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プロローグ
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「結婚はしたけれど、君もわかっている通り、これは政略結婚だ。訳あって俺が君を愛する事は出来ないから、変な期待はしないでくれ。跡継ぎの事もこちらで考える」
「承知いたしました。ですが、愛する事は出来ないだなんて、いちいちそんな宣言をしていただかなくても結構ですよ? 私だって政略結婚だと理解しておりますから! そんな事を言われないといけないくらい、私が愛に飢えている様に見えるのでしょうか?」
「いや、そういう訳では…」
「では、ご心配なく! 期待などは一切致しませんから!」
「え? あ、ああ。わかった。それなら良いんだ」
形だけの結婚式後、私と旦那様はこんな会話をしました。
私の旦那様になった、シークス様は女性嫌いで有名な方ですので、元々、期待はしておりませんでした。
何より、私と旦那様の結婚は政略結婚です。
愛なんてありません。
特に憎しみもありませんが。
旦那様は私を妻にして、いつか公爵になる、お兄様との繋がりが欲しかったのです。
そして、私の家の方は、同じく公爵家である、旦那様の財力と権力が目当てでした。
お兄様と旦那様は学生時代からの友人で仲も良いのですが、両親にしてみれば、兄の友人であれば、政略結婚であっても、私を大事にしてくれるだろうと思ったようです。
とまあ、そんな双方の思惑もあり、私は、18歳になってすぐ、3つ年上の旦那様のお飾りの妻になりました。
しかも、大してやる事のない、お飾りの妻のようです。
ですが、どこまで好きにして良いかはわかりません。
『愛する事は出来ない』なんて言葉はいらないですから、自由に好き勝手してくれたら良い、とか言ってほしかったです。
あ、今から、お願いしてくれば良いんですね!
結婚式の次の日、私、エレノア・ヘイル公爵令嬢、ではなく、エレノア・クロフォード公爵夫人は、目覚めてからベッドの上で、しばらくゴロゴロしておりましたが、名案が思い浮かんだので、勢いよく起き上がりました。
サイドテーブルに置いていた金色のベルを鳴らすと、実家から付いてきてくれたメイドのジャスミンが部屋に入って来て、手慣れた様子で私の寝癖だらけの腰まであるこげ茶色の髪をシニヨンにし、他の身支度も整えてくれました。
「お嬢様、ではなく、奥様、今日はどうすごされるおつもりですか?」
「まずは朝食後、旦那様の側近、もしくは執事に、旦那様の今日のご予定を聞くつもりです」
「聞いて、どうされるおつもりですか?」
紺のメイド服のジャスミンは赤色の肩までのストレートの髪を揺らし、小首を傾げました。
「私の自由がどこまで許されているのか確認しようと思います!」
「そうですね。奥様の事を愛さないという話、旦那さまからの愛情は期待するな、世継ぎの問題は気にするな、としか言われてませんものね!」
ジャスミンが両手に拳を作って頷いてくれました。
ジャスミンや屋敷にいる他の何人かのメイドも、旦那様と私の会話を聞いていたので、すでに、私と旦那様の仲が、始まってもいないけれど、冷え切ったものである事は、屋敷の皆は気付いているはずです。
普通なら肩身が狭い気持ちになるかもしれませんが、私が嫁にきたことだけでも、旦那様のメリットになっているのです。
何もできなくて申し訳ない。
だなんて、思わなくても良いと思うんですよね!
もちろん、迷惑をかける事は控えなければいけません。
旦那様にだって、許せるものと許せないものがあるはずです。
人によって何が地雷になるかはわかりません。
ですので、お互いに気分良く過ごす為に、何が嫌かは、はっきりさせておく事は必要です。
「穏やかな暮らしと自由の権利を獲得する為に、旦那様に会いに行きます! 会いに来るなとは言われませんでしたからね! それに迷惑をかけないように確認は必要ですから!」
昔から前向きすぎると言われている性格です。
旦那様はその事を知っておられるかはわかりませんが、旦那様が言いたい事を言ってこられたのですから、私も多少は言わせていただきましょう!
それに愛する事が出来ない、だなんて言われてしまったら、愛させてみろと言われているものではないですか?
