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「……なら、証拠を見せていただけませんか?」
「証拠?」
「はい。本当に聖女なのだとしたら、祈りで奇跡の光を起こせるはずです」
私はマリィさんに視線を向けて、そう告げた。
いかに容姿を似せても、聖女の力は唯一無二だ。
力までは真似られない。
「ふふっ、もちろん構いません。見てください。これが私の……聖女の力です」
「――!」
彼女は両手を組み、祈り始めた。
淡い光が彼女の周りを包む。
ライゼン様がうっとりとした表情で見入る。
「ああ、なんて綺麗な光なんだ」
「これは……」
聖女の力ではない。
私の中にある聖女の力とはまったくの別物だと断言できる。
彼女の手首には、初めて見る腕輪が装着されていた。
おそらく魔導具だろう。
魔法の力で、聖女の光を誤魔化しているに違いない。
「ライゼン様! これは聖女の力ではありません!」
「……君は、聖女の、神の光すら否定するのか! なんて罰当たりなんだ!」
「違います! 偽っているのは彼女です! その腕輪を――」
「もういい! 君の虚言に付き合っていると頭が痛くなるんだ!」
「っ……」
怒声が大聖堂に響いた。
怒りに殺意が込められたような鋭い視線で、彼は私のことを睨んでいる。
恐ろしかった。
このまま食い下がったら、手が出るんじゃないかと思うほど。
そう思うと萎縮して、私は何も言えない。
「聖女の名を騙った罪は重いぞ! ライゼン・スパークロンの名のもとに銘ずる。マリィ・ノーマン、をスパーク王国から永久追放とする!」
「――! そんな……」
追放……?
追い出されてしまうの?
この国から……。
突然ハッキリと告げられた追放宣言に、頭が真っ白になる。
クスリと、笑い声が聞こえた。
聞こえた方向には案の定、彼女がいる。
言葉には出さずとも、彼女の心の内が聞こえてくるようだ。
――いい気味ね。
「今すぐ出ていくんだ。君はここにいるべき人間じゃない」
「ライゼン様……私は!」
「まだ自分が本物だとでもいうつもりかい? そろそろ僕も限界だよ」
「……」
ああ、本当にダメだ。
このままじゃ私は、この国から居場所を完全に失ってしまう。
聖女の地位も、偽者に奪われてしまって……。
どうにかしなくちゃ。
私が本物の聖女なのだからそれを証明して、彼らが嘘をついていることを世に知らしめる。
どうやればいい?
誰も味方はいない。
信じて協力してくれる人はいないのに、私一人で何ができる?
それでも私は聖女だから……。
偽者なんかにこの地位を――
「あ、別にいっか」
「「え?」」
ふいに声に漏れたのは、窮地に追い込まれてたどり着いた本音だった。
キョトンとする二人を他所に、私は気がつく。
そうだ……そうだよ!
私はずっと、聖女を辞めたいと思っていたじゃないか。
聖女の地位から解放されて、自由にこの世界を生きたい。
それこそが私自身の願い、祈りだった。
叶うんだ。
彼女が代わりに聖女をしてくれる。
だからもう、私が聖女として頑張る必要がない。
私は――自由になれる。
「証拠?」
「はい。本当に聖女なのだとしたら、祈りで奇跡の光を起こせるはずです」
私はマリィさんに視線を向けて、そう告げた。
いかに容姿を似せても、聖女の力は唯一無二だ。
力までは真似られない。
「ふふっ、もちろん構いません。見てください。これが私の……聖女の力です」
「――!」
彼女は両手を組み、祈り始めた。
淡い光が彼女の周りを包む。
ライゼン様がうっとりとした表情で見入る。
「ああ、なんて綺麗な光なんだ」
「これは……」
聖女の力ではない。
私の中にある聖女の力とはまったくの別物だと断言できる。
彼女の手首には、初めて見る腕輪が装着されていた。
おそらく魔導具だろう。
魔法の力で、聖女の光を誤魔化しているに違いない。
「ライゼン様! これは聖女の力ではありません!」
「……君は、聖女の、神の光すら否定するのか! なんて罰当たりなんだ!」
「違います! 偽っているのは彼女です! その腕輪を――」
「もういい! 君の虚言に付き合っていると頭が痛くなるんだ!」
「っ……」
怒声が大聖堂に響いた。
怒りに殺意が込められたような鋭い視線で、彼は私のことを睨んでいる。
恐ろしかった。
このまま食い下がったら、手が出るんじゃないかと思うほど。
そう思うと萎縮して、私は何も言えない。
「聖女の名を騙った罪は重いぞ! ライゼン・スパークロンの名のもとに銘ずる。マリィ・ノーマン、をスパーク王国から永久追放とする!」
「――! そんな……」
追放……?
追い出されてしまうの?
この国から……。
突然ハッキリと告げられた追放宣言に、頭が真っ白になる。
クスリと、笑い声が聞こえた。
聞こえた方向には案の定、彼女がいる。
言葉には出さずとも、彼女の心の内が聞こえてくるようだ。
――いい気味ね。
「今すぐ出ていくんだ。君はここにいるべき人間じゃない」
「ライゼン様……私は!」
「まだ自分が本物だとでもいうつもりかい? そろそろ僕も限界だよ」
「……」
ああ、本当にダメだ。
このままじゃ私は、この国から居場所を完全に失ってしまう。
聖女の地位も、偽者に奪われてしまって……。
どうにかしなくちゃ。
私が本物の聖女なのだからそれを証明して、彼らが嘘をついていることを世に知らしめる。
どうやればいい?
誰も味方はいない。
信じて協力してくれる人はいないのに、私一人で何ができる?
それでも私は聖女だから……。
偽者なんかにこの地位を――
「あ、別にいっか」
「「え?」」
ふいに声に漏れたのは、窮地に追い込まれてたどり着いた本音だった。
キョトンとする二人を他所に、私は気がつく。
そうだ……そうだよ!
私はずっと、聖女を辞めたいと思っていたじゃないか。
聖女の地位から解放されて、自由にこの世界を生きたい。
それこそが私自身の願い、祈りだった。
叶うんだ。
彼女が代わりに聖女をしてくれる。
だからもう、私が聖女として頑張る必要がない。
私は――自由になれる。
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