裏乙女ゲー?モブですよね? いいえ主人公です。

みーやん

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9. まさかのヒロイン不在?! 攻略対象勢揃い。 後編

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ざわざわ

やけに騒がしい音で目が覚め顔をあげるとほとんどの生徒が教室に到着したようでそれぞれでグループができていた。
グループで固まって喋っている光景に懐かしさが蘇ってくる。俺の学生時代もこんなんだったなぁーなんて呑気なことを考えていると何やら違和感を感じた。

俺の周りには人が1人も居なかった。
もちろん前にいる変態となぜか横に座っているワンコ違いを除いて。
なんでだろうとキョロキョロしていると前にいる変態が俺が起きたのになぜか気づいて後ろを振り返るものだから目が合った。
話しかけてくる前に顔を押さえてこれ以上振り向かないように押し返していると、ひどいよぉ~と言いながらも変態が正面に向き直った。

そんなやりとりを生徒達が少し離れたところで見ていたようで教室が静まりかえった。
代々王様に仕えている騎士の跡取りなので流石に誰かがいる前では控えた方がいいな。反省しつつ再び気配を消すことに徹する。

しかしその静まり帰った教室は奴らが入ってきたことで再び騒がしくなった。
そう。攻略対象どもだ

1人目少しつり目がちなぱっちりな目が特徴的な奴だ。見た目こそ可愛い系だが実は見た目に反して超ドSな性格ねじ曲がってるほぼサイコみたいな奴だ。

真反対に2人目は平凡な見た目こそあるが運動神経抜群、勉学も学年一と言ったまさに優等生だ。
しかし実は暗殺者家系の跡取り息子でありゲーム内でコイツになんども攻略対象を殺された。
ま。なんせ邪魔さえしなければ殺されることはないので一旦おいておこう。

3人目は言うまでもなく先ほど会ったチャ会計だ。

この3人は幼馴染的な存在で昔から面識があった。

そんな迫力ある3人が入ってきたらそりゃぁざわざわするわな。
そんなざわざわする周りを気にもとめず、スタスタとこちらへ歩いてきた。

ここら一帯しか席が空いてないんだからそうなるだろうけどさ。流石にこの状況はまずいんじゃない?
だってさっきチャラ会計のナニを蹴り上げたし…そもそも攻略対象が一箇所に集まるなんて目立つ以外に何があるんだよ。なんのために俺が気配消してると思ってんだ。馬鹿野郎。

「…あ!さっきの子だ!」
うゎっ。見つかった…

それにつられて残りの2人もなんだっと近寄ってくる。

チャラ会計
「さっき俺の大事な所を蹴り上げて逃げていったウサギちゃんだよ!ほんと痛かったなぁ。俺のあそこが使えなくなったらどうしてくれるのさぁ!責任とってもらうからね!」

優等生
「え!この子がさっき言ってた子?とてもじゃないけどそんなことするようには見えないな…もしかしてメイ!何かしたんじゃないの?」

ドS
「メイのことだから無理やり襲おうとしたんじゃないの?この子食べちゃいたいぐらいに可愛いし。」

あぁ。もうなんなんだよ。こいつは頭がちょっとアレなのかもしれない。
もういいわ。俺はモブでこいつらを相手にしないといけないヒロインじゃないしほっておこう。

無視を決め込もうとした所バンっという音と共にこのクラスの担任。6人目の攻略対象が登場した。
こいつはまだ他のに比べてマシな方でただやる気ない系の男だ。実は名家の生まれで社交界の王子とも言われているやればできるやつ。しかしこのゲームやってる時から思ってたけど教師は生徒に手を出しちゃダメだろ。普通に。
ゲームの世界だからと言われれば何も言えないが…

担任
「お前らー席につけー」
やる気のない声が聞こえてくる。
その指示でみんながぞろぞろと席に座り出した。俺に話しかけてきた三人衆はそれぞれ、ドSが変態の前、優等生が俺の右斜、チャラ会計が優等生の前に座った。
もういじめ的な席の位置だ。

担任
「よし!席ついたなー。今から順番に自己紹介していってくれ。因みに俺はここの担任ベル・ライナーだ。よろしくな」

担任から始まり順に生徒一人一人自己紹介していく。

ドS
「キーラー・リンです!可愛いものが大好きです!よろしくお願いします!」

変態
「ノイター・セイです。よろしく」

俺の番になり少し緊張していたがとりあえず名前とよろしくお願いしますだけ伝え難なく終わった。

優等生
「トリセ・ユウです!皆んなと仲良くなりたいと思っているのでどうぞよろしくお願いします!」

ワンコ
「モイラ・コンです。花が好きです。仲良くしてください」

チャ会計
「チヤリー・メイラでーす!昼も夜もみんなと楽しいことできたらいいなって思ってます!今夜空いてる子がいたら声かけてね!」

その後も自己紹介を聞いていた。
1人も逃すことなく。このゲームのヒロインにして主人公の名前。ミアの名前を名乗るのを。
自己紹介も終盤に近づいてきて徐々に焦りが抑えられずにいた。

後5人。後4人。後…3、2、1…

最後までミアの名前を名乗る奴は居なかった。
その時!ガラガラと扉の開く音が聞こえ来たか!と期待の目を向けるとそこには事務員。そう攻略対象が立っていた。
期待から絶望に一瞬にして叩き落とされ、攻略対象が何か言っていたがそれすらも耳に入らなかった。
なぜ。なぜ主人公がいないのか。そしたら主人公は誰なのか。混乱と絶望で思考がまとまらなくなり俺の頭はパンクしてしまった。

ここまでで俺は限界をさらに超えたようでそのまま意識を失った。
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