと――タンスを開ける
 
(僕も人の事言えないけどあまり服に興味なかったのかな)
何枚もの同じような無地の服やズボンなどの最低限度のものしかなくおしゃれに興味がなかったと思う。
(これとこれ..あとこの組み合わせはどうだ?)
鏡の前に行き服を当てる。


・    ~少し考えちゅ~

 ――ふむ。我ながらこれで良いんじゃないかな...鏡の前で服の裾を曲げシャツinをして全体を整える
この数少ない服でよく頑張った方だと個人的には思いたいな。
服装はざっくり言うと消灰色のジーンズに
トレーナーは蒼色のフードを着た
今どき高校生って感じの服。
「えっとあとは...これをかぶれば良いのか」
掛けてある少し深めの紺色の帽子を被る。
僕が葵川高校に行く条件としてお母さんが言った条件は
①部屋に置いてある帽子を必ず被って行く事。
 
②フロントに行って自動運転のタクシーで高校に行くこと。
  この2つだ。
①はなんとなく男だからとかで予想がつく
②は、え?もう自動運転ってもう普通に使われているの???びっくりしたことだが
そういえば昨日のマンションの説明のときにドローン配達や無人の受取ボックス・AIの認識監視カメラなどを搭載して事件や男性の精神などの面で起こらないようにしてるって言っていたっけ?


多分だけど男関連の方向は目まぐるしいほど技術成長をしておりタクシーの自動化もその一端であると思われる。
それにこれらすべてのサービスは男性に対して無償なのだという。
なんという手厚いサポート...!!!
もう骨の髄まで
怠けちゃいそうになるわ...これ。

すべての準備も整い靴を履き玄関のドアノブに手を掛け.......捻る。
 『ガチャ!』
一歩を踏み出し見上げた空は一点も雲もなくどこまでも晴れ渡った青色のカーテンが広がっていた控えめに行ってもさいっこうにワクワクする状況だ。
―――さてさて行ってまいりましょうか!!!



「夜宵さんこんにちは!!あの、タクシーを
手配したいんですけど...」
今現在僕は隠し通路から出てフロントに
行き管理人さん
――もとい夜宵さんに話しているところだ。

「こんにちは、甘露寺様。お名前を覚えていていただきありがとうございます。タクシーですね、かしこまりました。すぐに手配いたしますので、少々お待ちください。」
「ちなみにどこにお出かけなさる予定ですか?」
「葵川高校です。」
「承知しましたこちらで目的地の登録もしておきますね。」
そう微笑みかけると固定電話で誰かに連絡をした。
シワ一つないビシッとした男性用のスーツを着て白の手袋をつけている姿はなんでも切なくこなす洗礼された一種のロボットのように感じる。
「タクシーの手配が済みましたので、そのままロビーまでお越しください。DX005と書かれたタクシーがございますので、そちらにご乗車いただき、葵川高校までお行きください。」
電話してから五分程度しか経っていないのにもうきたの???もう僕一生驚いてそうだな。。
「ありがとうございます!!」


 ロビーで待っていると外にDX005と書かれた黒のタクシーが留まりそれに乗る。
 中は全体的に重厚感があり運転席と助手席は透明なガラスで壁のようになっており後部座には目的地を入力するであろう端末がある。
 すでに葵川高校に目的地はなっているようで中に入りシートベルトをするとエンジンが掛かる。
『甘露寺様 では葵川高校に出発します。時間は約20分ほどになりますのでゆっくりおくつろぎください。』
 そう言い動き出す。

『ー’ー*~ー’”ーー~ーー””ーー’~ーー’ー』

 外から中が見れないような特殊フィルムでコーテングされているようで歩いている人々はこちらに
気づく素振りもない。音もなく風景だけがただ平行移動する。
例えを出すなら新幹線はたまた飛行機のようだ。
――――少し眠ろうかな乗り物の僅かな振動音ってなんだが落ち着くんだよね。



「ありがとうタクシーさん」
 『パタン』
扉を締め走り去っていくタクシーを見送り前を向く。
 さぁ!!やってきました葵川高校(裏門)!
時間を見ると...うんちょっと待ち合わせ時間よりも少し早いな
 ――校門付近で少しウロウロしてみる。
 
