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「待て、そう警戒するな」
彼は笑みを浮かべる。
きらびやかな服装から、暗殺者でないことはわかった。
しかし同時に、予期せぬ事態に戸惑う。
見られた?
どこから?
服装からしてどこかの貴族の……違う。
胸に輝く赤い宝石のペンダントには、この国の紋章が刻まれていた。
「その……ペンダントは……」
さすがの私も知っている。
あれは王族……の中でも、王位継承権を持つ者だけが身に着けることを許されたペンダント。
つまり彼は――
次期国王候補の一人。
……最悪だ。
よりにもよって王族の、しかも王位継承権を持つ者に見られるなんて。
いや、まだ誤魔化せるかもしれない。
私は世間では無能扱いされている。
「複数の異能を操る異能か。初めて見るが、相当な力を秘めているな」
「……なんのことでしょう?」
「しらを切るか。その氷塊はお前がやったのだろう? リアリス・グレイン」
「私の名前を……」
「知っているさ。お前は有名人だからな」
戦闘中から見られていた?
けど、私のことを知っているならわかるはずだ。
「……ならご存じのはずです。私は無能力者。異能なんて使えません」
「ああ、俺もそう思っていた。ついさっき間違いだと気付かされるまではな」
「……」
「もう隠すのはよせ。この場にいるのは俺とお前だけだ。誰も聞いていないし、俺以外は見ていない。お前が実は、優れた異能者であることは」
やはり誤魔化すのは無理があったみたいだ。
この口ぶり、全部見ていたのだろう。
私は諦めて肩の力を抜き、ため息をこぼす。
「あなたは……王家の方ですね」
「ああ。エドワード・レイバテイン。第六王子だ」
「第六王子……」
確か、王族随一の異能者。
次期王の候補の中で、彼より異能者として回る者はいないと言われている大天才。
なるほど……だったら誤魔化すのは無理だったわね。
この人ほど、異能について精通している人物はいないでしょうから。
「……どうするおつもりですか?」
「返答しだいだな。ただ疑問だが、なぜ力を隠している? その力を見せれば周囲の対応も変わるはずだ」
「……今さらです。私は平穏に過ごせればそれでいいと思っています」
「無欲なのだな。いや、単に諦めているだけか」
もしくはその両方、とエドワード殿下は呟く。
見られてしまった以上、今後の身の振り方は考えないといけない。
一番いいのは、殿下がこのことを黙ってくれることだけど……。
王族にお願いできる立場じゃない。
「お前の異能は、他者を強化できると言っていたな?」
「はい」
「それは永続か? 上限はあるのか?」
「効果は永遠です。上限はありますけど、相手の肉体が持つかどうかです」
私は質問に淡々と答えていく。
見られた時点で隠すことはもうできない。
素直に回答していった。
彼は顎に手を当てながら考えている。
「そうか。うん、いいぞ」
「?」
「決めた。リアリス・グレイン! お前、俺の婚約者になれ」
「……え?」
それは予想外の申し出だった。
突然のことで私もぽかーんと口を開けて驚く。
彼は笑みを浮かべる。
きらびやかな服装から、暗殺者でないことはわかった。
しかし同時に、予期せぬ事態に戸惑う。
見られた?
どこから?
服装からしてどこかの貴族の……違う。
胸に輝く赤い宝石のペンダントには、この国の紋章が刻まれていた。
「その……ペンダントは……」
さすがの私も知っている。
あれは王族……の中でも、王位継承権を持つ者だけが身に着けることを許されたペンダント。
つまり彼は――
次期国王候補の一人。
……最悪だ。
よりにもよって王族の、しかも王位継承権を持つ者に見られるなんて。
いや、まだ誤魔化せるかもしれない。
私は世間では無能扱いされている。
「複数の異能を操る異能か。初めて見るが、相当な力を秘めているな」
「……なんのことでしょう?」
「しらを切るか。その氷塊はお前がやったのだろう? リアリス・グレイン」
「私の名前を……」
「知っているさ。お前は有名人だからな」
戦闘中から見られていた?
けど、私のことを知っているならわかるはずだ。
「……ならご存じのはずです。私は無能力者。異能なんて使えません」
「ああ、俺もそう思っていた。ついさっき間違いだと気付かされるまではな」
「……」
「もう隠すのはよせ。この場にいるのは俺とお前だけだ。誰も聞いていないし、俺以外は見ていない。お前が実は、優れた異能者であることは」
やはり誤魔化すのは無理があったみたいだ。
この口ぶり、全部見ていたのだろう。
私は諦めて肩の力を抜き、ため息をこぼす。
「あなたは……王家の方ですね」
「ああ。エドワード・レイバテイン。第六王子だ」
「第六王子……」
確か、王族随一の異能者。
次期王の候補の中で、彼より異能者として回る者はいないと言われている大天才。
なるほど……だったら誤魔化すのは無理だったわね。
この人ほど、異能について精通している人物はいないでしょうから。
「……どうするおつもりですか?」
「返答しだいだな。ただ疑問だが、なぜ力を隠している? その力を見せれば周囲の対応も変わるはずだ」
「……今さらです。私は平穏に過ごせればそれでいいと思っています」
「無欲なのだな。いや、単に諦めているだけか」
もしくはその両方、とエドワード殿下は呟く。
見られてしまった以上、今後の身の振り方は考えないといけない。
一番いいのは、殿下がこのことを黙ってくれることだけど……。
王族にお願いできる立場じゃない。
「お前の異能は、他者を強化できると言っていたな?」
「はい」
「それは永続か? 上限はあるのか?」
「効果は永遠です。上限はありますけど、相手の肉体が持つかどうかです」
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見られた時点で隠すことはもうできない。
素直に回答していった。
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「そうか。うん、いいぞ」
「?」
「決めた。リアリス・グレイン! お前、俺の婚約者になれ」
「……え?」
それは予想外の申し出だった。
突然のことで私もぽかーんと口を開けて驚く。
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