私が旦那様に興味を持つ事があれば、そのお言葉、ぜひ、後悔させてさしあげたいものですね!
「承知いたしました。ですが、愛する事は出来ないだなんて、いちいちそんな宣言をしていただかなくても結構ですよ? 私だって政略結婚だと理解しておりますから! そんな事を言われないといけないくらい、私が愛に飢えている様に見えるのでしょうか?」
「いや、そういう訳では…」
「では、ご心配なく! 期待などは一切致しませんから!」
「え? あ、ああ。わかった。それなら良いんだ」
形だけの結婚式後、私と旦那様はこんな会話をしました。
私の旦那様になった、シークス様は女性嫌いで有名な方ですので、元々、期待はしておりませんでした。
何より、私と旦那様の結婚は政略結婚です。
愛なんてありません。
特に憎しみもありませんが。
旦那様は私を妻にして、いつか公爵になる、お兄様との繋がりが欲しかったのです。
そして、私の家の方は、同じく公爵家である、旦那様の財力と権力が目当てでした。
お兄様と旦那様は学生時代からの友人で仲も良いのですが、両親にしてみれば、兄の友人であれば、政略結婚であっても、私を大事にしてくれるだろうと思ったようです。
とまあ、そんな双方の思惑もあり、私は、18歳になってすぐ、3つ年上の旦那様のお飾りの妻になりました。
しかも、大してやる事のない、お飾りの妻のようです。
ですが、どこまで好きにして良いかはわかりません。
『愛する事は出来ない』なんて言葉はいらないですから、自由に好き勝手してくれたら良い、とか言ってほしかったです。
あ、今から、お願いしてくれば良いんですね!
結婚式の次の日、私、エレノア・ヘイル公爵令嬢、ではなく、エレノア・クロフォード公爵夫人は、目覚めてからベッドの上で、しばらくゴロゴロしておりましたが、名案が思い浮かんだので、勢いよく起き上がりました。
サイドテーブルに置いていた金色のベルを鳴らすと、実家から付いてきてくれたメイドのジャスミンが部屋に入って来て、手慣れた様子で私の寝癖だらけの腰まであるこげ茶色の髪をシニヨンにし、他の身支度も整えてくれました。
「お嬢様、ではなく、奥様、今日はどうすごされるおつもりですか?」
「まずは朝食後、旦那様の側近、もしくは執事に、旦那様の今日のご予定を聞くつもりです」
「聞いて、どうされるおつもりですか?」
紺のメイド服のジャスミンは赤色の肩までのストレートの髪を揺らし、小首を傾げました。
「私の自由がどこまで許されているのか確認しようと思います!」
「そうですね。奥様の事を愛さないという話、旦那さまからの愛情は期待するな、世継ぎの問題は気にするな、としか言われてませんものね!」
ジャスミンが両手に拳を作って頷いてくれました。
ジャスミンや屋敷にいる他の何人かのメイドも、旦那様と私の会話を聞いていたので、すでに、私と旦那様の仲が、始まってもいないけれど、冷え切ったものである事は、屋敷の皆は気付いているはずです。
普通なら肩身が狭い気持ちになるかもしれませんが、私が嫁にきたことだけでも、旦那様のメリットになっているのです。
何もできなくて申し訳ない。
だなんて、思わなくても良いと思うんですよね!
もちろん、迷惑をかける事は控えなければいけません。
旦那様にだって、許せるものと許せないものがあるはずです。
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ですので、お互いに気分良く過ごす為に、何が嫌かは、はっきりさせておく事は必要です。
「穏やかな暮らしと自由の権利を獲得する為に、旦那様に会いに行きます! 会いに来るなとは言われませんでしたからね! それに迷惑をかけないように確認は必要ですから!」
昔から前向きすぎると言われている性格です。
旦那様はその事を知っておられるかはわかりませんが、旦那様が言いたい事を言ってこられたのですから、私も多少は言わせていただきましょう!
それに愛する事が出来ない、だなんて言われてしまったら、愛させてみろと言われているものではないですか?
私が旦那様に興味を持つ事があれば、そのお言葉、ぜひ、後悔させてさしあげたいものですね!
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