学校の入口の桜の木々たちは若葉も混じっているいわゆる葉桜。と言う状態で光と風で
木々のざわめきで桜が宙を舞いかけらの光があちこちに散布する。
(それにしてもやっぱりこんなところに男がいるなんて目立つのかな...?
ていうかこの格好で入口ら辺にいたら絶対怪しがられているよね....)
 ちらほらと葵川高校の部活動の生徒がこちらをじっっと見つめては僕が見るとプイッと
そっぽを向いて学校に入っていく。
 (まぁ確かに帽子を深くか被っている姿は夜道に出くわしたら怖いと思うな。)
いわゆる不審者のような格好だし。
 「かえちゃん~!おまたせしてごめんね!さっ入りましょ入りましょっ...!
もう少し早く着いていたかったぁ...ボソボソ」
 数分後、少し息を切らしながら僕の両肩を持ち電車ごっこのような姿勢をとり前に前進させようと押してくる。

来賓玄関に入りお母さんがアポの確認をする「午後、見学に伺う予定の甘露寺と申します。」
そう窓口で話すと軽快な足取りが聞こえる。
 
「あ、甘露寺様お待ちしておりました!!...
ヒェエエえ?楓様もご一緒でしたかぁ」
 西野と書かれたネームタグをつけたスーツ姿の女性が声を上げた。
恐らく西野さん(確実にそうだねど)的にはどうやら保護者であるお母さんだけが伺いに来ると思ったらしく息子の僕も登場したことに驚いたのかお辞儀ともつまずいている姿ともどっちにも取れるような姿勢になってしまい
ほっぺたが赤くなり少し恥ずかしそうに出迎えてくれた。



応接間に案内され早速話し合いが始まった。
西野さんが男性に対する対策やサポート・学校の体制や雰囲気などを書類を片手に順々に説明をし、その都度その都度怒涛の質問ラッシュを繰り広げるお母さん
――――さっきまでアワアワしてドジっ子のような西野さんとは別人のように変わりそれを華麗に‘’捌き‘’ ‘’捌き‘’ ‘’捌きまくる‘’ちょっとした戦いが繰り広げられていた。

・   ーー数時間後ーー


「それと男性とだけでみなし合格なんですが
一応テストを受ける決まりになっていていまして あ、形式ってだけで確定で合格ですから安心してください。」
 「それにはどんな対策となぜ合格なのにそれをする必要があるの?」
「はい、対策としましてはまず試験は別室で受けてもらいます。そして入試時間も少しずらして実施するので女子への接触もなくせます。
確かに零様がそれを思うのはごもっともな意見です。理由としては本校はさっきも言いました通り3つのコースで分けられていて学力に差があります。
私共といたしましては授業のレベルや雰囲気にあったクラスを選んでほしいと考えて
入試テストを見た結果をどのコースにするか相談したいと思っております。」
なるほどねちゃんとしてるじゃんさすが葵川高校と今一度選んだ高校の素晴らしさで笑みがこぼれる、すると
西野さんは一泊おき扉の方を見たかと思うと小声で言う。


「因みになんですがこのテストの結果次第で政府が学校に支給してくれる額が多くなるかもしれないって企みもあります」
手で声が漏れないように手の平で手製の防音室をつくり口付近に持ってきて言う。
あまりにもニヤニヤして言うものだからこれには僕もお母さんも静かに笑った。

「我が校の制度やサポートについての説明は以上となります。何かご質問はございますでしょうか。」
お母さんがこちらを見てきたので首を横にふる
 
「私も楓もあなたの丁寧な説明で何も質問はないわ。..........それよりもねぇあなたって転職をする気はない?」
「え?お母さん?!」
ど、どうしたの?お母さん??スカウト?
 「ご質問がないようなのde((ッて、転職ですか?!?!Σ(OωO )」

 予想外の質問..ではない提案に目をパチクリし口を呆けた開け方をしてる。
 「うん、あなた多分有名企業の営業部の出でしょ?自然と営業特有のそれが出ていて聞き手に対しての言葉選びやテンポの落とし方・受け答え・場を和ませ話の句読点をつけるのもどれも短的で素晴らしかったわ。」

私こういうものなの。胸ポケットから名刺を取り出し彼女に渡す。
「オーベェル企業...しかもその若さで取締役!?」
「え?取締...てことは社長!?」
もう何回驚いてるんだ僕...でも社長?!
「どう?転職してみない?」
「確かに...私は中小企業の営業部の部長をしていました...モウナイケド(ボソッ)」
「部長!!やっぱり優秀なのね!」手をパチパチ合わせ目を子どものように輝かせる。
「どこの会社に・・・」「」「」「」「」「」
 『ー――””――’――%#”ーーー*>?ーー』


ジトーーーと二人の会話を横目に出してくれたお茶をちょびちょび飲む。
(ていうかお母さんが社長とか初めて知ったんだけど...その事について聞きたいけど今僕が話すスキすらないし)
 完全に蚊帳の外で少し寂しさを感じちゃうな...はぁ..またお茶飲も。
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