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数十分経過する。
「やっぱり誰も来ないですね」
「……いえ、そんなことはないようですよ」
「え?」
シオンが視線を向ける先には窓ガラスがあって、外が薄っすらと見える。
人影がチラホラとあった。
シオンが続けて言う。
「中の様子を覗いているようですね」
「そうみたいですね」
入っていいのかわからず困っているのだろうか?
私とシオンは頷き、教会の外に出てみる。
すると、人影は一つではなく、数人の人たちが教会の周りに集まっていた。
「お、ああ! 聖女様!」
「おはようございます、皆さん」
教会から出てきた私に、人々は驚いていた。
私も平静を装っているが、こんなに人がいるとは思わなくて、少し驚いている。
「お、おはようございます」
「教会なら開いていますよ? 何か相談事があるなら中へ」
「いや~、相談とかは特にないんですが」
「そうなのですか?」
じゃあどうして教会の外にいたのだろう。
浮かんだ疑問に応えるように、男性は人々を代表して言う。
「その、聖女様を一目拝めたらなと思いまして、それだけです」
「私を……?」
見たくてわざわざ、相談もないのに朝から教会に来たというの?
変わったことを考える人たちだ。
「相談事は本当にありませんか?」
シオンが私の隣でひょこっと顔を出し、集まった人々に尋ねた。
すると、彼らは顔を合わせて、申し訳なさそうに言う。
「いや、相談事がないわけじゃないんですが……こんな時世ですしね? でも、個人の悩みで聖女様の手を煩わせるのは申し訳なくて」
そんな風に思っていたのか。
ふと、アクト陛下が言っていたことを思い出す。
スローレンの国民は、最初は遠慮して頼ろうとしないかもしれない。
言っていた通り、彼らは私に遠慮していたらしい。
「ふふっ」
「せ、聖女様?」
「すみません。そんな風に言われたのは初めてだったので」
つい笑ってしまった。
聖女に頼るのではなく、遠慮するなんて初めてだ。
そんな人もいるのか。
改めて、私がいる場所が、今までとは違うということを認識する。
「シオン、これから街に移動しませんか?」
「構いませんが、どうされるのですか?」
「皆さんの声を聞きに行きたいのです。どんなことを考え、何に悩んでいるのか。見て、聞いて、感じたいと思います」
今までのように、教会でただ待つだけではダメなんだ。
ここはスパーク王国じゃない。
私はもう、スローレン王国の聖女だから。
この国では、この国のやり方がある。
私のことを信じ、王国の一員として認めてもらうために……。
「私のほうから歩み寄りたい。人々の心に、共に祈らせてもらえるように」
きっと、このやり方が一番正しい。
「皆様が迷惑でなければ、ですが」
「とんでもない! きっとみんな喜びますよ! 遠慮して来れないやつも多いですし、歳をとって中々外に出られない人いますからね」
「そうですか。なら、会いに行きましょう」
「かしこまりました。では、私が案内いたします」
「ありがとうございます」
シオンに案内され、数名の人々と一緒に、私は教会から離れていく。
聖女として街を回るなんて初めてのことだ。
不謹慎かもしれないけど、少しワクワクしている。
どんな出会いが、私を待っているのだろう?
きっと温かくて、優しい出会いばかりだろう。
ここは、そういう国だと思えた。
「やっぱり誰も来ないですね」
「……いえ、そんなことはないようですよ」
「え?」
シオンが視線を向ける先には窓ガラスがあって、外が薄っすらと見える。
人影がチラホラとあった。
シオンが続けて言う。
「中の様子を覗いているようですね」
「そうみたいですね」
入っていいのかわからず困っているのだろうか?
私とシオンは頷き、教会の外に出てみる。
すると、人影は一つではなく、数人の人たちが教会の周りに集まっていた。
「お、ああ! 聖女様!」
「おはようございます、皆さん」
教会から出てきた私に、人々は驚いていた。
私も平静を装っているが、こんなに人がいるとは思わなくて、少し驚いている。
「お、おはようございます」
「教会なら開いていますよ? 何か相談事があるなら中へ」
「いや~、相談とかは特にないんですが」
「そうなのですか?」
じゃあどうして教会の外にいたのだろう。
浮かんだ疑問に応えるように、男性は人々を代表して言う。
「その、聖女様を一目拝めたらなと思いまして、それだけです」
「私を……?」
見たくてわざわざ、相談もないのに朝から教会に来たというの?
変わったことを考える人たちだ。
「相談事は本当にありませんか?」
シオンが私の隣でひょこっと顔を出し、集まった人々に尋ねた。
すると、彼らは顔を合わせて、申し訳なさそうに言う。
「いや、相談事がないわけじゃないんですが……こんな時世ですしね? でも、個人の悩みで聖女様の手を煩わせるのは申し訳なくて」
そんな風に思っていたのか。
ふと、アクト陛下が言っていたことを思い出す。
スローレンの国民は、最初は遠慮して頼ろうとしないかもしれない。
言っていた通り、彼らは私に遠慮していたらしい。
「ふふっ」
「せ、聖女様?」
「すみません。そんな風に言われたのは初めてだったので」
つい笑ってしまった。
聖女に頼るのではなく、遠慮するなんて初めてだ。
そんな人もいるのか。
改めて、私がいる場所が、今までとは違うということを認識する。
「シオン、これから街に移動しませんか?」
「構いませんが、どうされるのですか?」
「皆さんの声を聞きに行きたいのです。どんなことを考え、何に悩んでいるのか。見て、聞いて、感じたいと思います」
今までのように、教会でただ待つだけではダメなんだ。
ここはスパーク王国じゃない。
私はもう、スローレン王国の聖女だから。
この国では、この国のやり方がある。
私のことを信じ、王国の一員として認めてもらうために……。
「私のほうから歩み寄りたい。人々の心に、共に祈らせてもらえるように」
きっと、このやり方が一番正しい。
「皆様が迷惑でなければ、ですが」
「とんでもない! きっとみんな喜びますよ! 遠慮して来れないやつも多いですし、歳をとって中々外に出られない人いますからね」
「そうですか。なら、会いに行きましょう」
「かしこまりました。では、私が案内いたします」
「ありがとうございます」
シオンに案内され、数名の人々と一緒に、私は教会から離れていく。
聖女として街を回るなんて初めてのことだ。
不謹慎かもしれないけど、少しワクワクしている。
どんな出会いが、私を待っているのだろう?
きっと温かくて、優しい出会いばかりだろう。
ここは、そういう国だと思えた。
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